薬をやめても寿命はほとんど変わらない

プレジデントオンライン / 2019年6月4日 9時15分

医療費上昇
高血圧、糖尿病、認知症……“症状別”薬代を減らす法

■基準値は医師の都合で変わる面も

医師に言われるがままに、たくさん薬を飲み続けていませんか?

ムダな薬代で家計を圧迫していないか、検討することは大切です。

たとえば血圧の上昇を抑える薬である降圧剤。

私は心臓の手術を2回受けていますから、テノーミン、ブロプレスなどを飲んでいますが、そうでない人が降圧剤を何種類も飲み続けるのは疑問です。

2019年4月25日発刊の『高血圧治療ガイドライン2019』で、血圧の治療目標値が「140/90」から「130/80」に引き下げられます。これにより「血圧が高い」と自覚する人が増えてくると思いますが、私に言わせてみれば、この数値は絞りすぎ。

私が学生のとき、昭和47年ごろの内科診断学では、基準値は「年齢+90」と習いました。

基準値は医師の都合で下げている側面もあるでしょう。なぜなら、薬がバカ売れするからです。

そもそも降圧剤を飲む目的は、血圧を下げるためではなく、高血圧が原因で起こる脳卒中などの疾患を防ぐためのもの。

年をとるにしたがって、自然と脳卒中のリスクは増していきます。脳卒中で死亡する前に、別の疾患で亡くなるかもしれません。

ですから高齢になっても降圧剤を飲み続ける必要があるかは疑問です。

医者から薬を何種類も飲まされている人もいますが、私に言わせれば、それらの薬を全部やめたとしても、寿命は変わらないとも思っています。

年をとったら、体に不具合が出るのは自然なことです。

血管は硬くなるし、心臓の働きや血圧の調整に関係する自律神経の働きも鈍くなってしまう。85歳を過ぎると、40代と比べて筋力が62%しかないんです。だから、トイレに行くにも転倒する。これはしょうがない。

現在は、アリセプトやメマリーに代表される認知症の薬も出ています。バカ売れしているのが現実ですが、飲まなくても大丈夫でしょう。

これらは認知症の進行を抑制するもの。脳の萎縮自体を止めることはできません。そのような薬が開発されたらノーベル賞ものです。

こうした認知症薬には興奮しやすいという側面があります。そのため、抗精神薬や抗不安薬なども処方され、さらに薬代がかさむという事態に陥るかもしれません。

続いて、糖尿病の薬にも改善の余地があるでしょう。

私も糖尿病を指摘され、以来、血糖を下げる薬を飲んでいます。たとえば、グリベンクラミドに代表されるSU剤。

これらには低血糖を起こしやすいという副作用がある。私も低血糖を3回起こして、だいぶきつかったなという印象があります。

■生活習慣を見直すことを優先するべき

血糖値の改善は薬だけに頼ってはいけません。生活習慣を見直すことを優先するべきでしょう。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/laymul)

医療費の上昇を抑えるためにも、薬をやめる勇気を持ちましょう。もちろん、自己判断で薬をやめるのは危険です。

医師と相談できる知識を持つことが大切。副作用を中心に医師に相談してみるのがいいでしょう。

患者さんは、「お医者さんが出す薬を飲んでいたら、大丈夫」と思っている節がある。

しかし、いくら医療をやったって、お迎えが来たら終わり。それを受け入れることも大切だと思いますね。

令和元年のポイント:薬を全部やめたとしても寿命はほとんど変わらない

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富家 孝
東京慈恵会医科大卒。開業医、病院経営、早稲田大講師、日本女子体育大助教授などを経て、医療コンサルタントに。新日本プロレス・リングドクター。著書に『不要なクスリ 無用な手術』など多数。
 

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(医師、ジャーナリスト 富家 孝 構成=プレジデント編集部 撮影=大杉和広 写真=iStock.com)

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