骨盤のゆがみがもたらす思いがけない病気

プレジデントオンライン / 2019年6月20日 6時15分

※写真はイメージです(写真=iStock.com/fizkes)

夏至は、夏が本格化し、心身の疲れもたまりがちに。だからこそ、溜め込んだものをスッキリ落とすことが大切。夏至の時期にケアしたいココロとカラダの養生法を知りましょう。

■夏至には、断捨離やデトックスを行うのに適している

6月22日~7月6日は夏至(げし)です。

夏至は、1年でもっとも日が長く、夜が短くなる時期です。夏が盛りを迎え、暑さが日に日に増していきます。また半夏(からすびしゃく)が生えはじめる時期であり、夏至から11日目を半夏生(はんげしょう)といい、この日までに田植えを終えるほうが良いといわれています。

一方、四季のバイオリズムでは、陽気がもっとも盛んであり、すべてが満ち溢れる時期であることから、いろいろなものが過剰になるため、ココロやカラダのいらないものを捨てる「断捨離」「デトックス」を行うのに適しています。

季節のはじまりの初候は、アユや夏ミカンが旬を迎え、野山にはうつぼ草などの薬草をたくさん見かけるようになります。そして、季節が進む次候では、ミョウガや魚のカンパチが旬を迎え、アヤメの紫の美しい花が咲き乱れます。アヤメの花は、本格的な梅雨を知らせるサインとして有名な花です。

終わりである末候には、オクラやハモが旬を迎え、半夏が生えはじめます。半夏は田植えを終わらす時期のサインともいわれ、農事の節目であることから、農業の労をねぎらい疲れをいやすという目的で、半夏生に香川ではうどん、関西ではタコをたべる風習があります。

■腰痛、肩こり、便秘……骨盤のゆるみが原因かも

夏至は、カラダが活発になり、骨盤がもっともゆるみます。骨盤がゆるむと腰痛などの症状が出てくると同時に、姿勢全体に影響して肩こりや頭痛も引き起こします。また、骨盤内部の臓器にも影響を及ぼし、便秘や生理痛などの症状が生じます。そのため、骨盤周りの筋肉をほぐすことで余分な緊張を取り除き、足りない筋肉を鍛え、骨盤を正常な位置に戻すことが大切です。

夏の盛りの夏至は、すべてが満ち溢れています。しかし、何かを得るには何かを整理する必要があることも事実。あまりに多くのことをはじめたり、持ちすぎてしまうと、心身の疲れが生じます。さらに進むと、よく夢を見たり、眠れなかったりなど睡眠のトラブルも多発します。そのため、この時期は必要なものと必要でないものを整理し、ココロもカラダも断捨離をするといいでしょう。

ココロの断捨離には、瞑想をはじめとしたマインドフルネスがお勧め。ほかに集中しているときは、雑念は少なく、ココロの状態は安定しています。呼吸やカラダがゆるむ感覚などに意識を集中し、余計な雑念を取るようにココロをトレーニングしましょう。

■骨盤を正常な位置に戻すストレッチ法を覚えよう

「カラダとココロの養生法」

この時期は、骨盤がゆるみやすいため、骨盤を正常な位置に戻し、カラダを整えることが大切です。

骨盤はカラダの中心となる部分であり、その上には脊椎(背骨)があることから、骨盤の傾きにより腰や首に負担がかかり、腰痛や肩こりの原因となります。また、骨盤内には腸や子宮・卵巣、さらには膀胱などがあるため、骨盤の状態は骨盤内臓器にも大きく影響してきます。そのため、この時期に骨盤を調整しないと、先々あらゆる症状を引き起こす可能性があります。

そこで、骨盤を支えている骨盤周囲の筋肉をゆるめましょう。骨盤がゆがんでいるかどうかを簡単に見分けるには、目をつぶった状態で、その場で足踏みを50回し、どのくらい移動したかを確認するのが良いでしょう。もし、足踏み前の位置から1〜2歩以上移動している場合は、移動した側の筋肉が硬くなっているので、ストレッチなどでその筋肉をゆるめることが大切。前に進んだ場合は、腸腰筋(ちょうようきん)や大腿四頭筋、後ろに進んだ場合はハムストリングスや大殿筋、横に進んだ場合は腰方形筋(ようほうけいきん)のストレッチがそれぞれ必要です。

【目隠し足踏み】目をつぶった状態でその場で50秒ほど足踏みする。目を開け、その場から1〜2歩以内に入る場合は正常。それ以上ズレている場合は、動いたほうの側の筋肉が硬くなっていると考えられる。
「食養生」

この季節は心身を整え、水分代謝を良くして利尿作用のある小豆(アズキ)を食べると良いでしょう。小豆は、ストレス解消にも効果があるうえ、散血作用があるため、血液の滞りを解消するとともに、解毒、抗酸化作用もあることからデトックス食材といえます。

また、この時期の水分補給にはお茶が効果的。お茶の種類によって効果は異なりますが、脂肪の分解にはウーロン茶、デトックスには抗酸化作用のある日本茶などがお勧めです。

「お勧めのツボ」

夏至を乗りきるためのツボは、安眠(あんみん)です。安眠は後頭部にあるツボで、耳鳴りや肩こりなどの軽減にも用います。睡眠には副交感神経が優位になる必要がありますが、肩こりが強いと、交感神経が亢進しており、眠りやすい状態ではありません。そこで、耳の後ろにある安眠をほぐし、副交感神経が優位な状態をつくりましょう。安眠の場所は、耳の後ろの下に尖っている骨から指一本分下。中指を使って、1回10秒ほどかけながら、イタ気持ちいい程度に圧します。寝る前に左右10回程度行うと良いでしょう。

耳の後ろにある安眠をほぐし、副交感神経が優位な状態をつくりましょう

■全身症状に移行する前に、適切なケア方法を知ろう

「タイプ別・腰痛・肩こりの原因」

骨盤はカラダの中心であることから、骨盤がゆるむとその上にある脊椎に負担をかけ、腰痛や肩こりが生じやすくなります。そのため、骨盤の位置を正常に保つことで、腰や首への負担を少なくなり、内臓が正常に働いてくれるようになります。

特に、一生懸命頑張りすぎでいる頑張り屋さんタイプの人は、骨盤周囲の中でも抗重力筋である腸腰筋、腰方形筋、ハムストリングスなどの筋肉が硬くなりがち。お風呂上がりなどに、これらの筋肉をストレッチして、ゆるめるようにしましょう。

生活リズムの乱れによって不調がおこる生活習慣タイプの人は、睡眠がきちんととれていない可能性があります。睡眠は筋肉の緊張をリセットさせるのに大切です。深い睡眠が得らないと筋肉はゆるまないので、熟睡できる工夫が必要です。

年齢による加齢タイプの人は、筋肉が少なくなることで、カラダが変化しています。大腿四頭筋や腹筋など体幹を支えてくれる筋肉を鍛えるようにしましょう。

なお、自分のタイプに関しては、カラダの状態を入れるだけで簡単にわかる「無料アプリYOMOGI」を利用すると便利です。

「タイプ別・腰痛・肩こりの対処法」

頑張り屋さんタイプの人は、お風呂上がりや寝る前などのリラックスしているときに、ストレッチを心地よい程度に、5〜10秒ほど行うようにしましょう。ストレッチを行う筋肉は腸腰筋・ハムストリングス・腰方形筋であり、1日5〜10回程度行うと良いでしょう。

【腰方形筋ストレッチ】①両手を上げて、伸ばすほうの筋肉を上にして横になる。②脇腹の下にポールやタオルなどを入れ、両手のひらを合わすようにしながら脇を伸ばす。
【ハムストリング(太ものの後ろ)のストレッチ】①伸ばしたい筋肉のほうのかかとをイスや台の上に乗せる。②ヒザを押さえながらカラダを前に倒し、太ものの後ろの筋肉を伸ばす。
【腸腰筋のストレッチ】①横になり、伸ばしたい筋肉と反対側の股関節を曲げる。②ヒザを抱え、反対側の足が上がらないように注意しながら筋肉を伸ばす。

生活習慣タイプの人は、睡眠を改善しましょう。睡眠の質の低下は、全身の筋肉を硬くします。少し熱め(42℃程度)のお風呂にゆっくり浸かり、全身の筋肉をゆるめるとともに、深部体温を上げ、深い眠りを実現しましょう。

加齢タイプの人は筋力の低下が起こっています。普通に歩いても必要な筋肉は鍛えられません。そこで、カラダを支えてくれる重要な体幹筋である、大腿四頭筋や腹筋を鍛えるようにしましょう。お尻を持ち上げる運動を1日10回程度行いましょう。また、右手と左足のように左右対称の手足を真っすぐにした状態で、体幹部を平行に保つハンドニーという運動も効果的です。骨盤周りの筋肉が鍛えられることで、体幹部が安定します。10秒間耐える運動を1回とし、1日10回程度行うようにしましょう。

【ハンドニー】手と足のラインを床と並行にし、お腹付近に力が入っていることを確認。10秒間キープ。左右交互に10回ずつ行う。

夏至は、いろいろと活発に動きはじめる時期。そのため、あれもこれも行いたくなりますが、頑張りすぎると心身に負担が生じます。そして、その負担は、カラダの中心である骨盤に影響し、将来的に全身のさまざまな部位に症状を引き起こします。やるべきことを整理し、ココロとカラダを整えることで、常にリラックスした状態を保つことが大切です。

「夏至の特徴」

●心身の症状
カラダ:骨盤周囲のトラブル
ココロ:夢を見る、眠れなくなる

●季節に多い症状
腰痛、肩こり

●心身の症状
骨盤周囲のストレッチ

●食養生に効く食材
小豆、ウーロン茶

●ツボ
安眠(あんみん)

(明治国際医療大学大学院/養生学寄付講座教授 伊藤 和憲 写真=iStock.com)

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