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ドラえもん"のび太"に学ぶ前向きな生き方

プレジデントオンライン / 2019年5月22日 9時15分

舟木彩乃氏

■ストレスを抱える人々を救う「魔法の力」

「ストレスに負けない心を作る」「メンタルを強くする」――書店に行けば、心理学のコーナーだけではなく、ビジネス書売り場にも、そんな惹句の本がずらりと並んでいる。しかし、ストレスや悩みの原因・対策を説いてはいても、結論が理想論だったり、実践するのが難しいメソッドだったりして、「机上の空論」にすぎない本が多いのも現実だ。

「十人十色の悩みがある中で、無責任に『あなたの悩みは解決できる』とする本にはしたくなかったので、ストレス低減に有効な考え方をできるだけ容易に、日常的な話題や例題を交えてまとめました」

そう語るのは、ストレス・マネジメント研究者の舟木彩乃氏。著書『「首尾一貫感覚」で心を強くする』は、もともとは自身も経験して痛感した「議員秘書のストレス」について155人を対象とした調査結果を中心にまとめる予定だったという。

しかし、舟木氏の研究を知った編集者が、そこで活用されていた「首尾一貫感覚」こそがストレスを抱える人々を救う「魔法の力」になると聞き、まずはこの考え方をわかりやすく解説する本を目指すことになった。

「議員秘書は全仕事の中でも最もストレスが高い仕事」だということは、本書にも例示される元衆議院議員の「このハゲー!」騒動からも想像に難くない。では、どうすれば辛い環境でも前向きに生きられるか。

舟木彩乃『「首尾一貫感覚」で心を強くする』(小学館新書)

研究する中で出会ったのが、フランクル『夜と霧』でも知られるナチスドイツのユダヤ人強制収容所で、過酷な収容体験を乗り越えた人たちが共通して持っていた感覚=「首尾一貫感覚」だった。

「統計的にもストレス反応に有意な影響があった」というこの感覚は、具体的には以下の3つからなる。①把握可能感=自分の置かれた状況や今後の展開を把握できていると感じる。②処理可能感=自分に降りかかっているストレスや障害に対処できていると感じる。③有意味感=自分の人生に起こるどんなことでも意味があると感じる。

これらの感覚は、先天的なものではなく、後天的に高められるのが特徴だという。本書では「のび太の処理可能感が高いわけ」「ドラクエ的成長術」などわかりやすく納得できる説明を駆使。「しあわせ日記」「自分物語を整理し直す」といった、誰でもすぐに始められる実践法も紹介している。

「ブラックな仕事や病気、災害などでストレスを抱えたり将来を悲観したりする方々にとって、『自分らしく生きる』ヒントになれば幸いです」

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舟木彩乃
ストレス・マネジメント研究者
一般企業や国会議員秘書などを経て、現在は筑波大学大学院博士課程在籍(ヒューマン・ケア科学専攻)。

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(ライター 伊藤 達也 撮影=尾関裕士)

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