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リクルートのトップ営業が"口下手"な理由

プレジデントオンライン / 2018年3月25日 11時15分

写真=iStock.com/SIphotography

■新卒4年後にリクルートへ転職した

私は超内向的な性格で、子どもの頃からずっとあがり症で口下手でした。大学卒業後に就職した計測器メーカーでは営業担当でしたが、話が下手で売り上げは伸びません。結局、職場を変えることで心機一転を図ろうと、入社4年後にリクルートに転職しました。

しかし、明るく話し上手な同僚たちが売り上げを伸ばすなか、私1人だけが取り残されてしまいます。

そんなある日、リーダーが「明日、俺と一緒に営業に行ってみるか?」と声をかけてくれました。彼の営業スタイルは、まじめに淡々と話をするだけ。それでもその日に回った3件すべてで商談がまとまったのです。

それ自体驚きでしたが、もっと衝撃的だったのは、「営業はベラベラしゃべればいいというものではない。その意味で、おまえは営業に向いている」という彼の言葉でした。

■性格を変えるには相当な時間がかかる

その日から私は営業方法を見直しました。ムリして明るく振る舞ったり、笑顔をつくるのをやめ、正直に「自分はあがり症で口下手です」と相手に伝える一方で、お客さまに最適な商品や資料などをしっかりと準備するようにしました。それが信頼感を生んだのでしょう、お客さまの反応が変わって売れ始め、入社10カ月後には全国営業達成率のトップに立ちました。

私の経験からいえるのは、あがり症ですぐに赤面になったり、吃音で口下手な人は、ムリに克服しようとしないほうがいいということ。性格を変えるには相当な時間がかかるうえに、ある程度改善したとしても、ようやく人並みになれるだけだからです。あがり症の人はそれを公言したうえで、仕事をする。そのほうが効率的です。

■「あがり症」と告白したほうがいい

実は周りの人たちもたいてい、あなたがあがり症なのを知っていて、驚いたりしません。とはいえ、自分の性格を公言するのは勇気がいります。だから、まずは身近な人、友人、親しい同僚に相談を兼ねて話すのです。「自分はこういう性格で悩んでいる……」と。

もう1つアドバイスするとすれば、自分自身を見つめ直すことです。そのポイントは、小学4年生頃に好きだったものや苦手なことを思い出すこと。小学校のこの学年ならまだ周囲の色に染まっておらず、素の部分での自分の好き嫌いが何だったかわかります。

自分を振り返る際は、1日5分ほどでいいので、好きなことはもちろん、暗い過去や嫌な過去もすべて書き出してみるとよいでしょう。自分を正確に知ることこそが、自分らしく生きることの第一歩です。私は「知人のいないパーティにはいかない」「10人以上のカラオケにはいかない」など、自分に合わせた振る舞いができるようになり、人付き合いも楽になりました。

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▼正直にあがり症だと告白しよう!
お客さまはそのほうが信用してくれて、むしろ商談がスムーズにいくようになる。

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渡瀬 謙(わたせ・けん)
サイレント セールストレーナー
1962年、神奈川県生まれ。小さいときから極度の人見知り。メーカーの営業職からリクルートに転職し、入社10カ月目で営業達成率全国1位に。1994年、ピクトワークスを設立。『「しゃべらない営業」の技術』など著書多数。

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(サイレント セールストレーナー 渡瀬 謙 構成=田之上 信 撮影=加々美義人 写真=iStock.com)

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