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35歳以上のベンチャー転職が得な理由4つ

プレジデントオンライン / 2019年5月3日 6時15分

※写真はイメージです(写真=iStock.com/imtmphoto)

活況が続いている転職市場。以前に比べると35歳以上の人でも転職がしやすくなっているといいますが、スキルアップや職種チェンジも可能なのでしょうか。ベンチャーやスタートアップ企業の採用支援を中心に活躍するキープレイヤーズ代表の高野秀敏さんは「大企業から転職する人には、ベンチャー・スタートアップ企業をおすすめします」といいます――。

■大人の転職は「スペックより中身」で

35歳以上で長年、大企業に勤めているような人の場合、転職には躊躇するはずです。大企業は好条件のところが多く安定しているイメージが強いので、よほどの理由がない限りは環境を大きく変えようとは思わないでしょう。たとえ転職を決意したとしても、やはり同じような規模の企業に的を絞る人が多いのではないでしょうか。

実際に採用支援をしていると、男性よりも女性の方が知名度や安定を重視する傾向が高いように感じます。確かに名前の知れた会社や業界最大手の企業に魅かれる気持ちはわかります。でも中には、携われる仕事内容や企業の業績、自分の将来性などといったことよりも、「あの会社は○○○ビルの中にオフィスを構えている」とか、「会社の最寄駅が○○」とか、スペック面に魅かれて転職先を決める人も。日本人って本当にブランド好きな人が多いんだなぁと思います(笑)。

しかし、せっかく転職を望むのであれば、「名を捨てて実を取る」ではありませんが、本質的なことを重視して会社選びをしませんか。スキルアップややりがいを求めて大企業からの転職を希望する人には、私はベンチャー・スタートアップ企業への転職をおすすめします。なぜかというと、ベンチャー・スタートアップ企業は個々のスキルを伸ばしたり、やりがいのある仕事に関われたりするチャンスに恵まれやすいから。大企業は知名度があって安定している一方で、事業や仕事内容が分業化され、個人の成長スピードが緩やかだと言われています。そんな状況に危機感を覚えて転職を考えるなら、ぜひベンチャー・スタートアップ企業を選択肢に加えてみてください。

■ベンチャーとスタートアップの違いは

とはいえ、ベンチャー企業とスタートアップ企業の違いがよくわからないという人もいるのではないでしょうか。どちらもしっかりと定義づけられた言葉ではありませんが、いくつかの小さな違いがあるので紹介します。

ベンチャー企業とは

革新的なアイデアや技術をもとに新しいサービスやビジネスを展開する企業。小規模から中規模であることがほとんどですが、メガベンチャーと呼ばれているような有名企業も多数存在します。

スタートアップ企業とは

ベンチャー企業の中でも新たなビジネスモデルを開発し、市場を開拓する段階にある期待の持てる企業で、一般的に創業から2~3年程度であることが多いです。

■ベンチャー・スタートアップの4つのメリット

では次に、ベンチャー・スタートアップ企業で働くメリットを4つに分けて解説します。

1.大きな権限が与えられる

大企業の場合には、ある程度の役職についていても大きな権限が与えられていることは少なく、決断するにはさらに上の役職に承認を得る必要があります。大きな組織ほど、業務が細分化されていることが多く、決裁者を探すだけでもひと苦労です。

ベンチャー・スタートアップ企業は成果を出すことを重視しているので、早い段階から責任感のある仕事や権限が与えられます。

2.自由度がある

大企業のように社員数が多い組織は、異なる価値観や経験を持つ人の数も増えるため、ルールや仕組みを一つ変えることも難しくなります。

ベンチャー・スタートアップ企業は、社員の考えがトップに伝わりやすいうえに決裁フローもシンプルなので、すぐにルールを作ったり、変えたりすることができます。また組織体制が十分に整っていないことから、社員一人ひとりに担当するプロジェクトの決裁権を与え、それぞれが主体的に動くことを期待している企業も多いです。

3.急速に成長できる

大企業には多くの研修制度があったり、OJT制度があったりと、充実した育成システムが整っています。そういった育成システムを利用することにより、全社員がある一定のラインまでは同等のスキルを身に付けることもできるでしょう。

ベンチャー企業では、育成システムがきちんと整備されているところは多くないはずです。ほとんどの企業は人数が少なく、一人ひとりに求める仕事量も多くならざるを得ません。それに伴って個人の責任範囲も大きくなるので、必然的に成長のスピードは早くなります。意欲さえあれば劇的な成長を遂げられる環境だと言えます。

4.評価されやすい

大企業では評価制度が画一化されていて、昇進にはどうしても時間がかかります。中には未だに年功序列の企業も存在していて、どんなに結果を出しても年齢に応じた評価しかしてもらえないケースもあります。

ベンチャー企業は評価制度が画一化していないため、仕事の成果次第ではスピード出世することも可能です。会社の規模が大きくなればなるほど必要なポストも増えるので、昇進のチャンスも多く巡ってきます。

■職種転換が狙える業界は?

もちろん、ベンチャー・スタートアップ企業は先述したメリットだけでなく、デメリットも併せ持っています。「先行きが不安」「なんとなく……」などという理由で特に大手企業出身の女性には敬遠されがちです。しかし、決してすべてが不安定というわけではない。将来性のある企業もたくさんあるので、そういった企業をしっかりと自分の目で見極めることが大事です。見極め方については、また別の機会に詳しく話をしたいと思います。

また、転職を機に職種を変えたいと考える人は、ITや医療業界、ベンチャー・スタートアップ企業が狙い目です。正直な話、35歳以上の転職では即戦力になることが求められるので、未経験職種へのチャレンジはかなりハードルが高いと思います。とはいえ、経済環境の変化に伴い、さまざまな企業が異分野に進出する動きが加速。新しい業界や企業にはプロが少ないため、異分野での経験を持つ人を求める求人も増えています。つまり、職種チェンジができる可能性がまったくないわけではない。人によっては、年収アップも期待できるかもしれません。実際に大企業からベンチャー・スタートアップに転職して、キャリアアップ、年収アップしている女性が多数います。スキル・キャリアの転用の幅は広がっているので、転職の成功はこれまでの経験をいかにうまくアピールできるかにかかっています。

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高野秀敏(たかの・ひでとし)
新卒でインテリジェンスへ入社。その後、2005年にキープレイヤーズを設立し、人材エージェントとして30社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を国内、シリコンバレー、バングラデシュで実行。3000名以上の経営者の相談と、1万名以上の個人のキャリアカウンセリングを行う。マネージャーとして、キャリアコンサルタントチームを運営・教育。人事部採用担当として、数百人の学生、社会人と面談。学校や学生団体での講演回数100回以上。

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(キープレイヤーズ代表取締役 高野 秀敏 構成=福田 彩 写真=iStock.com)

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