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安倍総理「支持ある限り戦います。命燃え尽きるまで」

プレジデントオンライン / 2016年2月9日 16時15分

アベノミクスの司令塔は、週刊誌報道により無念の辞任。(時事通信フォト=写真)

ベッキーの不倫疑惑、SMAPの分裂騒動など年明けから耳目を集めるニュースが相次いだが、政界も例外ではない。アベノミクスの司令塔だった甘利明経済再生担当相が金銭授受疑惑で急遽辞任し、安定政権を築いてきた安倍晋三首相の政治スケジュールに初めて黄信号が灯った。今年夏に衆参ダブル選で憲法改正に道筋をつけるシナリオは修正を余儀なくされるのか。執念があふれる舞台裏を探った。

「私の事務所が招いた国民の政治不信を秘書のせいだと責任転嫁することはできない」。1月28日の記者会見で、甘利氏は無数のフラッシュを浴びながら声を震わせ、辞任を発表した。週刊文春が報じた金銭授受疑惑は、千葉県の建設会社の総務担当者が甘利事務所に「口利き」を依頼。甘利氏や秘書に資金提供や接待を行っていたというものだ。政治資金規正法やあっせん利得処罰法違反の疑いがあるとされ、政府・自民党には激震が走った。

甘利氏は第一次安倍政権から閣僚を務め、2012年末の政権奪還後も経済再生、TPP担当など最重要ポストを重ねてきた首相の盟友。麻生太郎財務相と菅義偉官房長官の2人を含めて政権を支える「3A1S」とも評された。首相からは「たとえ支持率が10ポイント落ちてもいい」と慰留されたが、野党やマスコミの追及は強まる一方で、無念の辞任に追い込まれた。

ただし、表舞台から退場しても野党側が手を引くわけではない。民主党や維新の党は疑惑追及チームを設け、甘利氏や関係者の国会招致を要求。大学教授グループが刑事告発に向けて動くなど事態が沈静化する兆しは見えない。告発を受理した検察が不起訴と判断しても、検察審査会が「不当」とすれば改めて捜査されるため、「シロ」への道のりは長い。過去には所属する政党の支持率が急落したこともある。

■石原氏起用を疑問視する声

安倍首相は、数々の要職を務めながら目立ったスキャンダルがなかった石原伸晃元幹事長を後任に決め、第一次政権を窮地に陥れた「閣僚辞任ドミノ」防止を優先。非主流派の石原派会長を閣内に取り込み、自民党内のガタガタを最小限に食い止めるよう先手を打った。今年夏に想定する衆参ダブル選を前に、これ以上の「失点」は許されないとの意志を示したといえる。

石原氏は、首相と若手議員時代に行動を共にしていた仲間で、森喜朗元首相や伊吹文明元衆院議長ら長老組の覚えもめでたい。しかし、その舌禍は有名で、環境相時代には中間貯蔵施設の建設をめぐり「最後は金目でしょ」と発言。大きな反発を受けたこともある。自民党内からは、今回の起用に「首相は大丈夫か」と疑問視する声があがる。

そこで首相サイドが検討するのは「4月の内閣改造・党役員人事」だ。16年度予算を3月末に成立させ、国会日程に余裕が生じたタイミングで人事を断行する。夏の衆参ダブル選前に「障害」となりそうな閣僚・役員は外し、改造効果で内閣支持率を回復させ、自らに忠誠を誓う人物を起用すれば「一石三鳥」というわけだ。石原氏の起用をその布石と見る向きは強い。

石原氏は、自民党幹事長を務めていた12年に「党総裁を支えるために政治をやってきたわけではない」と主張し、麻生氏が支えていた谷垣禎一総裁(現・党幹事長)の次期総裁選への出馬を断念に追い込んだ経緯がある。麻生氏は「石原氏は『平成の明智光秀』といわれている。私の人生哲学に合わない」と猛批判した経緯があり、石原氏と麻生・谷垣両氏との間には大きなしこりが残っている。

このような不協和音が露呈しても、期間は人事断行までの短い間だ。逆に「誰が首相に最後までついてくるかを見る絶好の機会」(首相周辺)との計算が働く。首相官邸には「ポスト安倍を谷垣氏が狙っている」「麻生氏はまだ再登板する機をうかがっている」など、真贋入り交じった情報がもたらされており、人物評価には余念がない。専権事項である人事権と解散権をフル活用し、憲法改正を目指す首相。心中は、「支持ある限り戦います。命燃え尽きるまで」といったところか。

(時事通信フォト=写真)

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