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"走ったら人生観変わった"これだけの理由

プレジデントオンライン / 2019年7月21日 11時15分

ランニングは、目標タイムの設定など前向きに取り組める要素も多い。(PIXTA=写真)

■皆さん、走って人生観を変えてみませんか?

私が中学生や高校生の頃、アメリカの雑誌「リーダーズ・ダイジェスト」が日本でも翻訳出版されていた。私は熱心な読者だった。最初は日本語版で、やがて英語版、大学生のときは背伸びしてドイツ語版まで購読していた(その頃は、将来ドイツに留学しようかとまで思っていたのだ)。

ある号に、走ることの大切さを論じたエッセーが載っていた。その方は経営者で、いろいろトラブルとかもあったのだけれども、毎朝1時間走るようになったら、人生観が変わったのだという。

何事も粘り強く、継続してできるようになって、結果として人生がうまくいくようになって、経営も好転した。そんなことが書いてあったように思う。

運動の大切さというのは、誰もが気にすることだと思うし、さまざまなエビデンスも、定期的に運動することの大切さを示している。

しかし、その記事が一味違ったのは、運動することの意味について語る「角度」というか、全体の「パッケージ」のようなものだった。

何よりも、毎朝1時間走ることで、「人生観が変わった」、その結果、「いろいろなことがうまくいくようになった」という記述が、当時の私の心に響いたのである。

アメリカはいろいろな問題がある国ではあるが、同時に強い国でもある。グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンのような企業が生まれるし、スペースXのように民間で宇宙開発を主導する流れもある。

そんなアメリカの強さの秘密が、かつて米国で一番の発行部数を誇り、今でも、所得の高い世帯で読まれ続けているという「リーダーズ・ダイジェスト」に現れていて、若い私の心を打ったのだと思う。

最近、日本でも、ビジネスパーソンや経営者で運動する方が増えてきている。マラソンだけでなく、トライアスロンやトレイルランに挑戦される方々もいらっしゃる。

そのような方々とお話ししていると、やはり、走ること、運動することで「人生観」が変わっていらっしゃるのだろうと思う。そして、走ることが、単に健康に良いだけでなく、自分の人生を好転させたり、ビジネスをうまくいかせたりすることにつながっているのだろうと思う。

問題は、そのような、走ることと人生観のつながりをどのように表現するか、どんな言葉で伝え合うか、というところにあるような気がする。

「走るのがお好きなんですね」というだけでは足りない。その人の生き方からにじみ出てくるもの、日々の生活の中でわき出してくるようなことを、どう表現し、伝えるか。これはビジネスにおけるコミュニケーション能力にもつながりそうだ。

■人生観が変わりつつあるような気がする

私自身、今は時間さえ許せば一日10キロ、約1時間は走るようになっている。そのことで、確かに人生観が変わりつつあるような気がする。

そんな中、遠い昔に読んだ記事がふとよみがえって、もちろんその詳細は忘れてしまっているのだけれども、あの記事にあった叡智はなんだったのだろうと、その感触を振り返っている。

マーケティングにおいて、なかなか言語化できない消費者心理の核心を「インサイト」と呼ぶけれども、走ることと人生観のつながりを見抜くことは1つの「インサイト」なのだと思う。

読者の皆さんも、走って人生観を変えてみませんか?

(脳科学者 茂木 健一郎 写真=PIXTA)

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