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司法試験にも合格、東大医学生の24時間

プレジデントオンライン / 2019年1月15日 11時15分

AFLO=写真

司法試験に一発合格した東大医学部5回生、河野玄斗さん。試験勉強で常人離れしたスケジュールをこなしたのかと思いきや、ゴールから「逆算」していく独自の勉強法は、誰でも真似ができるものだった。「プレジデント」(2019年2月4日号)の特集「2019年 時間革命」より、記事の一部をお届けします――。

■予定は変わるもの、帳尻合えばOK

東大医学部4年次に司法試験を受験した際、僕が行ったのは「逆算勉強法」。無駄を削ぎ落とし効率を重視しています。次の5つの順に行います。

(1)「○○をしたいから、この試験で○点をとる」といった目標(ゴール)を決める

(2)過去問題を見たり、その試験や資格に受かった複数の人に話を聞いたりして、どんな勉強が必要かといった情報を集める

(3)(2)の情報と、自分が苦手とする部分を照らし合わせ、必須でやらなければいけない勉強をあぶりだす

(4)試験日までの日数で、(3)で出した勉強をどのくらいずつやれば終わるか、大まかなスケジュールを立てる

(5)毎朝、その日に勉強することを細かく分けてTO DOリストにし、実践していく

挫折してしまう原因の1つは、「目標がはっきりしていないために、途中でやる気がなくなる」ことではないでしょうか。だからこそ、(1)が重要です。

例えば、「TOEICで700点以上をとる」だけでは、勉強できない日が続いたとたん、「今は忙しいから、将来とれればいいや」と諦めてしまいがちです。そうではなくて、「今年は子どもも生まれるし、もっと条件のいい会社で働きたい。夏までに転職をするために、6月のTOEICで700点以上とる」といった明確な目標があれば、それに向けて勉強できます。

一方、目標ははっきりしていたのに、「あれもこれもやらなければと焦るあまり、優先順位を付けられず、結局やらなくなった/試験に落ちた」という方もいらっしゃるかもしれません。試験日までに何をどういった手順でやる、といったロードマップがないとブレやすいですし、闇雲に勉強していては時間がいくらあっても足りません。それを回避するために行うのが(2)と(3)と(4)です。

ただし、(4)のスケジュールは詳細に作る必要はありません。急な仕事が入ったり、体調を崩したり、どうしてもやる気が出ない日があったりと、予定は変わるもの。当日取り組む勉強の詳細は朝、もしくは前日の夜にTO DOリストを作りながら決めます。たとえそれが達成できなくても、「この1週間で帳尻を合わせればいい」と肯定的にとらえ、思い込みすぎないことも、続けるための秘訣です。

ビジネスパーソンの方々は、仕事のある日に落ち着いて勉強できる時間は1日2~3時間程度だと思います。そこで、通勤時間や昼休みをはじめとしたスキマ時間を有効に使います。このとき行うのは、英単語学習のような「流れを意識しなくていいもの」「記憶しておけばいいもの」が最適です。

例えばホームで電車を待っている数分間のうちに、いくつかの単語を“短期記憶”として覚え、電車に乗ったら、その単語を反芻することで記憶の定着を図る。それだけで1日10単語くらいは覚えられます。ほかにも、LINEを送ったら相手から返事が来るまでに単語を3つ覚えるようにする、食事をしながら問題の解き方を考えるなど、ゲーム感覚で覚えていきましょう。一方、まとまった時間には、数学や英文法のような「体系的な理解を要する勉強」を行います。つながりを覚えておくことで全体像を把握できますし、応用問題にも対応できるようになるからです(図参照)。

■続かず挫折しても、自分を責めないで

逆算勉強法を実践していても、モチベーションが続かなくなることがあります。そんなときのために、一歩引いて自分の性格を観察し、うまく利用すること、つまり感情のコントロールも身に付けておくと便利です。

東京大学医学部5回生 河野玄斗氏

例えば、僕は負けず嫌いな性格なので、「人に負けたくないという気持ちが自分のなかにある」ことを自覚し、その感情に流されるのではなく、「その気持ちを利用してやる気に変えよう。この試験に受かったら、みんなびっくりするぞ」と、みんなが驚いている姿を想像することでモチベーションを維持してきました。そのため、司法試験を受けることは周囲に伝えず、秘かに勉強を続けていました。

同じように「絶対に人を裏切れない性格」なら、その性格を利用して、同じ試験を受ける友人と2人で手分けして勉強し、毎週末は教え合う日というように決めます。約束をしてしまった手前、「やっていかないと相手に迷惑がかかる」というプレッシャーで、怠けることはできないはずです。ちなみに、相手に教えるようにすると、本を読むときにも「ここはこう説明したら相手にわかりやすい」と注意して読むようになるので、理解力が増して一石二鳥です。

「それでもどうしても続かない、挫折した」ということがあっても、自分を責めないでください。それはおそらく、あなたにとってそこまで緊急でとらなければいけない資格や試験ではなかったのです。あなたを幸福にする目標やゴールはほかにあるはずだと思います。

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河野玄斗
東京大学医学部5回生
1996年、神奈川県生まれ。私立聖光学院高等学校卒業。2017年、司法試験合格。第30回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストベスト30入り。著著に『東大医学部在学中に司法試験も一発合格した僕のやっているシンプルな勉強法』。

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(東京大学医学部5回生 河野 玄斗 構成=干川美奈子 撮影=的野弘路 写真=AFLO)

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