麻布校長 東大に入るためだけに6年間使うのは馬鹿馬鹿しい

NEWSポストセブン / 2012年3月24日 16時0分

 今年の東大の前期入試の合格者は、昨年に大幅減となった麻布が持ち直したものの、一位の開成の大幅増が話題になった。その麻布で、いま中学入試の受験生が減っているという。名門・麻布で何が起こっているのか。ユニークな教育論で知られる麻布中学・高校の氷上信廣校長に聞いた。(聞き手=ノンフィクションライター神田憲行)

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 麻布学園は、武蔵、開成と並んで私立御三家と呼ばれる中高一貫の男子校である。50年以上東大合格者数ベスト10をキープしながらも、制服と校則がないなど自由な校風で知られている。普通の進学校でない校風に憧れる受験生、保護者も多い。

 だが今年の入試で、麻布の受験者数が減ったことが大きな話題になった。公立の中高一貫校が台頭してきて、私立受験界は中堅校以下は苦戦は予想されたものの、麻布などの難関校は関係なし、と思われてきたからだ。

——今年の入試で受験生が減ったことが大きな話題になりました。どのように分析されていますか。

氷上:161人減りました。そのうちの60人は関西や九州の塾が主催した受験ツアーが無くなったからです。彼らはもともと合格しても入学するつもりはなく、受験生の力試しと塾が合格者数を誇るためにわざわざ来ていたんですが、今年からそれを中止にしたようです。理由はたぶん経済的な状況じゃないかと思うんですが、詳しいことはわかりません。

 残りの100人は東京・神奈川近辺の他の学校に流れました。これは世の中が堅実志向になってきたことの反映かな、と思っています。

——というと?

氷上:やっぱり勉強にしろ、生活指導にしろ、細かく学校が指導してくれた方が保護者は中学・高校の6年間のイメージが持ちやすいでしょう。麻布はクラブ活動や学校行事も盛んだし、自治会など生徒の自主性を重んじる校風ですから、管理型の学校ではない。6年間息子を預けるのは「賭け」みたいに感じる保護者もいるんじゃないかな(笑)。

——麻布に入れることは賭けなんですか(笑)。

麻布:いやいや我々はちゃんと生徒の指導はしていますよ(笑)。僕はいつも生徒には、「二兎を追え」と言っているんです。ひとつは勉強をしっかりすること。もうひとつはクラブ活動などを通じて学生生活を充実させること。ただ麻布の自由な校風について、保護者に説明が足り無かったな、というのは痛感していて、今年からは学外で行われる学校説明会にも積極的に参加していこうと考えています。

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