デキる人は方眼ノートをなぜ「5分割」するのか

プレジデントオンライン / 2016年2月8日 9時15分

高橋政史(たかはし・まさふみ)クリエイティブマネジメント代表。1967年生まれ。のべ2万人に「ノートスキルの指導」を実施。導入企業は200社を超える。著書に『頭がいい人はなぜ、方眼ノートを使うのか?』(かんき出版)など多数。

■問題分析のときにパソコンは使うな

私に「方眼ノート」の使い方を教えてくれたのは、外資系コンサルティングファーム出身の上司でした。転職してすぐ、A4サイズの方眼ノートを手渡され「パソコンは触るな。企画を立てたり、問題を分析したりするときは、まずこのノートの上で考えろ」と指示されたのです。

また「パソコンはノートの上で整理された結果を最後に清書するためのツールにすぎない」とも言われました。パソコンは膨大な情報に優劣をつけたり組み立てたりするのには不向きです。紙の上で問題提起し、情報を整理してから結論までの流れを導き出すのが、最もスピーディなのです。その後、私はマッキンゼーやBCG、アクセンチュアなど数多くの外資系コンサルティング会社の出身者と一緒に仕事をしましたが、彼らの手元にあるのはいつも方眼ノートでした。

なぜ彼らは方眼ノートを愛用するのか。それは5ミリサイズの「方眼」を使って情報を整理すると、コンサルティングに欠かせない「ロジカルシンキング」が自然と可能になるからです。

人の思考と行動は「フレーム(枠)」によって大きく左右されます。たとえば道路にセンターラインがなければ、クルマを直進させるのは難しいでしょう。書類では「フォーマット」と言い換えられます。運転と同じように、人間の思考もフレームやフォーマットに沿って進めることで、ブレを最小限にしつつ、情報整理を早くすることができます。特に方眼ノートは、マス目が引かれていることで、フレームやフォーマットを作りやすいのです。

■5つの「フレーム」がロジカル思考を導く

コンサルタントによってやり方は違いますが、私が提唱しているのは、横長の1ページを5つのフレームに分割する方法です。その枠に沿って5つのステップで思考を進めれば、ロジカルな結論をスムーズに導けます。

まずはノートの上部3~5センチのところに左右にわたって線を引きます。さらにその上部を中央で2等分にし、下部は3分割します。するとノートには5つの枠ができるはずです。準備ができたら、左上の枠から左回りで思考を進めていきます。

左上の枠は「見出し」です。ここでは今回のノートのテーマや論点を書き入れます。続いて、左下に「事実」を書きます。ニュースや資料のデータ、人から聞いたこともここに書きます。「事実」を書きながら疑問点やアイデアが生まれたときには、中央のスペースに「解釈・気づき」を書きます。このスペースは言わば、あなたの頭の中を具現化したもの。ここをいかに膨らませられるかが問題分析のカギです。

4つ目は右下の「行動・要約」です。ここには「解釈・気づき」を踏まえて明らかになった課題やそのための解決策を書きます。このスペースを設けることで、ノートをまとめたあとに何をすれば結果が出せるのかが明確になります。最後は右上に「まとめ」を書きましょう。ここでは3行を目安にポイントを書くと、見た目も中身もすっきりします。

この5枠のうち、特に下部の3枠を、コンサルタントの世界では「雲・雨・傘」と呼んでいます。

「雲が垂れ込めてきた」という事実に対して、「雨が降りそうだ」という解釈があり、それに対して「傘を用意しよう」という行動が論理的に導き出されるわけです。

「雲・雨・傘」に「見出し」と「まとめ」を加えたのは、あとから見返すときに便利だからです。ページ上部に目を通すだけで、問題の概要を把握することができます。また思考を進める際には、問い(論点)と答え(結論)が対応しているかを、すぐに確認することもできます。

こうした5つのフレームで思考を組み立てることにより、どんな問題に対しても「いま何を考えるべきなのか」がすぐにわかるようになります。

ただし、この5つのフレームを有効に使うためには大きめのノートが必要になります。具体的にはA4サイズ以上のノートを選ぶようにしてください。1つのテーマに関するトピックを1ページに集約することが重要です。B5サイズ以下の小さいノートでは収まりません。ノートのサイズは思考のサイズなのだと心得ましょう。

■「A4サイズ」を「横長」で使う理由

またノートは縦長ではなく横長にして使ってください。人の目は垂直方向よりも水平方向に対して視野が広くなっています。このため縦長より横長のほうが、一度に多くの情報を把握できます。テレビやパソコンのスクリーンが横長なのもこのためです。

この方眼ノートの使い方は慣れるまでは難しく感じるかもしれませんが、仕組みはシンプルですから小学生でも実践できます。実際に私の息子はサッカーの練習方法を方眼ノートにまとめています。今日の練習の目的を左上に、練習内容を左下に書きます。さらに練習での感想や気づきを中央に、明日以降にやるべきことを右下に書き、最後にその日の練習のポイントを右上にまとめるようにしています。

毎日実践すれば、あなたのノートも必ず「結果の出るノート」に進化します。ぜひ試してみてください。

▼「方眼ノート」を使いこなすための3ステップ
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「方眼ノート」を使いこなすための3ステップ

【1】5mm方眼ノートを用意
【2】見出し線を引く
【3】上下に3つの線を引く

▼ノートづくりでの3つの注意点

【1】A4以上横長……ノートのサイズは思考のサイズ。大きいものを用意したい
【2】3色以内……基本は青か黒。そのほかは重要なところに赤を使う程度に
【3】書き心地のいいペン……思考を妨げない「走るペン」が向く。おすすめはパイロット「Vコーン」

▼黄金ルールは「5分割+3ポイント」
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黄金ルールは「5分割+3ポイント」

まずは左上の「見出し」から書く。1テーマ1ページで論点を明確にする。次に「事実」。人から聞いたことはすべてここに書く。続いて「解釈・気づき」。自分の見解や疑問点をまとめる。3番目が「行動・要約」。課題を解決するために何をすべきかを書く。最後は右上に「まとめ」を3行で書けば、整理された方眼ノートが完成する。

 

(クリエイティブマネジメント代表 高橋 政史 浪花真理子=構成 小倉和徳=撮影)

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