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「低糖質だけど安いランチ」を食べる方法

プレジデントオンライン / 2019年3月28日 9時15分

※写真はイメージです(写真=iStock.com/taa22)

ランチを安く済ませようとすると、麺類や丼ものなど炭水化物中心になりがちだ。「低糖質だけど安いランチ」を食べる方法はないのだろうか。消費生活ジャーナリストの松崎のり子氏が、身近なチェーン店の低糖質メニューと、「ご飯を食べすぎない」ランチの工夫を紹介する――。

※各店のメニュー、価格は掲載時の情報です。

■「安さ」にこだわると炭水化物中心のメニューになる

世帯年収が低いほど肥満リスクが高いという調査結果が2018年3月に発表された。厚生労働省が平成22年に実施した「国民健康・栄養調査」に参加した全国の20歳以上の男女約2900人を対象に、滋賀医科大のチームが追加調査したものだ。その結果、栄養摂取についての分析では、男女ともに世帯年収が少ないほど炭水化物の摂取量が多いことが明らかになったというのだ。

摂取エネルギーに占める炭水化物の割合は、男性では世帯年収600万円以上で58.6%、200万円未満で61.1%、女性では世帯年収600万円以上で56.8%、200万円未満で59.7%と、年収が低い層ほど高くなっている。

安い食事にこだわると、どうしても炭水化物メインのメニューになる。「安くて、しかも炭水化物を取りすぎないランチ」を実現する方法はないのだろうか。

■牛丼チェーンで「ごはんの量」を減らす方法

格安ランチの代表的なメニューといえば、どんぶりもの(牛丼、カツ丼、天丼など)や麺類(そば、うどん、ラーメン、パスタなど)、一皿もの(カレー、焼きそば、チャーハンなど)、ハンバーガーなどが思い浮かぶ。

これらの特徴は炭水化物がメインの一品ものだということ。おかずでバリエーションを増やすという逃げ場がないためボリューム勝負となり、しかも味付けが濃い。少しだけ残すのも気が引けるので、結局きれいに食べてしまう。

そういう人のために、外食チェーンは炭水化物を低糖質の食材に置き換えたり、ご飯の量をカットしたりするメニューを用意している。

牛丼のすき家が提供する「牛丼ライト」(並盛:430円※税込み)は、ご飯の代わりに豆腐と千切り野菜を使用している。通常の牛丼の並盛は733kcal(炭水化物104.1g)のところ、ライトは425kcal(炭水化物17.9g)。松屋は定食のご飯を、プラス50円で湯豆腐に変更できる。定食のライス(並)を湯豆腐に変更すると、糖質が-83.5gで、約94%オフになるという。

■くら寿司は「シャリの量が半分」の握りを提供

また、手ごろな価格でご飯がメインといえば、回転寿司もそうだろう。なかでも、多くのメニューを100円で提供しているくら寿司は、糖質オフメニューが充実している。シャリの量を半分減らして糖質を46%オフした「シャリプチ」は、一部を除くすべての握りで対応している。例えば「とろサーモン」であれば、一皿あたりの糖質は8.7gで、100円(※税別)という値段も変わらない。

もっと徹底しているのが「シャリ野菜」で、読んで字のごとく、シャリがご飯ではなく細切りの酢漬け大根に置き換えられているというもの。「えび」「サラダチキン」「えびマヨ手巻き」の3種類で、いずれも100円(※税別)だ。これは寿司なのか、という気はするが、ヘルシーさは抜群だ。

なお、くら寿司で提供しているラーメンにも「糖質オフ麺」がある。麺をオリジナルのこんにゃく麺に替えることで、スープの種類によって87~97%の糖質がカットできるそうだ。「胡麻香る担々糖質オフ麺」は、糖質7.0gで87%オフ、「7種の魚介 濃厚味噌糖質オフ麺」は糖質1.3gで97%オフ、「7種の魚介 とんこつ醤油糖質オフ麺」は糖質2.3gで95%オフ、「7種の魚介 醤油糖質オフ麺」は糖質2.2gで95%オフとなっている。いずれも370円(※税別)だ。

■麺の置き換え、バンズの置き換えで低糖質に

麺を置き換えられるメニューは他の外食チェーンにもあった。

ガストの麺類では、通常の麺に比べて約45%糖質を下げられる「ほうれん草麺」に変更できるメニューがある。「ピリ辛肉味噌担担麺(糖質控えめ・ほうれん草麺)」(799円※税別)、「1日分の野菜のベジ塩タンメン(糖質控えめ・ほうれん草麺)」(799円※税別)、「糖質控えめ・エビと山芋オクラのねばとろサラダ麺(糖質控えめ・ほうれん草麺)」(799円※税別)だ。いずれも通常の麺にプラス100円で変更することができる。

いっそ麺をなくしてしまったのがリンガーハットの「野菜たっぷり食べるスープ」(700円※税別)で、炭水化物は32.8g。こちらは麺抜きちゃんぽんと言っていい。

ただし、ラーメン類はスープを全部飲むとそれなりのカロリーになるし、塩分も高い。また、ガストのように低糖質麺を選ぶと値段が通常メニューよりもアップになることもあるので、注意したい。

ファストフードでもこうした取り組みがある。モスバーガーにはバンズのかわりに具材をレタスで挟んだ「モスの菜摘(なつみ)」シリーズがある。例えば「モス野菜バーガー」(360円※税込み)の炭水化物は35.7g、「モスの菜摘モス野菜」(360円※税込み)の炭水化物は11.5gだ。「テリヤキチキンバーガー」(360円※税込み)の炭水化物は31.7g、「モスの菜摘テリヤキチキン」(360円※税込み)の炭水化物は7.7gである。

また、「ファーストキッチン・ウェンディーズ」では、バンズの代わりにビーフパティで具材をサンドしたバーガー「ワイルド☆ロック」(650円※税込み)を発売。ボリューム感たっぷりというメニューで、糖質は3.8g。

このように外食チェーンは糖質オフメニューの提供に積極的だ。いつもの店でもオーダーの前に、糖質オフメニューがないかじっくりメニューを読み込みたい。

■「定食」でご飯を食べすぎない方法

それでは、定食で白飯を減らしても満腹になれるような方法はないだろうか。

ここは、「一人コース料理」を提案したい。

一般的なコース料理は、最初に前菜やサラダ、スープを食べてから、メインという流れがお決まりだ。それも、一度に全品ではなく、時間をかけて次の料理が出てくる。実は、この順番には、お腹に満足感を与える仕組みが入っている。まずはサラダなどで繊維質を取り入れる。繊維質の多い野菜はよく噛んで食べなくてはならないし、血糖値の上昇を抑える効果が期待できるため、ダイエットに有効と言われている。さらに、次のスープでたっぷり水分を取ることによって一定の満腹感を得られる。

それからメインである肉や魚のたんぱく質メニューが出てくるわけだが、この順番でゆっくり食べているせいで、それほどボリュームがなくても十分満足できるように感じられるのだ。

この食べ方を定食に応用しよう。いきなりメインのおかずと白飯にまっしぐら、は食べすぎの元でしかない。野菜の小鉢があればそれから先に、とんかつやしょうが焼きなどのメニューなら付け合わせのキャベツから先にいただく。キャベツのお替わり自由ですよと言われれば喜んでお替わりをする。

■アメを口に入れてからランチに出かける方法も

みそ汁は最初でも、野菜のあとでもどちらでもいいが、水分を取ってお腹をある程度満たす。そのあとに、いよいよおかずとご飯、というコースだ。それまでにかなりお腹の中は落ち着いているはずなので、ご飯をかき込むように食べることはなくなるのではないだろうか。

おなかがすきすぎてから店に入ると、どうしてもドカ食いをしてしまいがちだ。それを避けるために、職場のデスクの引き出しに小さなあめ玉を入れておいて、それを口に入れてからランチに出かけるだけでも違うので、お試しを。

店では小盛りを頼み、先に野菜をゆっくり噛んで食べ、汁ものを飲み、白米だけでなく五穀米が選べるならそれにして、なるべくゆったりと食事をする。濃い味付けのおかずだとご飯が進むので、店のセレクトも大事になるだろう。

また、おからや高野豆腐、がんもどきなどは低糖質食材と言われている。そう考えてみれば、古来の和食は価格面でも栄養面でも優れていたのだろう。そんな懐かしいおかずを出してくれるような定食屋を見つけ、そしてご飯少な目でとお願いして、しみじみと味わう。そんなランチが理想的なのだが、さて。

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松崎 のり子(まつざき・のりこ)
消費経済ジャーナリスト
雑誌編集者として20年以上にわたり、『レタスクラブ』『レタスクラブお金の本』『ESSE』などのマネー記事を担当。現在は雑誌やWebを中心に生活者目線で執筆中。また、「節約愛好家 激★やす子」のペンネームでも節約アイデアを研究・紹介している。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)、『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない 』『定年後でもちゃっかり増えるお金術』(講談社)。【消費経済リサーチルーム】

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(消費経済ジャーナリスト 松崎 のり子 写真=iStock.com)

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