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令和、平成、昭和……明治の前の元号は?

プレジデントオンライン / 2019年6月16日 11時15分

作家兼脚本家・放送作家 藤井青銅氏

■元号の背後には、人間臭いエピソードが満載

「いよいよ令和がスタートしますが、これまでは平成でしたよね。その前は昭和、その前が大正、その前が明治。では明治の前の元号って何でしょう?」

こう尋ねるのは『元号って何だ?』の著者、藤井青銅さんだ。実はよほどの歴史好きでもなければ、現代日本人の大多数がこの問いに答えられない。明治まではスラスラ遡れるのに、そこから先がなぜかいきなり闇になるのだ(ちなみに正解は慶応)。

「そもそも元号には謎が多いんです」と藤井さんはいう。

「日本の元号は南北朝時代のダブりも含めると、平成までで247あります。しかし天皇は今上天皇で125代。全然数が合いませんよね」

実は天皇の在位期間と元号を一致させるようになったのは明治以降のこと。それまでは在位中でも、「天変地異や疫病などの災いが続いたから」など、「験直し」の目的で改元することがあった。だから元号の数のほうが多いのだ。

「元号というのはもともと中国から伝わった紀年法(年月の数え方)です。この国に流れる時間と、その年月下に生きている民衆を支配するのは王である、という発想のもと、王の在位期間をよい意味を持つ漢字を当てた呼び名で呼ぶことにしたわけです」

藤井青銅『元号って何だ? 今日から話せる247回の改元舞台裏』(小学館)

といっても元号を使っていたのは、今でいう官僚だけ。庶民は、はじめのころ元号の存在すら知らなかった。そのせいか、元号は時の権力者へのご機嫌とりに使われることもあった。たとえば「○○の地でめでたい徴(しるし)が出現した。これは天皇の徳が高く、治世がうまくいっている証拠である」として改元の理由とする。これを「祥瑞(しょうずい)改元」というが、過去には「珍しくめでたい様子の亀がみつかった」という理由で改元されたことが6回もあるという。藤井さんはこれを“亀改元”と呼んでいる。

「白い亀がみつかった」といっては改元し、「甲羅に北斗七星がある亀がみつかった」といって改元する。これくらいならまだいいが、「甲羅に“天王貴平知百年”という文字がある亀がみつかった」という理由で改元したことも。「それ、絶対に人間が書いたよね」とツッコミたくなる。

ほかにも「美しく、めでたい感じの雲が現れたから改元した」という“メルヘン改元”や、「“明和九年”は“迷惑年”に通じる」などの理由で改元した“イチャモン改元”の例もある。

「元号は難しいものというイメージがありますが、背後には人間臭いエピソードが満載。すごく面白いんです」

という藤井さん。今回の改元を機に、元号について学んでみてはどうだろうか。

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藤井青銅
作家兼脚本家・放送作家
腹話術師いっこく堂のデビューもプロデュースした。著書に『一日で一気に学ぶ超日本史』などがある

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(ライター&エディター 長山 清子 撮影=尾関裕士)

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