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「業績好調でも株価下落」は投資の買い時

プレジデントオンライン / 2018年9月24日 11時15分

写真=iStock.com/shapecharge

株を保有すると、値上がりしたところで売ることで得られる売却益のほか、「配当金」、企業によっては「株主優待」というリターンもある。

株式の配当金や債券の利子などを目的とした投資を「インカム投資」といい、現在は企業が配当金を増やしており、配当金を狙った株式投資の魅力が高まっている。株価に対してどの程度の配当金が得られるかは「配当利回り」という指標で示されるが、JT、武田薬品工業、NTTドコモなど、有名企業や財務指標の優れた優良企業にも、配当利回りが3%台、4%台という例が少なくないからだ。

TOPIX(東証株価指数)に値動きが連動するETF(株式市場に上場している投資信託)の分配金は、TOPIX採用銘柄の配当金の額を反映するが、2002年には260円だった分配金が17年には約2600円と、約10倍に増えている(TOPIX連動型ETFの主要3銘柄の平均)。

ここまで配当金が増えているのには、ここ数年、企業が株主重視の姿勢を強めていること、また商法改正で配当金を出しやすくなったという背景がある。従来、配当金として払い出せるのは当期利益からのみだったが、商法改正により、過去の利益の積み上げなどの剰余金からも配当できるようになったのである。

つまり当期赤字であっても配当が出せるということであり、実際にパナソニックでは過去、赤字に転落しても剰余金から配当したことがあるし、シャープも赤字1年目では配当を出した。業績が悪化すれば株価が下がり、そのうえ配当がゼロでは株主は離れ、さらなる株価下落の要因になり、買収のリスクにもさらされる。それを防ぐためにも、多少無理しても配当を出し、株主を繋ぎとめるというわけである。

配当金が多ければインカム投資の魅力は高まるが、配当金が得られる以外にも、株価が下がった場合のダメージが抑えられるのも魅力といえる。

例えば30万円を投資し、毎年1万5000円の配当金を得たとしよう。配当金は2年で3万円となり、株価が1割下がっても配当金でモトはとれている。配当金が多ければ、株価が下がっても損を回避できるというわけである。

ただし、配当金の額は約束されているわけではなく、減配や配当見送りということもありうる。また配当があっても株価が極端に下がれば含み損を抱える。それを避けるには、業績が堅調で資産が潤沢な企業を選ぶことが重要だ。

例えばJTは約31万円で投資でき、予想配当金は1万5000円、配当利回りは4.8%である。日産自動車は11万円弱で投資でき、予想配当金5700円、配当利回りは5.3%である(いずれも18年6月19日現在)。

配当利回りは、「配当金(年額)÷株価×100(%)」で計算され、株価が低いほど、また配当金額が多いほど、高くなる。株価が低いときに買うほど配当利回りは高いので、「業績が好調で配当金が期待できるのに株価が下がったとき」が投資の好機だ。

配当金を得るためには、株主の権利(配当や株主優待を受ける権利)が確定する「権利確定日」(おもに決算日と同日)に株式を保有している必要がある。権利確定日に近づくと配当や優待狙いで株価が上昇する傾向があるので、投資時期は3カ月ほど前を目安にするといいだろう。

また狙いが配当金でも、株価が大きく上昇した場合は売却も視野に入れたい。

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深野康彦
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルリサーチ代表。『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』など、著書多数。

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(ファイナンシャルプランナー 深野 康彦 構成=高橋晴美 写真=iStock.com)

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