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「灘、開成、筑駒」を制した子の親の呪文

プレジデントオンライン / 2019年4月10日 9時15分

※写真はイメージです(写真=iStock.com/taka4332)

中学受験の最難関、灘、開成、筑駒の3校にすべて合格した子がいる。その子の母親は「自らに机に向かうタイプではありませんでしたが、『勉強を1日も休まない』と決めて、ある言葉を呪文のように言い続けました」という。それはどんな言葉だったのか――。

※本稿は、プレジデント社の家庭教育誌『プレジデントFamily』の公式メールマガジン《プレジデントFamily 中学受験部》の一部を再編集したものです。

■灘、開成、筑駒「同時合格」した子の親の家庭教育とは?

一昨年の1月に灘に合格、翌2月に開成と筑波大学附属駒場(筑駒)に合格。

難関中の難関、日本のトップ中学3校にすべて合格するという奇跡の“グランドスラム”を達成した都内在住のIくん(現中学2年、13歳)。Iくんの母親(43歳)は「実は本当に机に向かうのが嫌いな子でした……」と息子の小学生低学年の頃を振り返る。小学1年から大手進学塾の早稲田アカデミーに通わせたものの、毎日たった10分で終わるような塾の宿題を「やりたくない」と泣いて嫌がるなど、かなり手を焼いたそうだ。

自ら勉強するタイプでない子の能力を見事に開花させた家庭の秘密とは何だろうか。

自身も読書家のIくんの母親は「子供を日本一の読書家に育てれば、日本一の学力がつくはず」と、息子に読書習慣ができるように働きかけたという。それも、Iくんがまだ言葉も何も理解できない0歳の頃から、一日10冊もの読み聞かせを行ってきたのだ。

「わが家のお出かけ先は図書館ばっかり(笑)。しょっちゅう通って、1回に20冊とか借りていました。私、いかにお金をかけずに最高の教育を子供に与えるかを、ずっと研究しているんです。節約することをゲームみたいに楽しんでいます。そんな私にとって中古本チェーンの『ブックオフ』は宝の山。今は手に入らない本や受験の参考書も数百円で売られていたりしますから」

■『子供の科学』や分冊百科『そーなんだ!』も愛読

親の働きかけが功を奏してIくんは本好きになった。圧倒的な読書量のおかげで、中学受験でも国語の成績はまったく心配なかったという。さらに両親は、自分たちは理科が苦手で教えられないから、と小さい頃から理科の本を意識してたくさん与えた。

「塾でオススメされた『子供の科学』という雑誌も1年生から読んでいました。それとは別に購入したデアゴスティーニ社の分冊百科『そーなんだ!』シリーズも大変重宝しました」

結果的に中学受験期にはIくんは理科が一番の得意科目となったそうだ。

「読書は人生のありとあらゆる分野に役立つ魔法なので、ぜひお子さんに読書習慣を身につけてあげてほしいですね。うちの子はもともと、自分で机に向かう子ではありませんでした。だから3年生までは隣について勉強を見ていたのですが、4年生からは一人でやるようになり、なんと自分で勉強のスケジュールまで立てるようになったんです。それも、読書習慣が定着したからだと思います」

※写真はイメージです(写真=iStock.com/Milatas)

■息子に母親がかけ続けた「魔法の呪文」

そんなIくん一家は、親の声かけも独特だ。あえて「開成に入れるよね」と“プレッシャー”をかけていたというのだ。

「普通は、子供にプレッシャーをかけるのはダメって言われますよね。でも私は子供の『エフィカシー』を高めるためにプレッシャーをかけるのはOKだと思っているんです」

エフィカシーとは、自己効力感などと訳されるが、自分の能力を自分でどう評価しているか、ということ。

「子供のエフィカシーを最大限に上げておくことが大切だと思うのです。だって、自分に十分な能力があると信じていれば、高い目標にも躊躇なくチャレンジできますよね」

結果的に見事トップ中学に合格した今、両親はIくんに「東大に入るのは最低ラインだよね」と言っているそうだ。もしかして合格できるかも、ではなく、「合格するのは確定!」という前提で子供に声かけをして、自分はできると信じさせてやるのだ。

「もちろん、そのために勉強することは必要です。ただ『自分はできる』という気持ちがベースになければ、何事も成功しないと思うんです」

■旅行中も帰省時も、1日10分でいいから勉強をする

もうひとつ、一家には、Iくんが小学校に入ってから6年間ずっと守らせた鉄のルールがあるという。それは「勉強を1日も休まない」というものだ。

「お正月や祖父母の家に遊びに行った日はもちろん、旅行中でも勉強は休ませませんでした。とはいえ何時間も勉強しろ、と言っていたわけじゃないんです。1日10分でいいので、とにかく毎日、継続して勉強をさせていました。継続は力なりって言いますよね。まだ今は理解できないかもしれないけれど、継続するということの重さを、いつかわかる日がくると思うんです」

とはいえ、そううまくはいかない。自分からすすんで勉強する小学生はかなりレアであり、それはトップ校にすべて受かったIくんも例外ではなかった。そのため、子供に粘り強く訴えかけたそうだ。

「毎日勉強させる、と決めた以上は、私も1日も休まず『勉強しなさい!』って言い続けました(笑)。いや、言わないでも自分でやるなら私だって言いたくないんです。でも、何しろ本当に机に向かうのが嫌いな子で……」

「勉強しなさい」と言っても、すぐに勉強に取りかかることはなかったそうだ。だから勉強するまで何度でも言う。朝言ってダメなら昼。昼言ってダメなら夕方。夕方言ってダメなら夜。

「もう根比べみたいなもんですよ(笑)。何度も子供に同じことを言うときって、2つコツがあるんです。1つ目は同じ言い方をしないこと、そして2つ目はユーモアを交えて面白くすることです。子供って、毎回同じ言い回しだと、すぐに飽きて聞いてくれなくなるんです。あと子供は面白いことが大好きなので、伝えたいことは楽しく伝える方が効果的です。だから、単純に『勉強しなさい!』と言うより、笑顔で『あれ、勉強したくなっちゃった?』と言ったほうが、その気にさせられました。子供によって反応するパターンがあると思うので、いろいろ試してみてください」

※写真はイメージです(写真=iStock.com/Milatas)

■2つの塾に電話して「塾長さんと面談させてほしい」とお願いした

グランドスラムを成し遂げたIくんの噂を聞きつけたから、最近、Iくんの母親に対して、今後中学受験をする家庭や、受験しようか躊躇している家庭の保護者から相談されることが多くなったという。ほとんどが家庭の教育上の悩みや心配事の相談。そんなときは、「悩む時間はなるべく短くしたほうがいい」とアドバイスしているという。

「悩むのは3秒くらい、が理想かな(笑)。悩みを解決しようと思ったら情報が必要です。でも、(特に)女の人って情報がないままに延々と悩んでしまいがちですよね。一人で考え込んだり、ネットやママ友の情報に振り回されたりするくらいなら、情報を積極的に自分から取りに行くのをオススメします」

例えば、かつてIくんの母親も息子を小学校受験させるかどうかで悩んだことがあるという。でも、一人で悶々としていても結論は出ないと思い、行動を開始したそうだ。まず、小学校受験の塾を探して、そのなかで気になった2つの塾に電話して「塾長さんと面談させてほしい」とお願いしたという。

「やっぱり餅は餅屋というか、情報が欲しいなら専門家に聞くのが一番だと思うんですよ。あと、ここも大きなポイントなのですが、面談はあえて“有料”でお願いしたんです。どちらの塾もお金はいらないと言われたんですけど、それでも払わせてくれと言って、支払いました。金額は私が出せる範囲で考えて、確か1時間5000円ぐらいを提示したと思います」

■なぜ、小学校受験するの辞める決断をしたのか?

そこまですると、たいてい、どこも面談してくれる。実際、頼んだ両方の塾からOKが出た。

「お金を払うことで、向こうも営業トーク以上のことを話そうとしてくれますし、何よりこちらが本気になれるんです。せっかくお金を払ったんだからと、しっかり質問内容を考えていくんですよ。自分の時間をモノにしようと思うなら、お金はケチらないほうがいいと思います」

結局2人から話を聞いて、小学校受験はやめた。まず塾代からして費用が予算オーバーだったことと、国立小学校の受験では試験のほかに抽選で結果が左右される場合があることがどうしても納得できなかったからだという。

「でも、自分で話を聞いて情報を集めたから、決めることができました。あれだけ悩んでいたのが嘘みたいにスーッとして、ああ、やっぱり早めに行動して良かったって思いました。今、中学受験や子育てなどで悩んでいるとしたら、やっぱり即行動しかないと思います。長くてストレスフルな中学受験生活ですけど、『悩んだら即行動』を鉄則に、親子で力強く進んでいってほしいなと思います」

※本稿は、公式メールマガジン《プレジデントFamily 中学受験部》の一部を再編集したものです。続きはメールマガジンで配信します。これから購読いただいても、本稿で紹介したIくんの母親のエピソード(全4回)をすべてお読みいただけます。

公式メールマガジン《プレジデントFamily 中学受験部》では、「合格ママの知恵」や、「医学部生が教える最強の勉強法」「志望校対策トラの巻」など、中学受験家庭をサポートする情報が満載です。お申し込み月内は無料です。ぜひお試しください。

(プレジデントFamily編集部 写真=iStock.com)

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