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中学英語で"TOEIC400点"はすぐ取れる

プレジデントオンライン / 2018年11月21日 9時15分

「TOEIC Listening & Reading Test 公式データ・資料」(国際ビジネスコミュニケーション協会 TOEIC公式サイト)2017年1月のデータより作成。

TOEICの点数を上げるには、どんな学習が有効なのか。今回、6つのレベル別に「最短ルート」を識者に聞いた。第1回は「300点台」の学び方について――。

※本稿は、「プレジデント」(2017年4月17日号)の掲載記事を再編集したものです。

■中学英語をやり直す

ひとくちにTOEIC300点台といっても、一体どれほどの実力なのか。まずは現状把握の意味で、そのレベルを確認してみよう。

「私の知人が、無条件にすべて『A』をマークしたら何点取れるのか実験したところ、180点という結果が得られました。つまり、とりあえず何でもいいからマークシートを塗っておけば、そのくらいは取れるわけです。300点というのは単純に、そこにもう120点分稼いだレベル、ということになります」

神崎正哉氏によれば、300点台もしくはそれ以下の人は、TOEIC云々よりもまず、中学英語を徹底すべき段階だという。

「確かに、公式問題集でTOEICの問題を解くコツを身につけるのは有意義でしょう。しかし、300点台、もしくはそれ以下の人にとっては、そもそも解ける問題が少ないため、いくら解いても実力アップには繋がりません。それよりも中学で習う文法や単語さえ完璧にマスターすれば、400点はすぐに取れるようになるはず。公式問題集やTOEIC用の教材よりもまず、単語や文法などの基本からやり直すのが、スコアアップへの近道と言えるでしょう」

TOEICで得点をアップさせようと意気込むと、むやみに公式問題集に手を出してしまいがちだが、レベルに見合った教材選びが必要ということだ。つい軽視してしまいがちな中学英語だが、英語力の根本を支える基礎として、実は非常に重要なのだという。

「そこでテキストとしてお勧めしたいのは、『NHK基礎英語』シリーズ。これは『基礎英語1』が中1レベル、『基礎英語2』が中2レベル、『基礎英語3』が中3レベルと、段階を追って学習できるので、きちんとこなせば効率的に中学英語をマスターできます。このほかにも、高校受験向けに、中学3年間の英語を1冊にまとめたテキストが多数存在しますから、自分に合いそうなものを探してみるといいのではないでしょうか」

写真=iStock.com/Tero Vesalainen

なお、「NHK基礎英語」シリーズはリスニング学習にもうってつけで、音声をインターネットで聴きながら学ぶことができる。TOEICはリスニング重視のテストであるため、対策としても有効だと、神崎氏は太鼓判を押す。

「単語を覚える際にしても、日本人はスペルと意味を必死に覚えようとしがちですが、それだけで終わっては意味がありません。音を聴きながら意味を確認し、声に出して覚えるのが理想的。知らない単語をいくら耳で聴いても、聞き流してしまうだけでなかなか覚えられませんからね」

■英語を好きになるために

しかし、300点台のレベルの人にとっては、モチベーションの壁というのも大きいかもしれない。TOEICのような難しい問題が、果たして解けるようになるのか。苦手意識が勝り、なかなか学習意欲が湧かない人も多いだろう。まずは意欲的に英語と向き合うための材料を探す必要がありそうだ。

「趣味でも何でも、興味のある分野から入ることができれば、それがベストです。例えばスポーツが好きな人であれば、YouTubeで英語圏の動画を積極的に視聴してみるのもいいでしょう」

現時点で300点台であるなら、見方を変えれば、大きな伸びしろを残しているとも言える。実際、このレベルはきっかけひとつでグンと伸びることがあると、神崎氏は明言するのだ。

「全力を尽くして300点という人もいるかもしれませんが、たいていはモチベーションに欠けていたり、やり方が間違っていたりする。これまで真面目に学習してこなかった人であれば、少し頑張って基礎英語を身につければ、すぐに500点くらいまで伸ばせます。TOEICの問題を解く練習をするのは、その後でいいでしょう」

単語も文法も、覚えるのは地味な作業である。だからこそ、コツコツ頑張れるモチベーションを見つけることができれば、一気に花開く可能性もあるわけだ。

▼少し踏ん張れば、すぐに得点はアップします

【YouTubeの海外番組を楽しむ】
大リーグなどのスポーツ中継や自分の趣味、興味のある分野の情報は英語でもすんなり入りやすい。「英語がわからなくても楽しめるので『Rachel Khoo, The Little Paris Kitchen』など、料理番組もお勧めです」


【I have a penからしっかりやり直し】
比較表現、受け身など、中学で学ぶ文法事項を網羅。「ステップを追って基礎から丁寧に説明しているので、中学時代に英文法で躓いた人でも理解できるはず」。(写真上中)くもん出版1200円+税
【TOEICの準備に基礎を楽しく復習】
「著者はTOEICのエキスパート。TOEICで必要となる英語の基礎が意識して書かれている」。イラスト付きの解説もわかりやすい。練習問題も豊富に掲載。(写真上右)濱崎潤之輔著 かんき出版、1100円+税
【中学英語を音で復習。通勤前の習慣にも】
NHKラジオ第2放送の初心者用英語教育番組。基礎英語1、2、3の順に、週5日、朝6時から15分ずつ放送。インターネットでも配信。「音声重視の番組構成でリスニング力の養成ができる」。(写真下)NHK出版 各450円+税
【海外情報を読む】
「Facebookで『The Guardian』、Twitterで『The Independent』などをフォローし、フィード上の面白そうな記事を読みます。YouTubeでよく見るのは『BBC Question Time』。好きなテーマは政治など」

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神崎正哉(かんざき・まさや)
神田外語大学講師
東京水産大学(現東京海洋大学)卒業。テンプル大学大学院修了(英語教授法)。著書に『新TOEIC TEST出る順で学ぶボキャブラリー990』(講談社)、共著に『TOEIC L&R TEST標準模試2』(yadokari)。

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(友清 哲 写真=iStock.com)

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