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仕事が増えて苦しい時は"脳内を吐き出す"

プレジデントオンライン / 2019年3月26日 9時15分

※写真はイメージです(写真=iStock.com/GeorgeRudy)

仕事にやる気が起きない。どこから手をつければいいのか。2人の脳科学者にアドバイスを求めた。第3回は「やることが多すぎて頭が回らず、パフォーマンスが上がりません。」――。
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Q やることが多すぎて頭が回らず、パフォーマンスが上がりません。
A To Doリストを作成しながら、不安や愚痴も一緒に書き出しましょう。

■プレッシャーを打ち消すには?

日々やらなければならない仕事が増え続け、どれから手をつけるべきかわからなくなることは、仕事に不慣れな若手社員だけでなく、30~40代にも多い悩みかもしれません。自分が抱えている仕事のほか、後輩の指導やフォロー、上司からの丸投げや無茶ぶりにも対応しなければならず、仕事に嫌気がさすこともやる気を失うこともあるでしょう。

今のあなたに最も必要なのは、脳の中にあるものを吐き出して優先順位を決めることです。まずは毎朝、その日のTo Doリストを作りましょう。そのとき、リストに書いた仕事への不安や愚痴も、一緒に書き出していきます。

このTo Doリストは、最大限に脳を活用できるようにするためのものです。ワーキングメモリ(作業記憶)といって、私たちは日常生活で記憶や情報を一時的に脳に保持して、それを組み合わせたりしながら同時に処理をしています。ところが、ワーキングメモリはプレッシャーやストレスに弱いのです。

「このまま締め切りに間に合わなかったら上司に叱られるかもしれない」「後輩に追い越されるかもしれない」「降格になるかもしれない」といったストレスがかかることにより、働きが阻害されます。

そこで、脳内にあるものをモヤモヤした気持ちも含めてすべて書き出してしまえば、脳内のワーキングメモリに余裕ができるので、スムーズに今やるべき目の前のことに集中できるようになるのです。

■「緊急度が高くてやりたい度も高い」仕事から始める

では、リスト作成の具体的な方法をお教えしましょう。まず、「①A社に提出する企画書を作る←今日の夕方がリミットだから絶対やる必要あり。競合企業とのコンペなのでプレッシャーが大きいが、とれたら大きな仕事になる ②経費精算←3カ月過ぎていて、早く出さないと締め切ると経理から怒られ続けている ③部会議←長引きそう。発言を強いられるし、面倒くさい……」といったように、やること(内容)と、それに対して抱えている気持ちも書き出します。

次に、この内容に優先順位を付けます。縦軸を「緊急度」、横軸を「やりたい度」として度合の高い低いに分けた4つのまとまりを作り、書き出した内容を振り分けていきます。例えば、先ほどの①なら「緊急度が高くてやりたい度も高い」、②なら「緊急度が高くてやりたい度が低い」枠に入れていきます(図参照)。

出来上がったら、あとは実行に移すのみです。普通は緊急度の高いものから始めますが、やる気を持続させるためには、「緊急度が高くてやりたい度も高い」「緊急度は低いがやりたい度が高い」「緊急度が高くてやりたい度は低い」「緊急度もやりたい度も低い」の順で行います。終わらないものがあっても、翌日に同じように優先順位を付けていけば、おのずと緊急度が上がってやらなければならなくなります。焦らず1つずつ終わらせていきましょう。

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篠原菊紀
公立諏訪東京理科大学教授
脳科学者。遊び中、運動中、学習中などの脳活動を調べ、脳トレへの活用や依存症の予防などを研究する。著書に『「すぐにやる脳」に変わる37の習慣』ほか多数。
 

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(公立諏訪東京理科大学情報応用工学科教授 篠原 菊紀 構成=干川美奈子 撮影=葛西亜理沙 編集=高嶋ちほ子、干川美奈子 写真=iStock.com)

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