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子育てに"うちは賢い家系だ"が有効なワケ

プレジデントオンライン / 2018年5月22日 9時15分

子供を「上流ロード」に乗せるには、なにが有効なのか。「プレジデント」(2017年2月13日号)では、子育てをめぐる13のテーマについて識者にアドバイスを求めました。第7回のテーマは「東大」です――。

■「頭が悪いんじゃない。やり方が悪いんだ」

「自分は頭がいい!」

親が一日10分でできることを考えると、子供にそう刷り込んであげるのが重要です。

私の弟は小さい頃に病気をしたため、小学1年生のとき特別支援学級を勧められるくらい勉強ができませんでした。中学受験ではとても入れる成績ではないのに灘中を受けて落ち、高校は年に1人京大に受かるくらいの学校へ入学しましたが、学校が嫌いでしばしばお腹が痛くなって早退する始末。その高校で弟は高2の段階で180人中60番くらいの成績だったのですが、何を思ったのか「僕の頭が悪いんじゃなくて学校のやり方が悪い。灘のやり方でやれば東大に行ける」と言い出しました。そこで私が暗記数学のやり方や灘の同級生が読んでいた歴史の本などを教えたところ、通っていた高校開設以来2人目の東大文I現役合格者になりました。

私から見るとお荷物のようだった弟が東大に現役合格できたのは、「自分だって灘のやり方でやれば東大に受かる」という根拠のない自信を持ち、かつそれまでとは異なる勉強のやり方を実践したからです。

世の中には最初から「東大に受かる人なんて自分とは頭の出来が違う」と思っている人が多い。でも、最初からあきらめているより「このやり方なら自分も東大に受かるかもしれない」と思って勉強する人のほうが合格する確率は当然高くなります。

だから大事なことはまず根拠のない自信を持たせ、できないときはやり方が悪いんだと思わせることです。私の弟はどうやって根拠のない自信を持てたかというと、母親が嘘つきだったからです。「うちは賢い家系だ」と、本当かどうかかなり疑わしい話を吹き込んでいたのです。

「あなたは賢い」「賢い血が流れている」でも何でもいいから、子供に「自分は賢い」と思わせて損はありません。

■親が「根拠のある自信」にしてあげればいい

根拠のない自信は、親が根拠のある自信にしてあげればいい。それにはやり方を教え「できる体験」をつくってあげることです。たとえば子供が漢字テストで悪い点数を取ったとき、親が見ればどこに問題があるかはすぐにわかります。「ここを直したらできるようになる」とやり方を教え、次のテストでいい点数を取れば「自分は頭がいいのかも」「やり方を変えればできるんだ」と思うでしょう。

できないことを叱っては絶対にいけません。テストで悪い点を取っているのにゲームばかりしていたら「何をやっているんだ」と叱って構いませんが、点数の悪さを叱ってはいけない。つまり結果を叱るのではなく、行動を叱るのです。

逆にまぐれでもいい点を取ってきたら褒める。「やればもっとできるはずなのに」と嫌味を言ってしまいがちですが、いい結果は褒めるのがセオリーです。

仮に小学校受験や中学受験で落ちたとしても、「自分は頭が悪い」と思わせてはダメ。「中学受験で落ちても東大に行った子はたくさんいる」と言ってあげることです。親のほうが気落ちしてはいけません。「自分は頭がいい」「頭が悪いんじゃなくてやり方が悪いんだ」と思わせることは受験に限らず、人生においても重要です。もし東大に合格できなくても、「自分は頭がいいから逆転できる」「いい会社に就職し、出世しよう」と考えられるからです。東大受験は人生のプロセスの1つであって目的ではないのです。

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「賢い血が流れている」と言い続けよう

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和田秀樹(わだ・ひでき)
東京大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、和田秀樹こころと体のクリニック院長。緑鐵受験指導ゼミナール代表。

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(精神科医・国際医療福祉大学大学院教授 和田 秀樹 構成=宮内 健)

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