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夏場に何かと不安になりやすい本当の理由

プレジデントオンライン / 2019年7月4日 11時15分

※写真はイメージです(写真=iStock.com/metamorworks)

梅雨明けから、真夏へと突入。暑さにともない、「小暑」は心身の疲れがピークに達する時期。この時期早めにケアしたいココロとカラダの養生法を教えます。

■カラダが疲れると、感情のコントロールが難しくなる

7月7日~7月22日は小暑(しょうしょ)です。

梅雨が明けて本格的に夏が始まる時期で、このころからようやく夏らしさを実感できるでしょう。ちなみに、小暑から立秋までが暑中見舞いの時期になります。梅雨明けを待って暑中見舞いを出すのがいいでしょう。

一方、身体活動はこの時期にピークを迎え、同様に疲れもピークになります。そのため、全身のだるさが生じるだけでなく、やる気がなくなったりもします。東洋医学では「心身一如」と呼ばれるように、カラダの疲れはココロの疲れに影響します。ココロの疲れは、泣いたり、怒ったりと感情をうまくコントロールできなくなるようなささいなことからはじまり、漠然とした不安や恐怖感が湧き起こるとともに、最後には何をしてもやる気がでない、うつ状態へと変化していきます。

小暑は、梅雨も明け、名実ともに本格的な夏を実感できるようになります。季節のはじまりの初候には七夕があり、浅草寺では「ほうずき市」がはじまります。魚ではコチ、夏野菜では、ゴーヤー、トウガン、ヘチマなどが旬を迎えるようになります。季節が進む次候では、カレイやトウモロコシが旬を迎え、アゲハ蝶をたくさん見かけるようになります。終わりである末候は「土用入り」になるため、土用ウナギや、土用シジミ、土用餅や土用卵など、精のつくものを食べるようになり、モロヘイヤが旬を迎えます。

■顔の状態=脳の状態。毎日、鏡でセルフチェックを!

小暑は、カラダが活発になった結果、疲れがたまる時期。疲れは、カラダのだるさや肩こりのような症状からはじまりますが、この時期は特に、食欲減退や消化不良などの症状として現れてくるため、栄養価が高く、吸収が良い食べ物を積極的に摂取し、疲れを取るようにしましょう。

なお、疲れを自覚する前には、肌のむくみやたるみ、くすみなどが現れてきます。特に顔は、脳の状態を強く反映していると考えられているので、定期的に鏡で顔の状態を見て、セルフ体調診断をしながら筋肉をほぐすようなケアが必要となります。

また、カラダの疲れが進むと感情のコントロールができなくなったり、気分の落ち込みが強くなったり、不安や恐怖が強く現れます。これらの感情は消化機能を低下させ、食欲不振や便秘・下痢の症状に発展します。この時期のココロのトラブルはカラダの疲れによるものなので、カラダを休め、十分な栄養補給をしたうえで、リラックスすることが大切となります。

■フェイシャルケアで顔筋をほぐせば、カラダの不調も解消

「カラダとココロの養生法」

この時期は、心身ともに疲れがたまりやすいため、まずは疲れを取ることが大切。特に顔面部は、脳への影響が大きい部位であることから、心身のケアとしてフェイシャルケアを行うことがお勧めです。

フェイシャルケアの中で特に重要なのは表情筋をリラックスさせること。まずは、お風呂の中などで、「あ・い・う・え・お」の母音を大きく口を開けて発音してみましょう。表情筋は口の周りを中心に存在しており、母音の発音をすることでこれらの筋肉がストレッチされます。お風呂の中や鏡の前など、声を出さなくてもよいので、1つの発音に10秒、それぞれ10回ほどストレッチすることが重要です。

また、美顔ローラーやカッサなどを使い、顔の筋肉をほぐすのもいいでしょう。東洋医学では顔とカラダは関係が深いことが古くから知られており、顔の表情で病気を予想したり、治療したりすることもあります。特に、おでこのあたりは肩、鼻筋から口周りは骨盤、アゴのラインは足の状態と関連が深いと言われています。例えば、おでこにくすみやシワ、むくみなどがある場合は、肩の状態も悪く、冷えやこり、痛みがあることが多いのです。顔をマッサージし、フェイスケアをすると、こりや痛みも軽減します。顔を通じて自分のカラダを知り、美容や健康に役立てましょう。

「食養生」

この季節は土用のウナギに代表されるように、栄養価の高いものを食べて、疲労を回復することが求められています。土用の日には「う」のつく、ウナギ、ウリ、うどん、烏骨鶏(うこっけい)などが良いといわれていますが、どれも消化が良く、栄養価の高いものばかり。また、シジミやアサリなども栄養価が高いので、効果的といえます。

なお、この時期は胃腸不良を訴えやすいため、消化と吸収の不調から、貧血にもなりやすく、クコの実、ナツメ、ヒジキ、ホウレンソウ、レバーなどの補血作用のある食材もお勧めです。

イラスト=三浦さく(イラストAC)
「お勧めのツボ」

小暑を乗りきるためのツボに、顴髎(けんりょう)があります。顴髎はほほ骨の下のくぼみで、むくみや眼精疲労、さらには歯の痛みなどにも効果的です。表情が疲れていたり、顔がむくんでいたりするときは時間を見つけ、気持ちいい程度にこの部位をもんで疲れを取るようにしましょう。なお、このツボを押さえたときに痛みや違和感がある人はかなり疲れがたまっています。自分のカラダのバロメーターとして定期的にこのツボを押すようにしましょう。

イラスト=筒井よしほ(イラストAC)

■タイプに合わせて、顔のストレッチと食養生でケアを

「タイプ別・顔のたるみの原因」

この時期は疲れがたまり、その疲れが顔に表れやすいといわれています。顔は全身を表すバロメーターです。顔がむくんだり、たるんだり、こわばったりしている場合は、疲れがたまっている証拠ですので、早めのケアを行いましょう。

特に、一生懸命頑張りすぎている頑張り屋さんタイプの人は、顔の筋肉がこわばり、表情が硬くなっています。表情筋はストレスに敏感な筋肉であることから、少し無理をしている状態かもしれません。カラダを休めていても、いろいろと考えこんでしまうと脳は働いたままで休んではいません。自分なりのリラックス法を見つけ、ストレス対策を行いましょう。

生活リズムの乱れが原因の生活習慣タイプの人は、カラダの調子を整えるための栄養素である「ビタミン」「タンパク質」「ミネラル」「脂質」をバランスよく食べる必要があります。また、疲労を回復させる「クエン酸」や「リコピン」なども効果的。食事の改善を通じて、疲労を回復させましょう。

年齢による加齢タイプの人は、表情筋を鍛えることが大切です。特に歌ったり、食べたりする動作は口の周りの筋肉を鍛えます。歯ごたえのある、少し硬めのものやガムをかむことで、筋肉を鍛えることが大切です。

なお、自分のタイプに関しては、カラダの状態を入れるだけで簡単にわかる無料アプリYOMOGIを利用すると便利です。

各部位の痛みに対応するフェイスマッサージ

頑張り屋さんタイプの人は、顔のマッサージとともに、ホットタオルなどで顔の筋肉をほぐしましょう。特に唇周りには表情筋と呼ばれる自律神経と関連の深い筋肉が存在しています。口元に少し熱い程度の蒸しタオルを当て、筋肉をゆるめることが大切です。また、生活習慣タイプの人は、食事に気をつけましょう。特に、ビタミンに関しては、豚肉に含まれるビタミンB1が大切で、ネギやニンニクに含まれる「アリシン」と結合すると吸収力が高まり、疲労回復に効果的となります。「クエン酸」はグレープフルーツやキウイ、リンゴに、「リコピン」はトマトやスイカなどに含まれています。

加齢タイプの人は筋力の低下が起こっています。ご飯などを食べる際に30回かんでから食べることが表情筋の中の咀嚼筋を鍛えるには効果的ですが、ガムなどをかむことも有効です。ガムをよくかむことで、痛みが治まったり、ダイエット効果があったりすることが知られています。1日15分程度、糖分の少ないガムをかんで咀嚼筋を鍛えましょう。

制作者:伊藤 和憲

小暑は、梅雨が明け、本格的に夏がはじまる時期。しかしながら、カラダに疲れがたまっていると、まず手足や顔にむくみやたるみが生じ、その状態を放っておくとお腹を壊し、さらには気分が落ち込み、不安や恐怖が生じやすくなります。そのため、栄養価の高い食べ物を取ることでエネルギーを補充するとともに、心身をリラックスさせ、疲れを貯めこまないように工夫しましょう。

「小暑の特徴」

●心身の症状
カラダ:疲れ、食欲減退
ココロ:気分が落ち込む、不安・恐怖感

●季節に多い症状
顔のたるみ

●心身の養生法
フェイスマッサージ

●食養生に効く食材
「う」のつく食べ物
ウナギ、ウリ、うどん、烏骨鶏(うこっけい)など

●ツボ
顴髎(けんりょう)

(明治国際医療大学大学院/養生学寄付講座教授 伊藤 和憲 写真=iStock.com)

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