運動オンチな親が"かけっこ"を教える方法

プレジデントオンライン / 2018年10月6日 11時15分

スタート時から3つのコツがある(写真=『読むだけで どんな運動もできる子になる!』)

秋の運動会が各地で行われている。必死で練習するわが子を「かけっこで勝たせたい」と思っても、「親が運動オンチだから」と諦めてはいないだろうか。長年子どもたちに運動を教えてきた体育家庭教師の水口高志氏によれば、「運動ができるようになる最短の方法はコツをつかむこと」だという。運動オンチな親でも今すぐ教えられる「かけっこ」のコツを紹介する――。

※本稿は、水口高志『読むだけで どんな運動もできる子になる! 』(すばる舎)の一部を再構成したものです。

■運動にはうまくいく「コツ」がある

日々、子どもたちに関わっていると、親御さんのこんな言葉を耳にします。

「うちの子、運動させようとしても、いやがるんです」
「親に似てすごく運動音痴で」
「教えてあげたいのですが、ポイントがわかりません」

とくによく耳にするのが、「教えるポイントがわからない」ということ。

ポイントがわからないと、家庭で教えようと思っても、「速く腕を振って!」「もっと速く足を動かさなきゃだめでしょ!」と、やみくもに練習をさせてしまいがち。

結局、子どもはできなくて、いやになり練習を投げ出していまいます。

こうした経験に、思い当たる節があるお父さん、お母さんも多いのではないでしょうか? これは「運動ができない」のではありません。「体を動かすコツ」を知らないことが原因です。

『読むだけで どんな運動もできる子になる!』(水口高志著・すばる舎刊)

勉強と同じように、それぞれの運動には必ず「こうするとうまくいく」という「コツ」的なものがあります。

「かけっこはスタート時の構え方が重要」「逆あがりは『1、2、3』のリズムでスピードを出す」「背泳ぎは下ではなく横にかく」……。

こうしたちょっとしたコツを知るだけでも、できるようになるまでの時間や回数を一気に短縮できます。そして、この「コツ」をお子さんに正しく伝えられたら、どんな運動も必ずできるようになります!

■かけっこで教えたい3つの「コツ」

スポーツが苦手な親御さんにとって、子どもに「運動を教える」というのは、うまく教えられる自信もなく、気が重いものですよね。

そんなときこそ「コツ」です!

たとえば、かけっこの場合だと、次の3つのコツを子どもにやらせてみます。

(1)ひじを大きく後ろに引く
(2)太ももを腰の高さまで突きあげる
(3)前傾姿勢でゴールを見る

そのなかで上手にできたところ、やりやすかったところを子どもに聞いてみて、さらにそれをやらせてみます。すると、子どもも「できる」ことで自信がつき、やる気になります。

逆に、本人がやりにくいと思っているところをやろうとすると、簡単にはできないので、新しい技やレベルに挑戦する段階になかなか進めません。先に、やりやすいところをクリアさせてから、やりにくいところに挑戦させる順番がおすすめです。

■「できる」経験で自信をつける

太ももを腰の高さまで突き上げて、ボールを蹴り上げるように走る(写真=『読むだけで どんな運動もできる子になる!』)

運動が「できる」ようになる最短の方法は、運動の「コツ」をつかむことと、「できる」経験をたくさん積んで自信をつけ、新たな技や種目に挑戦する意欲を燃やすことだと、私は考えています。

運動ができる親御さんの場合、「できて当たり前」と思っている節が強く、子どものがんばりを容易に認められないようです。

でも、まずは今できていることや得意なことをたくさんほめてあげてほしいと思います。ボールを投げていることだってすごいこと。お子さんが今できている「当たり前」のことも、実は幼少期の自分はできていなかったかもしれません。

すると、だんだんと温かい気持ちになって、お子さんにゆとりを持って接することができるようになるでしょう。

■やる気のない子は「得意を伸ばす」

ひとつ完成形をつくると達成感が得られる(写真=『読むだけで どんな運動もできる子になる!』)

体を動かそうと誘っても、「いや!」の一点張り。ふざけて真面目にやってくれない。運動したがらない子を動かすのは本当に大変ですよね。親としては教えるのがどんどん面倒になってきます。

どうしたら、やる気のない子に運動をさせられるのでしょうか?

その答えは、「得意を伸ばす」です。ひとつ完成形をつくってみると、達成感を得られるので自信がつきます。やる気が出てくるので、次のステップにも進みやすくなります。

現に、オリンピックなどで日本代表として活躍している選手たちは、すべての運動種目を上手にできるわけではありません。

泳ぎが得意で数々の受賞経験があっても、陸の競技になると全くできない選手たちを、私は体育大学の学生時代によく目にしていました。その意外な光景によく驚かされた記憶があります。

そして、輝かしいスポーツ人生を歩んできた選手たちは、「○○は小さい頃からずっと好きでやってきたけど、××に関しては全くやってないに等しいから」と苦笑いしながら言っていたことも思い出されます。

■自主性を尊重してやる気を見守る

このように、すべてを完璧にする必要はありません。得意なところ、やりやすいことを伸ばしていけばよいのです。「ぼく(わたし)は何をやってもダメだから」と自信を失わせないことが大切です。

子どもは楽しくないものはやろうとしません。楽しければ勝手にやります。楽しいと思わせるためには、思いっきりほめて自信をつけさせる方法が一番です。

一方で、大人が口出ししすぎても、子どもはやる気を失います。言葉数は少なめに「ボール、さっきよりも飛んだね」などと結果だけ言葉で伝えてほめてあげてください。

子どもの自主性を尊重して、やる気を見守りましょう。

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水口高志(みずぐち・たかし)
体育家庭教師 スポーティーワン代表
1973年静岡県生まれ。93年日本体育大学在学中より体育の個人指導を始め、2001年に体育家庭教師派遣会社「スポーティーワン」を設立。05年少人数制体育スクール「スポーティーワン教育プラス」を開講し、08年4月に体育専門校「スポーティーワンアカデミー」開校。運動を通して“やればできる!”という気持ちを伝えるべく、心理カウンセラーの資格も生かして、3,000名以上の子どもたちに指導を行ってきた。著書に、『体育が得意になる! パパとママのとっておきコーチ術』(メイツ出版)、『コツをつかんで苦手を克服! 小学生のための体育基本レッスン』(朝日学生新聞社)などがある。

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(体育家庭教師 スポーティーワン代表 水口 高志)

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