陸連の「世界で戦える選手をマラソン五輪代表に」に疑問の声

NEWSポストセブン / 2012年3月12日 7時0分

 やはりというべきか。揉めに揉めた男子マラソン・五輪代表選考理事会(3月12日)までの顛末。その予兆はあった。

 東京・渋谷区にある日本陸連。数日前から五輪選考についての問い合わせ電話が殺到していた。「世界で戦える選手に五輪切符を与える」という陸連のあいまいな選考基準についての疑問だった。

 小誌が幾度も指摘してきた通り、この基準は見方によってはどうとでも取れるのだ。例えば、日本陸連の理事・瀬古利彦氏(55)はびわ湖毎日マラソン(3月4日)で日本人1位(全体4位)になった“飛脚ランナー”こと山本亮(佐川急便)について、

〈本人が一番びっくりでしょ。この雨の中、タイムはいい。だけどレースの内容は褒められたものじゃないね。前を行く選手を追い掛けて行っただけだから、強さを感じない〉(日刊スポーツ・3月5日)

 と激辛だ。2時間8分44秒のタイムにほとんどのマスコミが“当確”を打ったが、それを全面否定するコメントである。では、瀬古氏のいう五輪で勝てる条件とは何か。

〈五輪は夏のレースだし、途中のペースアップも半端じゃない。だから粘れる人であり、世界を経験している人がいい〉(同)

 粘れる人、世界を経験している人。そう聞いてまっさきに浮かぶのは福岡国際(2011年12月4日)の川内優輝(埼玉県庁)の激走だろう。

 公務員というハンディを背負うにもかかわらず今井正人(トヨタ自動車九州)、前田和浩(九電工)ら実業団エリートと競り合い、日本人最高位となる3位を獲得した。18位ながら世界選手権(大邱)も経験している。

 だが、川内についても瀬古氏は辛辣だった。レース終了後のコメント――。

〈好勝負のように見えてレベルが低い。だから、手に汗握らなかったよね。(中略)しかし(川内の走りは)「何もんだ走法」だな。僕は宗さんと並ぶと呼吸を消していた。楽なように思われるためにね。でもアイツはやかましい。まわりの空気も全部吸って、並走ランナーの魂まで抜いちゃってる感じだよね。今井や前田もド肝抜かれただろう。忍者よりすごいよ〉(同・12月5日)

 また、瀬古氏が解説を務めた東京マラソン(2月26日)では、川内が失速した22~23キロ過ぎの場面において、「川内選手は、キツイ顔をしてます」「余裕がないですね」と熱く実況。

 ネット上は、「川内が遅れだしたら、何故か瀬古が喜んでいた」といった話題で盛り上がった。瀬古氏が手厳しいのは川内だけではなかった。

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