だれが眞子さまと圭さんの破談を望むのか
プレジデントオンライン / 2018年2月28日 9時15分
■ネット上には無責任な臆測が飛び交っているが……
今だから告白するが、私は宮内庁で盗みを働いたことがある。
週刊現代編集長の時、宮内庁の某氏に話を聞きに行った。豪華な応接室でとりとめのない話をしていたが、その人が呼ばれ離席した。テーブルの上には高価な灰皿と、その前に箱が置かれてあった。開くと煙草が並べられている。中央に菊のマークが印字されていた。
私は吸わないが父親は無類の愛煙家である。これが恩賜の煙草だとピンと来た。父親に持って行ったらさぞ喜ぶだろう。箱から十数本をつかむと、背広の胸ポケットへ入れた。後で考えれば、その応接室には監視カメラが設置してあったに違いないのだが。
ポケットの中で平たくなってしまった恩賜の煙草を見て、父親は「へぇ~」といったが、さほどうれしそうな顔はせず、あっという間に1本煙にしてしまった。この煙草は2006年に廃止されている。
本題に入ろう。宮内庁が発表した秋篠宮眞子さんと小室圭さんの結婚延期は、一躍「全国民の関心事」になり、女性誌をはじめとする週刊誌の報道合戦は過熱状態である。ネット上には、芸能人やタレントの恋愛沙汰のように無責任な臆測が飛び交っている。
破局か、愛は勝つのか。皇室モノに強い週刊文春(2月22日号)や週刊新潮(同)も、破局か否かで見方が違っている。
■新潮は「破談」、文春は「『お気持ち』を尊重した結果」
新潮は、この結婚は「破談」になると見ているが、文春はそこまで断定してはいない。文春から見てみよう。
冒頭、昨年12月初旬、神奈川県葉山町にある人気フランス料理店「ラ・マーレ」で、仲良く食事を取る眞子さんと小室圭さんの姿があったと書き始める。
だが、その日以来、2人のデート姿は確認されていないという。
文春によれば、最初に週刊女性がこの件を報道直後、小室さんが極秘で宮内庁を訪問、「日本テレビの報道によれば、小室さんは昨年から今年にかけて合計6回も秋篠宮邸を訪れた」(同)という。
皇室から出て行かれる女性の相手の調査を、宮内庁はあまり詳細にはやらないと報じられていたが、文春によれば、そうではないようだ。
婚約報道が出た後、小室さんの住む横浜市内の自宅周辺を、宮内庁の職員が戸別訪問して、「小室圭さんはどんな人か」「トラブルはないか」などと聞いて回っていたと、住民が証言している。
だがこの聞き込みは“徹底的”ではなかった。小室圭さんの母親と以前、婚約していて、後日、金銭トラブルになっている男性は仕事に出ていたため留守で、職員は訪問していないという。
■延期は紀子さまが美智子さまに相談した結果か
1月中旬、秋篠宮夫妻が夜、天皇皇后と面会していた。ある宮内庁OBにいわせると、こういう時に天皇は意見を積極的にいうことはなく、「今回の延期は、紀子さまが美智子さまにご相談になって決められたのではないか」と話している。
だが、眞子さんの結婚の意思は変わっていないと見る。2人で出したとされる「文書」は眞子さん自身が書いたもので、中に「両陛下は、私たちの気持ちを尊重してくださいました」とあるからだ。
実は、眞子さんと天皇の間には「ホットラインがある」(宮内庁関係者)そうで、「天皇陛下の『ご裁可』と眞子さまの『お気持ち』を尊重した結果、出てきた案が今回の『日程の変更』だ」と文春は見ている。
宮内庁担当記者も「宮内庁のバタバタぶりから婚約解消とばかり思っていました。延期とはウルトラCです」と話している。
小室圭さんは勤めている法律事務所へ「お互い忙しくて延期になりました」と連絡しているそうだ。
■「小室さんのことをただの一度もお褒めにならず」
新潮は文春とは逆である。いくつかの証言を紹介しよう。
「眞子さまが『将来の設計図を描けない』と述べられているわけで、つまりは“取り止め”を示唆しています」(宮内庁関係者)
「眞子さまのお受けになった衝撃は察するに余りあり、周囲では『まるで結婚詐欺に遭ったようなものだ』などと、強い言い回しで嘆く者もいるほどです」(秋篠宮家の関係者)
「紀子さまは小室さんのことをただの一度もお褒めになったことがなかったからです。それだけでも異常事態」(宮内庁関係者)
「宮内庁側としては、小室さん側から辞退を申し出てくれる方向に持っていくのが理想ですが、その通りにならない場合、専門家を交えて話し合うケースも想定しなければなりません」(宮内庁関係者)
破談やむなしという書き方である。
■「佳代さんに、貸したおカネは返してもらいたい」
週刊女性(2月27日号)も、眞子さんが、こんな大事なことを自分になぜ話してくれなかったのかと、圭さんへの不信感をあらわにしていると報じている。
「家庭内は“この件をなぜ知らせなかったのか”という雰囲気が漂い、ピリピリしています。眞子さまは、圭さんの抱えるトラブルを知らなかったことに責任を感じてしまい、自室にこもりがちになり、食欲も減退されてしまいました」(秋篠宮家の関係者)
先日会った日刊ゲンダイの幹部も、眞子と小室が別れるのは既定路線だと、にべもなかった。
メディアの多くは破談になると見ているようだ。
週刊現代(3月3日号)は渦中の元婚約者(60)をインタビューしている。彼は「私の主張は一貫しています。佳代さんに、貸したおカネは返してもらいたい。ただ、それだけです」と、素っ気ない。
2年間続いた婚約を解消したのは12年の9月。翌年『おカネを返して』と手紙を送り、その年の秋、彼の自宅に佳代さんと「圭さん」が来て、弁護士と相談したという手紙を彼に渡したという。
驚いたことに、元婚約者の名前が間違っているそうだ。元婚約者は、佳代さんとは1回手をつないだことがあるだけで、キスすらしていないと語り、「私は単なる踏み台だったのでしょう」と自嘲している。
■「お金をサポートしてもらえないか」という要求
女性セブン(3月1日号)には、これがもし事実だとしたら、この結婚は完全に破綻したと思うしかない記述がある。
昨年末と年明けに、佳代さんが1人で秋篠宮家を訪れた。そこで紀子さんと佳代さんとの間に決定的な亀裂を生じさせた「佳代さんのひと言」があったというのだ。
「その場で佳代さんが、“騒動を納めるためにも皇室でお金をサポートしてもらえないか”という要求を宮内庁側にしたというんです」(宮内庁関係者)
紀子さんたちと話し合っていたのだから、要求したとすれば秋篠宮家に対してだと思うが、それは置いておくとして、事実ならばこの母親は眞子さんの義母にふさわしくないのだろう。
■「破談発表のXデー」は11月30日か
翌週の新潮(3月1日号)は、金銭トラブルだけではなく、小室家にはそれ以外にもさまざまな「懸念」があると報じている。その一つは、圭さんの母親・佳代さんの実家が、横浜市に本部を置く新興宗教に入信していたことだ。
信者80万人というからかなりの宗教団体である。だが、87年に藤沢市で起きたバラバラ殺人事件で、この教団は一躍、注目を浴びたのである。
被害者も加害者も元教団の信者だったのだ。この事件をきっかけに佳代さんの実家も脱会したという。
今一つは、佳代さんが女性の霊媒師に入れ込んでいた時期があったというものだ。
新潮は、金銭トラブル以上に、そうしたことが宮内庁を恐れさせ、「破談に向けて進み始めたわけです」(皇室ジャーナリスト山下晋司)と、2人の結婚はないと見ている。
さらに宮内庁は婚約解消に向けたシナリオを進め、破談発表のXデーは「取り沙汰されているのは11月30日、秋篠宮殿下の誕生日会見のタイミングです」(秋篠宮家関係者)
■「眞子さまの自由恋愛を礼賛する風潮」
だが、新潮も迷っているようだ。小室家の親族の1人が、延期が発表されて圭君から電話をもらったが、「報道されているようなことではないんです」といっていた。「破談ではない、少なくとも当人2人は結婚する気満々だ」と語っている。
別れる派である女性セブン(3月8日号)に、こんなことが書いてある。
セブンは以前、「小室家の醜聞を世間に広めようとする勢力」があると、思わせぶりに報じていた。
同誌にいわせると、それは、秋篠宮夫妻が、古くからの皇室の慣習にとらわれず、娘2人を学習院大学に行かせずに国際基督教大学へと進ませ、悠仁さんもお茶ノ水女子大学付属小学校で学ばせていることと関係があるというのだ。
「皇族の子息子女の教育を熱心に考えてきた学習院関係者やOBの中には、秋篠宮家の教育方針、ひいては“眞子さまの自由恋愛を礼賛する風潮”に違和感を覚える人たちもいました」(政治ジャーナリスト)
やはり皇族と結婚するなら学習院で学んだ男性の方が安心だったのにという、長年皇族の教育を担ってきたプライドのある学習院関係者やOBからの反発から、小室家の醜聞が出てきたのだろうか。
学習院には「桜友会」という結びつきの強いOB組織がある。「弘化4年(1847)京都で主に公家対象の学習所としてスタートした学習院が、維新後の明治10年(1877)東京・神田錦町で開校してから間もなく、卒業生有志によって『学習院同志会』が結成されました。その同志会は明治33年(1900)に規模を拡大して『学習院同窓会』と改称、さらに21年後の大正10年(1921)1月には抜本的な組織改革が行われ、今日につながる『桜友会』が誕生しまし」(桜友会のHPより)
日本のアル・カポネを気取るかのようなスタイルが大好きな麻生太郎副総理も学習院大学出身である。
■佳代さんの元婚約者という人間の品性を問う
私は、元婚約者のようなタイプの男が嫌いである。失礼ないい方になるが、品性下劣ではないかと思えてならないのだ。
一度は結婚しようと考えたから、総額400万円超、彼女の息子の留学費用として200万円を借用書も取らずに渡したのだろう。
だが、自分が思っていた女性ではないようだから別れた。世の中には掃いて捨てるほどあるありふれた話の一つである。その後、自分が零落したから、そのカネを返せというのは、どう考えても男らしくない。
彼女の息子が玉の輿(こし)に乗るからと、そうした男女間の痴話げんかの様な話を、この時期に週刊誌に話すというのは、カネの問題以外に何か裏があるのではないかと、私なら疑う。
圭さんが金銭トラブルのことを知っていたとしても、われわれが石を投げるほどの大罪ではない。
坊主憎けりゃ袈裟まで憎い。くだんの元婚約者は、息子は礼を知らない、眞子さんと結婚することをオレのところにいいに来なかったと詰(なじ)る。そうした人間のいっていることがすべて正しいのだろうか。小室家側の母親も圭さんも、取材には一切答えていないようだが、週刊誌はどうやって彼の発言の裏を取ったのだろう。
ましてや週刊誌が、母親の実家の宗教うんぬんや亭主が自殺したことを暴き立て、皇族の縁戚になるのはふさわしくないと、こぞってバッシングするのは行き過ぎではないのか。
■眞子さまは目標に向かって一直線に進んでいくタイプ
美智子皇后のバッシングの時は、皇后が失語症になり、書きたてた週刊誌はおわびを出した。
今回はまだ世間をろくに知らない26歳の若者である。こうした報道で万が一破局になったとすれば、彼らはどれほど傷つき、今後の人生に暗い影を落とすのか、考えているのだろうか。
先のセブンに、結婚延期と発表された翌日、自宅から出てきた小室圭さんの写真が載っている。「満面の笑みを浮かべていた」(セブン)。圭さんは案外打たれ強いのかもしれない。それとも眞子さんとの愛情は、そんな世間の逆風なんかでくじけはしないという自信があるからだろうか。
私は前回、秋篠宮家の2人の姉妹は母親の紀子さん似で、眞子さんは、見かけによらず芯の強い女性ではないかと書いた。母親がそうであったように、目標に向かって一直線に進んでいくタイプのように思う。
天皇家も秋篠宮家も世間も、2人を温かく見守り、結婚するかしないかは当人たちに任せればいい。私は2人を応援したいと思い始めている。
(ジャーナリスト 元木 昌彦 写真=時事通信フォト)
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