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大流行"ミニ財布"で貯金が1割増えるワケ

プレジデントオンライン / 2018年12月10日 9時15分

筆者の私物のミニ財布。三つ折りタイプで、最低限のキャッシュとカードを入れた状態で縦7.5cm×横11cm×幅3~4cm程度。広げた時のサイズは、タテ11cm×ヨコ21cm。

若い女性を中心に人気が出ている「ミニ財布」。今年初めに長財布からミニ財布に変えたファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんは「収入額は前年とほぼ同じでしたが、貯金額は前年より1割増えた」という。ただしミニ財布には落とし穴もある。流行アイテムのメリットとデメリットを検証した――。

■長財布が“ブタ”な人ほど「ミニ財布」に変えるべき

お金との付き合い方で欠かせないのが「財布」の存在だ。ちょっと前まで、大人の財布といえば、横長の「長財布」が主流だったが、今の財布・小物市場では手のひらサイズの「ミニ財布」がトレンドになっている。女性誌『クレア』(2018年12月号)では「今やミニ財布はブームから定番になった」と書いており、高級ブランドの最新ミニ財布を誌面で紹介している。

最近では、三つ折り財布から進化した「スマートミニウォレット」といった、超薄型の機能性重視の財布も売れているらしい。実際、手に取ってみると、「これが財布? カードケースでは?」と驚くばかりの薄さである。

ミニ財布については、ちょうど1年ほど前に取りあげ、長財布からミニ財布に切り替えることで、資産や収入が倍増したという実例もご紹介した(詳細は「なぜ“ミニ財布”にすると貯金が増えるのか」を参照)。

今回は、この1年を振り返り、最近のお金に対する人々の意識も踏まえて、長財布からミニ財布に切り替えると、本当にお金が貯まるのか、どんな人がミニ財布にすべきかを考えてみたい。

■筆者が長財布からミニ財布に変えた「結果」は?

以前のコラムでもご紹介した通り、筆者が愛用していたのは海外ブランドの長財布だった。しかし、その長財布は、購入から年数もたっており、コラム執筆後にどれだけ「ミニ財布効果」があるのか検証したいと思い立ち、今年1月、ミニ財布(三つ折り財布)に切り替えることにした。

別の海外ブランドのもので、こだわって選び抜いたというものではない。単に、シンプルで使いやすそうだったのが選んだ理由である。特にコインケースが外付けになっているのがいいのでは、と感じた。

■ミニ財布にすると断捨離意識・節約意識が高まる理由

以下は、使用からほぼ1年になる筆者の個人的な感想である。まずは、ミニ財布にして良かったこと・メリットに感じた上位3つをご紹介しよう。

<ミニ財布のメリット>

【1位】とにかくコンパクトである
仕事柄、資料やiPadなどを持ち歩くため、荷物が重くなりがちだった。財布のように常に携帯するものが小さくなれば、荷物の軽量化につながる。あわせて、ミニバッグにも入れられるのでどんなバッグでもあわせることができて、とても使い勝手が良い。ミニ財布が、合理的で身軽な行動を好むミレニアル世代(一般的に1981~1996年の間に生まれた人を指す)に支持されているのも理解できる。

【2位】トレンド感がある
最近は「ミニバッグ」もブームになっている。ミニ財布の流行も、そうしたトレンドを受けたものだ。このため持っているだけで、「おしゃれに敏感な人」という印象になるらしく、買い物時に財布を出す度に店員さん(特に若い女性)に、「ミニ財布ですか! すてきですね! 私もほしいんです」と何度も声を掛けられて驚いた。おしゃれにこだわるタイプではないのだが、何となくうれしくなる。

【3位】こまめに整理できる
とにかく容量が小さいため、レシートやカードがいっぱいになると使いにくくなる。その結果、こまめに財布の中を整理整頓するようになる(というかせざるを得ない状況に追い込まれる)。

ミニ財布を使用するメリットとして「断捨離ができる」という人が多いが、納得できる。筆者の場合、以前から断捨離の習慣はあったが、使わないポイントカードの見直しや受け取ったクーポンを使用期限日までに使う意識がより高まった。

女性誌『クレア』(2018年12月号)ではイブ・サンローランやバレンシアガなど高級ブランドのミニ財布を誌面で紹介している。

お札やレシートが丸まってしまうのが難点

続いて、ミニ財布に変えたことでデメリットに感じた上位3つである。

<ミニ財布のデメリット>

【1位】お札やレシートが丸まってしまう
筆者が使用したのが三つ折りタイプのため、お札やレシートを出した時に丸まってしまう。レシートを撮影して買ったモノとその料金を読み込む家計簿アプリを使用しているため、スムーズに撮影できないのがややストレスとなっている。

また、お札が最低限の分しか収納できないため、イザ買い物するときに現金が不足しそうになることが多々あった。クレジットカードで支払いすればよいだけの話なのだが、現金とカードを使い分けるマイルールを決めている関係上、買い物を断念するほうを選んでしまう。結果的に節約メリットともなった。

【2位】支払いの際にもたついてしまう
これもミニ財布のデザインによるものかもしれないが、「コインケースが外付けになっている」という売りが裏目に出た。買い物の際に、小銭とお札が一緒に確認できないので、取り出す作業を別々にこなさねばならず、しかも小銭が取りだしにくい。面倒なので、急いでいる際など、支払いをお札で済ませると、すぐに小銭入れがパンパンになってしまう(コインケースが外付けでないミニ財布もある)。

【3位】最低限のカード類しか収納できないので、使いたいときに入っていない
ミニ財布のメリットは「自分の生活パターンや買い物習慣を踏まえて、使うカードを絞るか、余分なカードは持たない」という点だが、週末に出かけたときなど、普段利用しないカードを財布に入れ忘れると利用できないことがあった。

■ミニ財布で年収に対する貯蓄率が約1割上昇した

では、ミニ財布にしてお金が貯まったかどうか。計算してみると、収入は、ほぼ横ばいだったが、年収に対する貯蓄率は約1割上昇した。その理由としては、ミニ財布になったことで、支出に対してニーズとウォンツの見極めがよりシビアになったこと。家計管理もミニマムに押さえるようになったことなどが挙げられるかもしれない。

ただ、筆者としては、ミニ財布を使用してみた結果、再び、長財布を購入しようかと検討中である。前掲のメリット・デメリットを踏まえて、筆者のお金の使い方に、ミニ財布が自分に100%適しているわけではないと感じたからである。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/cveltri)

ミニ財布を持つのに向いている人は、「現金をできるだけ持ち歩きたくないキャッシュレス派」や「ポイントカードなどはスマホアプリで読み込むなど情報リテラシーに敏感派」などだ。筆者のように、現金とキャッシュレスの両方を使い分けている場合は、ミニ財布は、やや使いにくいと感じるシーンがある。もちろん、ミニ財布のメリットも十分あると実感したので、今後は上手に使い分けたいと考えている。

ポイントカード中毒&慢性的なブタ財布の人は「ミニ」を試せ

そして、次のような方は、ぜひとも、一度はミニ財布を使ってみるべきである。

・レシート類の整理整頓が下手→家計管理もずさんタイプ
・クレジット、ポイントカードを大量に保有している→おトク感中毒タイプ
・何でも、とりあえず財布に投入してしまう→慢性的に豚財布タイプ

結論としては、長財布とミニ財布も、最終的に家計管理ができるか、お金を貯められるかは、本人のやり方次第だろう。見直すべきなのは、財布自体ではなく、お金の付き合い方である。

とはいえ、ミニ財布に切り替えることで、お金の「出入り」に敏感になり、賢い消費行動が取れるきっかけや、貯められる環境は整う。来年こそ、無駄遣いを控えたいとお考えの方は、まず、自分に合ったミニ財布選びから始めてみるのもいいかもしれない。

(ファイナンシャルプランナー 黒田 尚子 写真=iStock.com)

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