就職の保証人は原則3年間 会社に損害かけたら法的責任発生

NEWSポストセブン / 2012年4月6日 16時0分

 竹下正己弁護士の法律相談コーナー。今回は「知人の子供の就職にあたり、保証人を頼まれました」と以下のような質問が寄せられた。

【質問】
 知人の息子が会社に就職するにあたり、保証人になってほしいと頼まれました。金銭関係の保証人でなければ、あまり心配はないと聞きますが、一応引き受ける場合に、大事な心得などがあれば教えてください。新入社員に対する保証人については、特に大切な点は何でしょうか。

【回答】
 身元保証人になれば、知人の息子が会社に損害をかけると法的な責任が発生します。しかし、身元保証法が、保証人の責任が過酷にならないように規制しています。

 まず、身元保証の期間です。期間の約束がなければ原則3年です。合意で期間を決める場合は最大で5年間ですが、期間限到来後は合意により更新できます。更新なく保証期間を経過した後に起こした不祥事には責任はありません。

 身元保証契約には時として、期間満了前に通知がないと自動更新する特約が定められていることもありますが、身元保証法は、法で決めたこと以外で身元保証人に不利な約定は無効としており、こうした自動更新条項は無効であると解されています。

 次に期間前の契約終了ですが、身元保証法では、保証人の注意喚起のため、使用者に対して被用者に不誠実な行為があった場合や、被用者を保証人の責任が重くなりそうな職場や監督が難しくなる職場に変更する場合には、遅滞なく身元保証人に通知する義務を課しています。

 通知を受けた身元保証人は、将来に向かって身元保証契約を解除できます。つまり解除後に発生した事故については責任を負いません。また身元保証人は、使用者からの通知を待たなくても、こうした事態を知れば、将来に向かって解除できます。

 最後に身元保証人の責任の範囲ですが、使用者の損害を直ちに全額弁償するということにはなりません。争いになれば裁判所は、使用者の監督上の過失の有無、身元保証人が保証するにいたった事情、その保証にあたり注意したこと、さらに被用者の任務や職場の変化等の一切の事情を考慮して判断します。そこで、本人の人柄のほか、会社の職種や本人の業務内容などにも十分配慮する必要があると思います。

※週刊ポスト2012年4月13日号



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