出産早めvs遅め 働く女性の"幸福と葛藤"
プレジデントオンライン / 2018年7月2日 15時15分
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小林亜弓さん(34)●テックマークジャパン 財務総務部 人事・総務チーム。28歳&30歳で出産。
谷山友望さん(31)●エン・ジャパン 派遣会社支援事業部 営業部。28歳で出産。
編集部Y(36)●28歳&31歳で出産。
▼TEAM遅めママ
細田千佳子さん(45)●オリックス 経理部 情報統括チーム長。41歳で出産。
楠本あゆ美さん(50)●防犯防災習慣アドバイザー ブルーミング・マム プロマム認定講師。39歳で出産。
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■4人の働く女性に聞く「出産年齢の理由」
【谷山】入社以来ずっと営業ですが、5年目で、どこか仕事のマンネリ化を感じて。28歳で出産したとき、いったん気持ちをリセットして、仕事に向き合う心のチューニングができましたね。
【小林】今の会社に転職して2年目の28歳で出産。子どもができてうれしい半面、社員数が少なくて、産休の前例があまりなく、未開の地を歩むような不安はありました。でもその後、人事・総務に異動し、女性が働きやすい環境を整える仕事にみずから取り組むことができました。
【Y】私は当初ブラック企業にいたのですが、早々に転職して今の会社に来てから出産しました。
【細田】私は独身時代が長くて、結婚は40歳。子どももすぐにでき、42歳で出産しました。ある程度キャリアを積んだかなという気持ちもありましたし、年齢的にも迷いはありませんでした。
【楠本】私はシングルマザーなので、「働かない」という選択肢はありませんでした。小さな会社で産休・育休の制度はなかったのですが、社長に妊娠のことを伝えたら、「産むなら制度を使わせてあげるから調べてみて」と言ってくれて。ベビーシッターとファミリーサポート、両親の手を借りながらやってきました。
■産む年齢で全然違う、メリット・デメリット
【細田】うちの会社はワーキングマザーが、この10年で約3倍に増えました。遅く産んだことで、わからないことがあれば、周りに聞ける人がたくさんいるというのはよかったです。それに、最近は世の中も働き方改革が進んで、父親が育児に参加するようになったというのもよかったと感じています。
▼晩産の場合、収入面のメリットは?
【細田】親やシッターさん、食洗機、ドラム式洗濯乾燥機、ロボット掃除機……。夫と相談して、家事はお金をかけてでもお互いにストレスをためないように決めてます。あと、月イチで整体に行くなど体のメンテナンスのための時間やお金は確保してますね。
▼20代で産んでよかった、と思うことは?
【谷山】体力かな。時短勤務でしたが、家では子育てに時間を取られてしまい、自分の時間はあまりなくて。でも、朝4時に起きて「インプット」の時間は確保するようにしていました。情報収集や営業に関する学びは、仕事の成果にもつながると実感していたので。
【小林】うちは下の子が先天的な心臓の病気で、1年に何回も入退院を繰り返しました。お昼まで会社に行き、そこから病院に行って泊まり込み。体力がなかったら倒れていたかも。
▼早く出産したデメリットはありましたか?
【小林】うちの両親はまだ現役で働いているので、なかなか頼れない。「もう私の有休ないわよ!」って母に言われました(笑)。
【Y】おいくつですか?
【小林】2人とも54歳。
【細田】若い!
【小林】孫とアクロバティックに遊んでくれるのはいいんですけどね。
■「産んでよかった」今、心からそう思える理由
【小林】私、実はすごく怒りっぽかったんです。今は会社では全然怒らなくなりました。家では……(苦笑)。
【谷山】わかる。自分で産んだ子すら無理なんだから、上司が思い通りになるわけない、って思える(笑)。
【細田】言葉が通じるだけでもありがたいですよ(笑)。
【楠本】私はもともと愚痴の多いタイプでしたが、今や会社では仏のよう。息子が大きくなって、今では1対1で本気のけんかをするほどに成長しましたが、息子とのけんかでストレスを発散してるのかも。
【小林】あの、細田さんと楠本さんに質問です。ある程度キャリアを積まれた場合、出産のときに先詰まり感はありましたか?
【細田】うーん、特には……。社内では女性管理職も増えていて、ワーキングマザーで役員になった人も。社内の風土としては、この先のキャリアは自分次第なんだろうなと。困ったときはどんどん人に頼り、だめそうなら白旗を早めに揚げる。当然、今まで以上に成果を意識しますが。
【楠本】頼り上手になるよね。仕方なく頼むそぶりが見えたら相手も嫌なもの。だから「本当に頼もしいわ!」「私がやるより上手!」と勢いよく頼むのがコツ。
【小林】なるほど!
■最後に「この年で産んで、よかったな」と思うことを教えてください。
【Y】今度娘と一緒に英検を受けるんです。娘が4級で私が準1級。私の学ぶ意欲が高いうちに一緒にいろいろ挑戦できるのはいいですね。
【谷山】昔はたくさん仕事してビール飲んで寝るのが幸せでしたけど、今は「ママお疲れさま」と言ってもらえたら、麦茶で十分。30代前半でこの豊かな幸せを味わえること!
【楠本】親に孫を見せてあげられたこと。もともとイクメンだった父は、孫の世話を生きがいにしているみたい。親孝行になったかな。
【細田】平凡なんですけど……私は子どもが産めるか産めないかの瀬戸際だったので、本当に「生まれてきてくれてありがとう」と。本人にも毎日伝えています。
【一同】おおー!
【小林】怒ってるとつい忘れちゃう(笑)。大事な気持ちですね!
(編集・ライター 相馬 留美 撮影=市来朋久)
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