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貯金を始めるなら小遣いは絶対に減らすな

プレジデントオンライン / 2018年10月21日 11時15分

写真=iStock.com/liza5450

辛い節約はしたくない。楽に貯められる方法はないものだろうか。そんな多くの人の悲痛な声に対し、達人たちが立ち上がった。楽しくお金を貯めるには、従来の常識を疑うことから始めるべし。節約の概念が180度変わる、意外な方法を披露する。

■節約法のポイントは、「楽しみ」を削らないこと

「お金は無理せず貯められる」と断言するのがファイナンシャル・プランナーの飯村久美氏だ。

「ストレスになる節約は絶対に続きません。私も以前は赤字体質で、がんばって家計を切り詰めているのに、お金が貯まらない時期がありました。こんなにがんばっているのになんで赤字なの! といつもイライラ。もちろん挫折しました。そんな経験から、楽しくて長く続けられる節約法がないかと、自分と向き合いながら考えたのです」

飯村氏の節約法のポイントは、「楽しみ」を削らないこと。

「最もやってはいけないのはお小遣いを減らすことです。減らすなんてもってのほかで、あえて増やすことをお薦めします」

40代の夫婦が、飯村氏の方法を実践しながら6年間で1000万円貯めたという事例も。

「総務省の家計調査では、60歳以上の夫婦無職世帯の赤字は月々約6万2000円。老後を25年間として計算すると、約1800万円不足していることになります。私は定年までに貯める目標額を2000万円に設定。今から“貯まる生活”にシフトすれば、この老後資金をつくるのは難しくありません」

一方、企業コンサルタントの石川貴康氏は「生活の質を上げたら、使うお金が減った」そう。

「洋服や靴はよいものを買って長く使う。だから、めったに買いません。有機野菜の宅配を頼んでいて、外食することはほとんどなくなりました」

普段から、Reduce(減らす)、Reuse(再利用)、Recycle(再循環)の“3R”を意識して生活。

「物を使い捨てしないようにしています。例えばわが家では、ティッシュペーパーはほとんど使いません。無理しているわけではなく、これが自分たちにとって気持ちいい生活なんです」

▼飯村久美さんの「貯金の裏ワザ」
お小遣いを増やせば、お金がザクザク貯まります

■収入が変わらなくても、小遣いを増やす

節約というと、まずはどこをいくら抑えようかと検討すると思います。でも私がお薦めしたいのが、お小遣いを増やすことです。「お小遣いアップ」と聞くと、なんだか嬉しくなってきますよね。

しかし、当然、ほかの部分を削ることになります。ここで改めて、ムダな支出はないか、家計と向き合いながら、必死に頭を使ってほしいのです。大事なのは、同じ削るのでも、なるべく痛みを伴わない費目にすること。タバコやギャンブルも、楽しみの1つであれば、やめなくていいと私はアドバイスしています。

また、お小遣いを増やすことで、お金に対する価値基準がはっきりします。自分が主導権を持って使えるお金なので、何に使ったら満足できるか真剣に考えるでしょう。そんなに欲しくないものを買ったり、気が乗らない飲み会に行ったり、何となくお金を使うことは確実に減るはずです。

■家計簿はつけず、現金で「見える化」する

家計簿をつけるだけで毎月の収支を把握していると思い込んで、実際には役にも立っていないケースが実に多いんです。かわりに現金払いで家計を「見える化」することをお薦めします。

やり方は簡単。まず1カ月分の給料を全額現金に換えます。口座引き落としにしている分だけ入金し、その月は現金だけで過ごすのです。クレジットカードや電子マネー払いは一切なし。最初の札束からどれだけ減っているか、毎日目で確認できます。食費、お小遣い、貯蓄分など、袋分けにしておくとよりわかりやすいですね。レシートは全て取っておいて、1カ月終わった段階で一枚一枚見直せば「コンビニに行き過ぎた」など、その月の消費動向を大まかに掴むことができます。

実際にやるとよくわかりますが、いざ現金を手にすると、お金のありがたみを肌で感じることに。支払うたびに目の前のお金が減っていくのがわかるので、お金を大事に使おうという意識も湧いてきます。

■いくらお得でも、ビールは箱買いしない

1個あたりの値段が安くなる「まとめ買い」。同じものを安く買えて、得した気分になるでしょう。でも、結果的には消費量が格段に増えてしまう。これがまとめ買いの盲点です。

特にお菓子やアルコール類などの嗜好品は要注意。晩酌用のビールを箱買いしている方も多いと思いますが、たくさんあるとついつい「もう1本!」いってしまいませんか。

甘いものもアルコールも、摂取すると脳が快感を覚えます。途中で体がこれ以上必要ないというサインを出しても、脳がそれを無視してしまうんです。そんなときに買いだめしているビールがあれば、ついお代わりしてしまいますよね。

■かけただけで、満足する教育費はいらない

私には2人の子どもがいますが、子どもに使うお金は、かなり安あがりです(笑)。教育費はいくらでも節約できるんです。そのためには「お金をかけると質のよい教育が受けられる」という思い込みを捨てることです。

最も活用しているのは、インターネット。オンライン英会話は自宅で先生の顔を見ながら受講でき、本場の英語が学べます。子どもが楽しそうにやっているのを見て、私も始めたほど。YouTubeは、子どもの教育に役立つ映像の宝庫。娘は予備校の授業のような動画を無料で見て、受験に役立てています。

▼石川貴康さんの「貯金の裏ワザ」
生活の質を高めれば、使うお金は減っていきます

■有機野菜の宅配便で、外食する暇がない

わが家では、食材は週1回届く宅配サービスを利用しています。その食材を使って、基本的に毎日自炊。産地直送の無農薬・低農薬の有機野菜や、豚肉、豆腐や納豆などが入って、1週間7000円。月にすると、約3万円です。次に届くまでに使い切るのが忙しいという理由もありますが、素材がよいので簡単調理するだけでも本当においしく食べられます。必然的に外食はしなくなりました。

コーヒーや紅茶、緑茶などの飲み物は、自宅でつくったものを水筒に入れて持ち歩きます。妻も、中学生の娘、小学生の息子も同様です。豆や茶葉は好みのものを自分たちで選んでいます。コンビニでペットボトルの飲み物を買うことはまずありません。家族4人がペットボトルを1日1本買うとすると、1カ月約1万8000円。コーヒー豆や茶葉代は5000円程度。はるかにオトクです。そのうえおいしいのです。1カ月の食費は家族4人で5万円内に収まっています。

■とことんエコ生活! ティッシュは使わない

大学時代から、環境問題には関心があり、エコ(環境にいい)生活を心がけていました。子どもが生まれてからは、自分が遊んでいた海や川を子どもたちに残せないのは残念で、より強く意識しながら生活するように。

たとえば、台の汚れを拭くときには布巾や雑巾を使い、ティッシュペーパーはほとんど使いません。布類もとことん使い続けて、最後は鍋などを拭いて捨てる。ラップも使いません。余ったごはんやおかずは、ガラス製の容器に入れて保管します。ごみを減らす、物を長く使うという視点から、身につけるものは、できるだけいいものを買うように心がけています。靴やバッグ、洋服など、めったに買わなくて済みます。着ていて優雅な気持ちになれるし、一石二鳥です。

■子どもの預けっこで、物々交換を駆使

子どもの洋服や玩具などは、もともと保育園や小学校が同じ近所の人たちと交換し合い、ほとんど買いません。近所の人たちとは、ふだんから子どもをうちに泊まらせたり、うちの子も泊まらせてもらったり、よく子どもを「預けっこ」しています。

そうすると、家庭同士のネットワークができるので、物を貸し借りしたり、あげたりもらったりということがしやすくなるのです。あの子が着ていた服をうちの子が着ている、うちの子が使っていた鞄をこの子が今使っている。そういうつながりはいいものだな、とつくづく思います。続けていると、新品を買うのは味気なくなるから不思議ですね。

■家賃が高くても、あえて都心に住む

家は都心に構えているので住居費はかかっていますが、都心であるがゆえに、どこに行くにも便利で、交通費がかからず移動時間も短い。時間が節約できるので、その分仕事もできます。車も必要ありません。車の維持費や駐車場代、ガソリン代がかからないのは大きな節約になります。

また、近所には上野公園や東京国立博物館、美術館などがあるので、レジャーのために遠出することもありません。年間パスを買っているので、費用対効果は抜群です。そうやって考えると、住居費はある程度支払っても、自分にとっていい場所に住んだほうがいい。だからこそ目的と状況が変われば引っ越せる賃貸にしています。

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飯村久美
ファイナンシャル・プランナー
金融機関在職中にFPの資格を取得。2006年アイプランニング開業。12年マネー講師のセミナーコンテスト「E-1グランプリ」で優勝。近著に『ズボラでもお金がみるみる貯まる37の方法』(アスコム)。
 

石川貴康
企業改革コンサルタント
筑波大学大学院経営学修士。アクセンチュア、日本総合研究所等を経て独立。不動産投資家としての顔も持ち、現在13棟100戸の不動産を所有。近著に『サラリーマン「ダブル収入」実現法』(小社刊)。
 

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(フリーライター 池田 純子 撮影=大杉和弘 写真=iStock.com)

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