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汗をかきにくいとなぜ不調になるのか

プレジデントオンライン / 2019年6月6日 11時15分

※写真はイメージです(写真=iStock.com/itakayuki)

いよいよ梅雨の季節。シトシト降り続く雨に気分がめいってしまうことも。そんな芒種(ぼうしゅ)の季節に起こりがちな心身のトラブルと対処法を知り、スッキリ乗り切りましょう。

雨の季節到来! 水分管理で肌トラブルを回避しよう

6月6日~6月21日は芒種です。芒種は、稲や麦など穂の出る植物の種をまく時期と言われています。元々は、稲の穂先にある針のような突起を芒(のぎ)ということから芒種と呼ばれるようになりました。季節としては、シトシトと雨が降り、梅雨がはじまります。

この時期は気温が高い割にジメジメとしているため汗をかきにくく、水分代謝がうまくいかないことで肌トラブルに発展しやすいのが特徴。そのため、水分管理やスキンケアが重要となります。

芒種の季節のはじまりの初候は、カマキリが生まれる時期で、田畑でよくカマキリを見つけます。また、ラッキョウや、海ではアイナメが旬を迎え、苗代苺(ナワシロイチゴ)の赤く甘い実が熟してきます。

季節が進む次候では、ホタルが明かりをともして飛び交う幻想的な風景が見られ、トマトやスルメイカが旬を迎えます。終わりである末候には、梅の実が熟して色づき、スズキが旬を迎え、野山をはじめとするいたるところでツル性植物のスイカズラが勢いを増してきます。シトシトと降る雨の恵みに、梅雨のはじまりを感じる時期です。

■スタートに最適時。でも自律神経が乱れ、迷いや不安も……

芒種は、汗をかきにくいので、水分代謝がうまくいかずに肌のトラブルを起こしやすくなります。また、汗をかかないと毛穴が閉じてしまうので、熱が体内にこもり、内臓の炎症などを引き起こし、機能低下を招きやすい時期でもあります。そのため、風邪を引いたり、口内炎を起こしたりと肺や消化器のトラブルも起こりやすいでしょう。発汗は自律神経の作用です。汗をかかないと、自律神経のバランスが悪くなり、さまざまな不調が現れます。そのため、自律神経を整え、鍛えることが必要です。

芒種は、麦や稲など穂の出る植物を植えるのに最適な時期。実りをもたらす植物同様、この時期は将来のためにいろいろなことをはじめるのに適していると言えるでしょう。今までやろうと思っていたことをぜひ実行してみてください。しかし、何をはじめるのか迷ったり、本当にこれでいいのか不安に思ったりしやすいのも事実。むやみに種をまいても、将来、実になるのかはわかりません。

また、迷いや不安が募ると不整脈を起こしやすくなったり、血圧が高くなったりと、心臓にも負担がかかります。もし、何かをはじめるときに迷ったり、不安に思ったりするときは、周りの人の意見をよく聞くことが大切です。人の意見をしっかり聞き、冷静に判断しましょう。

■交代浴やキュウリで熱を逃がして、根本から改善を

「カラダとココロの養生法」

この時期に大切なことは、自律神経を整え、安定させること。発汗も体温調節もすべて自律神経の作用です。特に寒い時期は自律神経を調整する機会が少なかったため、調整能力が落ちています。汗をかかない、肌のトラブルがある、内臓の調子が悪いなどの症状がある場合には、自律神経を鍛えましょう。

自律神経を鍛えるためには、「交代浴」がお勧めです。交代浴は、まず①ぬるめのお湯に8~10分ほど浸かり、カラダを温めた後、②冷水シャワーを首や肩、背中や腰に当てます。その後、③5分ほどお風呂に入る動作を基本とし、②~③を5回程繰り返したのち、最後は①でカラダを温めます。サウナでもこの繰り返しの動作は、同じ効果が得られます。発汗を繰り返すことで、自律神経を整えることができるのでぜひ行ってみましょう。

①ぬるめのお湯に8~10分浸かる→②冷水シャワーを首・肩・腰に当てる→③ぬるめのお湯に5分浸かる ※②~③を繰り返し、最後に①で温める
「食養生」

この季節はカラダの熱を取ってくれるキュウリなどを食べるといいでしょう。キュウリはウリ科の植物で、カラダを冷やす作用に加え、利尿作用があります。そのため、体内にこもった熱を冷やし、貯まった水分を排出するのに最適な食材です。また、キュウリは食べるだけでなく、輪切りにしてパックなどに用いることで、肌のほてりや炎症を収めてくれる作用があります。キュウリを利用し、内と外からカラダを整えていきましょう。

なお、ラッキョウもこの時期に旬を迎えますが、ラッキョウは「辛み」に分類され、気血の巡りを良くしてくれる食材です。冷え性の方や気分がめいりやすい方、さらには夏風邪を引きそうなときには、食事にラッキョウを取り入れてみてください。

「お勧めのツボ」

芒種を乗りきるためのお勧めのツボに、少海(しょうかい)があります。少海はヒジの内側にあるツボで、自律神経を整えてくれる作用があります。ストレスに伴う交感神経症状である、手の冷えや耳鳴り、めまいなどに効果的なツボです。また、頭痛や歯痛、胸の痛みなどにも使えます。少海の場所は、ヒジを曲げた際に内側にシワが寄っている部分で、小指側にある骨の突端のやや内側にあります。

イタ気持ちいい程度に、5秒圧迫し3秒離す刺激を、左右10回程度行います。自律神経の調整に、1日3回定期的な刺激を行ってみましょう。

■血流を高め、自律神経を鍛えよう!

「タイプ別・肌トラブルの原因」

この時期は汗をかきにくいのが特徴。発汗は自律神経の作用であり、汗をかくことで体温調節をしていますが、冬や春はあまり汗をかかないため、まだこの調整機能がうまく働いていません。梅雨時期とも重なり、カラダの温度・湿度管理が難しいことから、炎症やニキビなどの肌のトラブルを起こしやすくなります。

特に、一生懸命頑張りすぎている頑張り屋さんタイプの人は、自律神経の中でも交感神経が亢進した状態。交感神経は血管を収縮させる作用があることから、汗をかいている所が、冷たく、肌の色が白く青ざめた状態になります。

生活リズムが乱れることによっておこる生活習慣タイプの人は、辛いものを食べ過ぎたり、水分を取り過ぎたりと、体内に熱や水分が貯まって状態で、むくみやすくなっています。

年齢による加齢タイプの人は、自律神経の機能が弱まり、汗をかきたくても汗をかけない状態に。まずは自律神経を鍛える必要があります。

なお、自分の身体のタイプに関しては、身体の状態を入れるだけで簡単にわかる(無料アプリYOMOGI)を利用すると便利です。

「タイプ別・肌トラブル対処法」

頑張り屋さんタイプの人は、体内に熱がこもっていても、皮膚が青白く、冷えている可能性があります。そのため、お灸を利用して自律神経を調整しましょう。特に三陰交(さんいんこう)と呼ばれる内くるぶしから指4本分ほど上にあるツボは、骨盤内臓器である腸や子宮・卵巣の機能を高めてくれます。お灸は、ケアをしたツボの周囲はもちろん、内臓の血流も高める作用があります。寝る前に2〜3個ほど使ってみるといいでしょう。

生活習慣タイプの人は、食生活の乱れを改善しなければなりません。辛いものは胃酸分泌を過剰にさせる作用があります。そのため、辛いものを食べると、過剰な胃酸を抑えるよう、水分をたくさん摂取したり、食べ物を過剰に食べたりします。辛い物や塩辛いものなどの量を極力減らすように心がけましょう。

最後に加齢タイプの人は自律神経を鍛えることが大切。お風呂やサウナなどを利用した「交代浴」がお勧めです。交代浴には自律神経を鍛える効果があるだけなく、心臓を鍛え、発汗を促すことで皮脂腺や汗腺を清潔にする作用があります。お湯と冷水を交互に浴び、初めは2~3回程度の短い繰り返しから始め、徐々に増やしていきましょう。

芒種は、何かをはじめるのに最適な時期ですが、しっかりとした土地に種をまかないと、強い根は張れません。その意味で、肌の状態は、土地表面の状態と考えてください。自分の肌を見て、荒れているようであれば、その奥にある筋肉や内臓が弱っているかもしれません。

皮膚の状態から自分の状態を把握し、しっかりと整えましょう。

「芒種の特徴」

●心身の症状
カラダ:肌トラブル、肺や消化器のトラブル
ココロ:迷い、不安

●季節に多い症状
肩こり、冷え

●心身の養生法
汗をかく、お風呂(サウナ)に入る

●食養生に効く食材
キュウリ、ラッキョウ

●ツボ
小海(しょうかい)

(明治国際医療大学大学院/養生学寄付講座教授 伊藤 和憲 写真=iStock.com)

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