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デキる営業マンの会話の必勝パターンとは

プレジデントオンライン / 2018年9月22日 11時15分

なぜ、デキる営業マンは、デキるのか。人の感情を分析するエモーションテック社に調査を依頼した。

営業において「聞く力」が重要とはこれまで言われてきたが、具体的にどのような話題を聞き出せばよいのか。数百人の顧客と営業マンの感情をデータとして集めることで、それを明らかにできるのがエモーションテック社だ。今回、同社協力のもと、営業マンや顧客にアンケート調査し、ダメ営業マンがなぜダメなのかを追究。エモーションテック・今西良光社長に解説をお願いした。

まず、グラフは、営業マンが商談時に聞き出す話題を年収別に示したものである。たとえば、10で示した「商品・サービスが必要な時期」については年収600万円以上の営業マンは年収300万円未満の営業マンに比べて意識して聞き出していることがわかる。

※データの算出手段および表現方法は、株式会社Emotion Techが保有する特許範囲に該当(特許第6176813号)

「BtoCやBtoBなど商材にもよりますが、自分(自社)都合のスケジュールだけで進めようとしない姿勢を表すことができているのが高年収の営業マンの傾向で、低年収の営業マンほど顧客の「いつ頃」というニーズを聞けていないということになります」(今西氏)

グラフを見ると年収が低い営業マンは商談時に決定権者が誰なのかを聞き出す割合が多いことがわかる。一方、高収入の営業マンはその割合が低い。これはなぜなのか。

「データだけでなく、実際に何人かの高年収の営業マンにヒアリングをした中でも明らかになっていますが、デキる営業マンは会話の中で経験的に決定権者をつかんでいる傾向にあります。たとえば、ある外資系メーカーのトップ営業マンは決裁権者をつかむ方法として『次回は関係各位にもお集まりいただいて、今回決まらなかった内容について協議しましょう。決定に必要な方は次回全員呼んでください』と仕切りをして決裁者を同席させています。一方、低年収営業マンは直接決裁権者が誰か聞いてしまっているのでしょう」(同)

続いて、下のグラフは、青線は高評価営業マンがその項目に費やしている時間差で、高評価営業マンが聞けていて、低評価営業マンが聞けていない項目は青の数値が高くなる。赤線は顧客側の評価を表し、数値が低い項目は相対的に、顧客はそのことを聞いてもらいたいのに営業マンがあまり聞けていないことを示す。青と赤の差が開いている項目ほど低評価営業マンの改善が必要といえる。

グラフから、商談時に顧客が聞いてもらいたい「問題の優先順位や制約条件」と「顧客が営業を受けようと思った理由」などはデキる営業マンは聞き出せていることがわかる。

「営業を受けたものの、顧客がいま何を本当に欲しがっているのか、何に困っているのかわかっていないケースが少なくありません。そこで有効な質問は『何に困っていますか?』というよりも『なぜ、今回弊社からの提案にお時間をいただけたのでしょうか?』という質問。顧客の頭の中も整理されるので質の高い提案を営業マンから受けられることにつながり、結果として商談も成立しやすくなるのでしょう」(同)

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▼ココが狙い目
上の年収別グラフと比べると、「顧客の今後の計画・目指す方向」「商品・サービスが必要な時期」「問題の優先順位や制約条件」は年収が高い人ほど聞けている傾向。しかし、「顧客が営業を受けようと思った理由」は全年収帯で聞けていない。ココが狙い目か!

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興味深いことに、こうした顧客の「聞いてほしい話題」は男女別に異なる。グラフは、男女の顧客別に見た営業マンを高評価/低評価する話題を表したものだ。

男性顧客の場合、重視しているのは「今後の計画・目指す方向」と「営業を受けようと思った理由」。対して、女性顧客は「問題の優先順位や制約条件」「商品・サービスが必要な時期」を聞いてほしいと思っており、男女で大きな違いがある。

「男性顧客は理想思考、女性顧客は現実思考。これは恋愛に置き換えると、男性は恋人に自分のどんなところを好きなのか(営業を受けようと思った理由)を聞いてほしい。一方、女性は結婚する相手のスペック(問題の優先順位や制約条件)や、いつ頃に結婚したいか(商品・サービスが必要な時期)に関心がある。そうとも読めるのではないでしょうか」(同)

最後に、交渉を有利に進めるために、顧客から話を聞き出せる“法則”を紹介しよう。顧客はどのような会話の流れで語り出すのか。それを明らかにしたのが図だ。

右は営業マン側が顧客から話を聞き出せたと思うポイント、左は顧客が営業マンについ口を滑らせてしまったと思うポイントを示している。

営業マン側はやはり質問を投げかけた点が最も大きなポイントになっている。一方、顧客側の1位は「話の流れ」、これに「相手の勢い・話術に押されて」「会話を持たせようとして」という沈黙を理由としたものが続いている。

「つまり、営業マンがうまく顧客が話したくなるように質問を投げかけ、適宜顧客の話に耳を傾けつつも、時折沈黙をつくることで顧客に口を開かせるという会話を意識しているということでしょう」(同)

これまで「聞く力」が重要であることは個々の営業マンへのインタビューでも明らかになっていたが、データとしてクリアに示されたことで、具体的にどのような話題を、どれだけ聞けばよいのかが明らかになったのではないだろうか。

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今西良光
1982年、東京都生まれ。早稲田大学大学院修了。日立製作所、ファーストリテイリングを経て、2013年に現在の「エモーションテック」を創業した。
 

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(編集者・ライター 鈴木 俊之 撮影=村上庄吾)

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