1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

説明を拒む小室圭さんに結婚の資格はない

プレジデントオンライン / 2018年12月2日 11時15分

2018年11月22日、53歳の誕生日を前に、記者会見される秋篠宮さまと紀子さま。(写真=時事通信フォト)

■11月30日に解禁となった「秋篠宮家の会見」の中身

私は小室圭という男に腹が立ってきている。

その理由は後で触れる。

注目されていた秋篠宮さんの誕生日会見が11月30日に解禁になり、発言全文が公開された。

会見自体は22日に行われていた。例年通りではあるが、記者たちには今年は特に保秘を徹底するよう、申し渡されたそうである。一部には、眞子さんの結婚問題について、破局を明言したためではないかという憶測も流れた。

だが、会見の中の重要な発言は、朝日新聞(11月30日付)が一面で報じたように、「大嘗祭、国費支出『適当かどうか』 秋篠宮さま、皇位継承行事めぐり」であった。

秋篠宮さんは、天皇の代替わりに行う皇室行事「大嘗祭(だいじょうさい)」に、「宗教色が強いものを国費で賄うことが適当かどうか」として、政府は公費を支出するべきではないという考えを示したのである。

1990年に行われた「大嘗祭」では、宮廷費約22億5000万円が使われたという。秋篠宮さんは、天皇家の私費にあたる「内廷会計」で賄うべきだ、つまり質素にやるべきだと宮内庁の山本信一郎長官らに「かなりいった」が、聞き入れてもらえなかったと話している。

■「婚約はできない」に週刊誌編集部は大騒ぎした

宮内庁はまったく知らされていなかったため、大慌てのようだ。政教分離の観点からも重大発言だが、そうしたことを全く考えずに前例を踏襲して公費を支出することを決めてしまった、安倍政権への異議申し立てでもある。

案の定、各方面から批判の声も上がっている。だが、テレビや新聞の写真で見る53歳になった秋篠宮さんの表情にはすごみが出てきた。天皇皇后や皇太子がいえないことを私がいう。覚悟をした男の顔である。

週刊文春や週刊新潮は親しい宮内庁記者から会見内容を聞きだし、詳細を知っていたようだが、この問題については一行も触れていない。

関心は、秋篠宮さんが、「娘・眞子と小室圭の納采の儀(婚約)はできない」と語った一点だけだった。これを聞いた時、女性誌を含めた週刊誌編集部は鬼の首を取ったような大騒ぎをしたに違いない。

それも秋篠宮さんは、小室圭さんに関わることが週刊誌などで報道されていることは、承知していると話したのだ。「われわれ週刊誌が2人を破局に追い込んだ」。編集部にはそう勘違いした人間もいたのではないか。

■各誌は「婚約破棄」が決まったかのような書き方

それが証拠に、解禁の前日に発売された両誌は、こうタイトルを付けた。「千代田のお城から『さようなら小室圭さん』」(新潮)、「小室圭さんから辞退を 秋篠宮さまの真意」(文春)と、婚約破棄が決まったかのような書き方である。

11月30日に放送された各局ワイドショーも、いつものように小室さんの母親の元婚約者(名前も顔出しもなし)による一方的な発言を取り上げ、小室家側の非をあげつらう論調に終始した。

秋篠宮さんの会見での発言を精査する前に、ここ1カ月半近くのブリザードと表現してもいい「小室圭バッシング」を振り返ってみよう。

8月初旬に小室圭さんがNYへ行って以来、母親は行方不明だが、週刊文春(10/4号)の「小室圭さん衝撃の外務省公電 消えた母親は『探す必要なし』」によれば、外務省が異例とも思える公電を、在NY日本国総領事館へ送ったというのだ。

文面は、「貴館においては、特に積極的に米国関係当局に接触して、小室佳代さんの所在を把握する必要はない、と本省としては思量している」。わざわざ、外務省が公電を使ってNYの領事館に「母親を探すな」などというだろうか。

■「この疑惑が万が一事実なら」で書き連ねた文春

女性セブン(10/11号)は「小室圭さん(26)超VIP留学 中断帰国 眞子さま震える」で、圭さんは留学ビザを取得していなかったと報じた。財政能力証明書に必要な金額が提示できなかったからではないかというのである。

この情報を鵜呑みにした文春が、「小室圭さんアメリカ『不法滞在』疑惑」(10/18号)と後追いした。

文春は「仮に、この(セブンの)報道が事実だとすれば」、圭さんは不法滞在になり、アメリカの移民法に抵触してしまうと、さらに話を広げる。確たる証拠もなしに、「この疑惑が万が一事実なら」、眞子さんとの結婚にさらなる暗雲が立ち込めかねないと話を展開させていくのだ。

だが、圭さんの留学をサポートしている奥野総合法律事務所を通じて、圭さん本人に質問を投げると、圭さんから「まったくの事実無根。ビザはちゃんととっている」という返事が来て、疑惑は雲散霧消する。事実、もしそうなら10月ぐらいに一時帰国しなければならないが、そうした動きはまったくなかった。

だが懲りない週刊誌の面々は、NYのレストランで開かれた息抜きの飲み会までも、「小室さん迫る11月危機、5人の美女とのNY飲み会動画」(「週刊文春」10/25号)と、怪しげなものにしてしまうのだ。

■「もう小室母子は他人だと突き放した」は深読みしすぎ

「女性自身」(10/30号)は、「眞子さまショック!『小室母子はもう他人』2人の愛を認め続けた秋篠宮さまが豹変宣言」と報じた。

秋篠宮さんが、金銭問題の早期解決、国民の理解を得るために記者会見を開いてはどうかと、小室家にアドバイスをしてきたのに、ことごとく無視され、小室家とは関わりたくないと、娘・眞子さんに宣言したというのである。

秋篠宮さんも会見で、「まだ、婚約前ですので、人の家のことについて私が何か言うのは、はばかられますけれども、やはりその今お話ししたような、それ相応の対応というのは大事ですし、それから、これは、二人にも私は伝えましたが、やはり、今いろんなところで話題になっていること、これについてはきちんと整理をして、問題をクリアするということ(が必要)になるかもしれません」と語っているから、アドバイスしたことは事実である。

だが、後でも触れるが、「もう小室母子は他人だと突き放した」というのは、深読みしすぎではないか。

ここからはマッチポンプのお手本にしたい記事が続く。

■別れてもいない眞子さまに「プリンス候補」の報道

「『小室圭くん』とさよならしたい『紀子さま』の『宮内庁プリンス候補人名録』」(「週刊新潮」11/8号)

タイトルを見て、老耄&認知症気味の私は、紀子さんが離婚して、再婚するのかと早飲み込みをしてしまった。読んでみたら何のことはない、眞子さんの結婚相手を探しているという話だ。

だが、小室圭さんと別れてもいない眞子さんに、なぜプリンス候補がいるのか?

内容は、全くといっていいほどの架空の話。圭さんがNYから帰ってこなかったり、向こうで新しい彼女ができたりすると心配なので、母親が、相手にふさわしい候補者が載っている「人名録」に手を出した、のではないかという推測に希望的観測を混ぜ、ありもしないストーリーをつくり上げた。そうとしか思えないのだが、こういう記事を秋篠宮夫妻は読んで、どう思ったか、ぜひ聞いてみたいものである。

続いては「小室圭さん『チャラ男』写真に仰天」(「週刊文春」11/15号)。6~7年前のクラブイベントで、六本木の会場に3~400人が集まり、踊り明かした一夜、女性の肩を抱き、カメラに向かってチャライ表情を見せている圭さんの姿をグラビアに掲載している。

この写真を読者に見せて、文春は何をいいたいのだろう。まだ20歳そこそこのときだ。

■「秋篠宮夫妻は、ほぼすべての週刊誌に目を通されています」

文春は翌週も、「小室圭さん卑猥ポーズ写真の波紋と秋篠宮さま『五つの宿題』」という特集を組む。自分のところで掲載した「チャライ圭さん」写真がワイセツ過ぎると批判が出ているというのである。「英国王室であればこの写真が出た時点でアウトです」というのは、ジャーナリストの多賀幹子氏。

カメラに向かって、口元で裏返したピースサインをし、指の間から舌をのぞかせている。これに対してネットで「下品」「発情していると勘違いされる」という書き込みがあふれたというのである。

「欧米では手を裏向きにしたピースサインは暗に女性器を指し、その間から舌を出すのはオーラルセックスを意味します」と、ご丁寧に米国在住のジャーナリストが解説している。

そして例によって、宮内庁関係者がこういう。

「秋篠宮夫妻は、ほぼすべての週刊誌に目を通されています。小室さんの写真もご覧になり、ショックを受けられているでしょう」

■「秋篠宮さまは自暴自棄になって、毎晩やけ酒を飲んでいる」

載せたのは自分のところじゃないかといいたくなる。先の多賀氏が、「『なぜこんなポーズをする小室さんを選んでしまったのか』と、眞子さまや秋篠宮さまにまで批判が波及しかねないのです」と付け加えるのだ。

ここまでくると、何としてでもこの2人の仲を引き裂いてやるという「悪意」すら感じるのだが。

「女性セブン」(12/6号)はもっとすごい。「小室圭さん(27)宮邸招き入れ事件! 眞子さま(27) 皇后美智子さま(84)『厳重警告』」

圭さんがアメリカに旅立つ直前の8月上旬、眞子さんを訪ねて来たが、その際、天皇皇后や東宮御所の来賓などが使う格式の高い門を、眞子さんが自ら警備に頼み、圭さんの乗った車を通らせたというのである。

その事が美智子皇后の知るところとなり、眞子さんの誕生日に御所で昼食を共にされたとき、「厳重警告」をしたというのである。

実際は、物事には手続きがあって、その一つひとつを丁寧にこなしていくことが大事だという話をしたそうだ。それが見出しになると「厳重警告」となる。

こうした週刊誌の記事の何本かを秋篠宮さんは読んでいると語っている。先週の女性誌では、眞子さんの結婚問題で自暴自棄になった秋篠宮が、毎晩やけ酒を飲んでいると書いたところもあった。私がそばに居たら、「殿下、こういったものはお読みにならないほうが」というだろう。

■圭さんに対する思いが変わったと書いたところはない

名前も顔も出さず、一方的に小室母子を非難する元婚約者と名乗る男性の話だけが独り歩きしている。これまでの週刊誌報道のほとんどは、「それが事実だとすれば」という前提で、話が組み立てられている。

いつもの週刊誌なら、件の男性の話の裏付けを取り、なぜ圭さんの婚約が決まりそうになった時期に、この話を蒸し返し、週刊女性に持ち込んだのか、その背景を取材するはずだ。だが不可思議なことに、今回はそれをほとんどしていない。それはなぜなのか。

眞子さん圭さんについての週刊誌報道を見てきたが、ひとつだけ確かなことがある。どれを読んでも、眞子さんの圭さんに対する思いが変わったと書いたところは、私が知るかぎり、どこにもないということだ。

2人に厳しいセブン(12/13日号)でも、宮内庁関係者がこう語っている。

「秋篠宮さまの胸の中には、積極的に眞子さまを翻意させようという気はないようです。“心変わりしないなら、そのうちに金銭トラブルについて周囲が納得をし、結婚すればいい”という諦観さえ抱いているように見えます」

また眞子さんの知人は、「(眞子さんは=筆者注)結婚の延期や、それについての報道をまったく意に介していないような雰囲気で、どちらかというと、“もうすぐ結婚します!”という幸せオーラを漂わせていることには、驚きもありました」といっているのである。

■金銭問題について「それ相応の対応をするべき」と明言

以上のようなことを前提にして、秋篠宮夫妻の会見を読んでみた。私には、どうして秋篠宮さんの発言が「2人の結婚は許さない」ということになるのか、さっぱりわからないのである。

会見で秋篠宮さんはこういっているのだ。

「私は最近はそれほど、娘と話す機会がない」として、「私は今でもその二人が結婚したいという気持ちがあるのであれば、やはりそれ相応の対応をするべきだと思います」と、結婚したいのなら、週刊誌などで報じられている「金銭問題」について、きちんと世間に向けて話せといっているのである。

また母親の紀子さんは、こう話している。

「昨年の夏から、さまざまなことがありました。そして、折々に、私たちは話し合いを重ねてきました。そうした中で、昨年の暮れから、だんだん寒くなっていく中で、長女の体調がすぐれないことが多くなりました。(中略)これからも、長女への思いは変わることなく、大切に見守りたいと思っております」

うっすら涙を浮かべているようにも見えた。

■両親からのメッセージを受けて、やることはひとつ

天皇家を含めた皇族は、世相を映す鏡である。娘が好きになった男の母親にやや問題があり、そうしたところへ嫁がせていいのだろうかと思い悩む両親。

そうしたことで親子の仲もぎくしゃくして、話す機会もあまりなくなっている娘と、どう付き合っていいかわからない両親の心の内を吐露しているのだ。

これは眞子さんへ向けた両親からのメッセージである。

言外にうかがえるのは、眞子さんが圭さんとの結婚に強い思いを抱いているということ。それを理解したうえで、それほどまでに思っているのなら、2人で相談して、世間に対して理解をしてもらう方策を考えなさい。私たちは決してお前を見放しはしませんよ。

眞子さんの両親から、これほど強いメッセージをもらったのなら、眞子さんと圭さんのやることはひとつしかないはずだ。

■沈黙を通すのなら、眞子さまの結婚相手にはふさわしくない

記者会見を開き、自分たちの強い思いと、週刊誌などで書かれている「金銭問題」について納得のいく説明をし、少しでも世間に理解をしてもらうよう努めることである。

27歳にもなった男と女が、それぐらいのことができなくてどうする。といっても、眞子さんはやんごとなきお方の娘さんであり、失礼だが、世間というものをまだよく分からないはずだ。圭さんは父親に死なれ、母子家庭で育ち、世間の冷たさや怖さをそれなりに知っていると思う。

ここは大学を一時休学してでも、自ら週刊誌記者たちの前に出て、2人の結婚への強い意志と、ささやかれている金銭問題をどう処理するつもりかを、2017年9月3日の婚約内定会見と同じように、正々堂々と申し開きするべきである。

圭さんの母親も隠れてばかりいないで、息子の一生に一度の大勝負のために、行動を起こす時だ。

それを秋篠宮夫妻も、眞子さんも待ち望んでいる。秋篠宮夫妻の言葉の中に、その思いがにじみ出ている、私はそう思う。それができずに、NYの象牙の塔に閉じこもり、沈黙を通すのなら、小室圭という男は、眞子さんの結婚相手にはふさわしくない。眞子さん&圭さんの「味方」を自任する私でも、そう断じざるを得ない。

----------

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任する。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『編集者の教室』(徳間書店)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)などがある。

----------

(ジャーナリスト 元木 昌彦 写真=時事通信フォト)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください