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"教室カースト"底辺の子の親がすべきこと

プレジデントオンライン / 2019年3月25日 9時15分

※写真はイメージです(写真=iStock.com/ferrantraite)

4月は進級・進学の季節。学校では子供たちの「ヒエラルキー(序列)」の組み替えが起こりやすい。いまや「教室内カースト」は、学校側も自明のものとして、クラス編成に配慮することがあるという。教育・子育てアドバイザー、鳥居りんこ氏は「子どもが序列の下位層になった場合、親の役割が重要になる」と訴える――。

■教室内にある1軍、2軍、3軍、戦力外の序列

「スクールカースト」という言葉がある。

デジタル大辞泉の解説には「学校のクラス内で、勉強以外の能力や容姿などにより各人が格付けされ、階層が形成された状態。階層間の交流が分断され、上位の者が下位の者を軽んじる傾向があることから、いじめの背景の一つともみなされている。インドのカースト制になぞらえた語。学級階層」とある。

要するに「教室内ヒエラルキー」のことである。

教室内のグループが1軍、2軍、3軍のような形にわけられ、いわば「イケてる子」が1軍、その認定から遠く離れると3軍という格付けになる。中には、そうした階層にすら入れてもらえない戦力外扱いの子どももいるらしい。

新年度が始まる4月は、子どもたちがもっともナーバスになる時期だ。進級・進学・クラス替えに伴う「教室デビュー」があるからだ。厄介なことに、このカースト序列は最初の1カ月間でほぼ決定し、よほどのことがないとその1年間は序列が変わらない。私が聞いている限り、いまの学校では「最下位層には入りたくない」と訴える子どもたちが少なくない。

加えて、教室には「キャラ強制圧力」なるものが存在し、それに違和感を覚えたとしても、一度、キャラが固定化された場合、「キャラ換え」は簡単にはできない。

こうした序列の存在とあいまって、一部の学校で気になる動きがある。最近、中学受験で「適性検査型入試」という思考力を問う選抜方法が増えてきたのだ。

■学校はヒエラルキーができること踏まえクラス編成

今年、首都圏のある私立校では入試問題の課題として、受験生に「アクティブラーニング型」の授業を実施した。受験生を4人1組のグループにわけ、指定のテーマで討議させた後、グループ発表させるという内容だ。

この合否判定は、授業内容の理解度や、発表の論理性だけでなく、「この子はクラスのリーダーになれそう」「この子は協調性がある」というパーソナリティを判断したうえでなされるそうだ。

つまり入試の段階で、学校が「教室内の力学」を配慮しているわけだ。実際にほかの私立中学の教師も、クラス編成時に考慮すべきこととして、以下の5点をあげた。

1:各クラス内の生徒の成績がなるべく均一になるようにする
2:リーダー役(統率力がある人気者)になれそうな生徒を均等に配置する
3:配慮が必要な生徒が偏らないようにする
4:ピアノが弾ける生徒(合唱祭の伴奏者)を均等に配置する
5:過剰に仲良し、または不仲な生徒はクラスを分ける

このように学校側が生徒の「序列」を配慮して、クラス編成を行っていることが読み取れるが、教師側の思惑通りに進まないことも多いそうだ。

ある教師は「リーダーがいないとクラスの核を作れず、クラス運営に支障が出るから、事前にこういう調整を行っている」と教えてくれた。

■現役女子高生が教える「最下位層におちないための新入生対策」

こうしたスクールカーストは以前からあったが、現代の子どもたちはSNS抜きには生活できないので問題が深刻化している。同じ学校の生徒同士が24時間つながるため、逃げ場がなくなってしまうのだ。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/ferrantraite)

ある私立女子高の2年生は、「最下位層におちないための新入生対策」として、こう答えてくれた。

「『#春から○○高校新入生』などとTwitterでつぶやいている同じ学校の人を検索して、とりあえずフォローしておく」
「教室内LINEグループが作られることがあるので、入りやすいようにあらかじめTwitterでフォローしておくなど、タイミングをみておく」
「趣味の話をする時には『オタクぶり』を出しても大丈夫なのか、周りをうかがう。はじめから“自分”を前面に出すことはNG」
「高校生に人気のアーティストやユーチューバー、ドラマはチェックしておき、みんなの話に付いて行けるようにしておく」

取材をしていると、今の中高生は「カースト上位にいたい」というよりは「中位がむしろ気楽」「一番下だけは絶対に避けたい」という願望を持っている子が多いように感じる。

■わが子が教室内カーストの底辺の層となった親がすべきこと4つ

カーストが決定する4月は、中高生の子どもを持つ親にとっても気が気でない時期であるに違いない。もし、わが子が教室カーストで悩んだら、親は何ができるだろうか。

大前提として、親はこういうことを理解しておきたい。

思春期の子どもたちは「親には学校での自分の問題点は知られたくない。ましてや、自分がカースト下位のレッテルを貼られていることは絶対に知られたくない」という気持ちでいるということだ。

子どもが学校生活になじめず、交友関係に悩みを抱えている場合、口数が減る、逆に過剰に「自分は人気者だ」というふうに親にアピールする、食欲がなくなる、朝起きられない、提出物を出さない、成績が急降下、やたらと反抗するなどという症状が現れることがある。

異変に気付いた親が子どもを詰問するケースがあるが、余計にこじれるだけなので、ここは親に忍耐力が求められる。

子どもがカースト下位の位置付けにされ心身に不調をきたした場合、筆者は親に次のような「食卓でのサポート」をお勧めしている。

1:詰問はせず、余計なことは口にせず、いつもどおりに食事を出す
2:肉好きなら肉を、スイーツ好きにはスイーツを
3:家族で15分間の「お茶の時間」をつくる。この時、誰かと比べることはご法度。学校と勉強と将来の抱負系の話も一切しない(15分たったら、解放してあげること)。
4:「お茶の時間」にはたわいのない話をする(例えば「猫の集会を目撃した!」「コンビニで新商品発見!」)。

弱っている心を“養生”するのは家庭の役割だ。「安全安心なパワーチャージ基地」としての役割をしっかりと果たしたい。

■カースト下位に苦しむ親子が「やってよかったこと」6つ

そして、これを日常のルーティンにしながら、「親の覚悟」を小出しにするといい。覚悟を伝える際は、子どもと向かい合わせではなく横並びに座る、また、立って伝えるなら、台所とリビングくらいの距離感を保ち、視線が合わせないほうがうまくいく。

筆者が、カースト下位の位置付けで苦しむ親子を見てきた中で、超然とした親の姿勢・覚悟が功を奏したケースをいくつかご紹介しよう。

1:人間は環境を選べる生き物。死ぬほど嫌なら、そこに身を置くことで貴重な人生の時間を費やすことはない。つまり「置かれた場所」で咲けそうもないなら「花が咲きそうな場所に移動もOK!」さらには「咲かなくても、人生OK!」と言い切る覚悟
2:友達はいても良いけど、いなくても大丈夫。友達100人いるとかえってつらいこともあるということを親が自身の経験から語る覚悟
3:大人になるって楽しい、「なぜなら衣食住、誰と付き合うか、誰と付き合わないかも含めて、すべてを自分で決められるから」と言える覚悟
4:決断は親ではなく子どもがするものと腹をくくる覚悟
5:「(教室内カーストに)迎合することがつらいなら、むしろNO! と言え」と子供に伝える覚悟

■家が「安全安心なパワーチャージ基地」なら子どもは這い上がる

そして、一番、大事なポイントがこれだ。

6:呪いの言葉を吐かない覚悟

親は教室内で虐げられているわが子を心配するあまり、あるいは、わが子がそんなポジションに甘んじていることをふがいなく思い、つい、「アンタは成績が悪い、性格が暗い、だから嫌われるんだよ」とか「オマエはロクな人生は送れないね」といった発言をしてしまうことがある。これを一切止めるという覚悟が必要なのだ。

なぜなら、親の吐く、こうした「呪い」の言葉は、子どもの心に突き刺さり、「自分はそういう人間なんだ」となってしまうことがあるからだ。呪いが現実化してしまうのである。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/ferrantraite)

子がスクールカーストに悩んでいるとき、親が完全に助け出すことは不可能だ。

しかし、少しだけ楽にしてあげることは可能である。まずは親が、現在の思春期は、かつてよりも深刻になっていることを理解し、上記のような対応を試みてほしい。

家庭という「安全安心なパワーチャージ基地」で力をためれば、どんな子でも這い上がることはできると筆者は信じている。親のやれることは少ない。しかし、やはり親は子にとっての「命綱」であることは間違いないのだ。

(エッセイスト、教育・子育てアドバイザー、受験カウンセラー、介護アドバイザー 鳥居 りんこ 写真=iStock.com)

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