意外に知らない「贈り物の正しいマナー」11選

プレジデントオンライン / 2019年9月29日 11時15分

考え抜いて選んだ贈り物でも、渡し方に失礼があったら台無しになることも。こんなときどうすればいいの?と迷ったときのマナーを、専門家に教えてもらいました。

■贈り物選びの注意点はありますか?

急に準備をした印象を与えてしまわないよう、贈り物は事前に準備をしておき、訪問先の近くで購入することは避けましょう。また、贈る相手が希望しているとき以外は一般的に避けたほうがよいとされている品もあるので、覚えておきましょう(表参照)。

■のし紙は、かけたほうがいいのでしょうか?

贈り物は奉書紙で包んで水引をかけ、のしをつけるのが正式ですが、現在は水引やのしが印刷された「のし紙」を使用するのが一般的です。目上の方やあらたまった贈り物の場合にはのし紙をかけ、表書き(目的と贈り主名)を書きます。たとえば会食時にお渡しする手土産なら「粗品」「御礼」、少しカジュアルな場合は「心ばかり」といった目的を水引より上に書きます。水引より下に名前をフルネームで書きます(会社として贈る場合は、一般的には社名を書きます)。毛筆や筆ペンなど、太く濃い文字が書ける筆記具を用いましょう。表書きを書かない「無地のし」は、親しい間柄やちょっとした贈り物の場合に使用します。

のしは本来、あわびをのばして干したもので、生命の象徴とされています。そのため、弔事のときや肉や魚といった生ものの贈り物には使用しません。弔事のときにはのしが印刷されていないかけ紙を、また生ものを贈る際は水引だけのかけ紙を使用します。


イラスト=カトウミナエ、以下すべて同じ

■「内のし」と「外のし」の違いはありますか?

「内のし」は、品物にのし紙をかけた後、上から包装紙で包む方法です。控えめにしたい場合や内祝いなどで用います。配送の場合も、のし紙が汚れないので内のしがよいでしょう。「外のし」は、品物を包装紙で包んだ上からのし紙をかける方法です。直接お渡しする場合や、先様に多くの品が届く場合に誰からの贈り物かがわかるように外のしにします。

■お中元やお歳暮にも、のしがいりますか?

お世話になった方に日頃の感謝を込めて贈るものなので、のしをかけます。目的部分は「御中元」(7月初旬~15日。地域によっては8月15日まで)、「暑中御伺」(立秋頃まで)、「残暑御見舞」(立秋以降の8月末頃まで)、「御歳暮」(12月初旬~25日頃)、「御年賀」(年明け~松の内)、「寒中御伺」(松の内を過ぎてから立春前まで)です。お中元やお歳暮はお祝いではないので、お返しはしなくても失礼にあたりません。

■手紙やカード、名刺は添えるべきでしょうか?

手紙やカードを添えると、より相手を思う気持ちが伝わります。贈る品にリボンがかかっている場合は、リボンにカードを挟んでお渡しします。のしの場合は品物に貼ることは避け、品物を渡した後に手紙やカードを渡しましょう。名刺を添えるのなら、名前を書いたのし紙をかけたほうがスマートです。

■渡すタイミングは、いつがいいでしょうか?

個人宅では、部屋に通されて挨拶を交わした後、「ご家族の皆さまで召し上がってください」「甘いものがお好きとうかがいましたので」など、一言述べて風呂敷や紙袋から出してお渡しするのが正式です。ただし冷蔵や冷凍が必要な品や花や鉢植えは、玄関で渡します。ビジネスの席では名刺交換の後、仕事の本題に入る前に。会食時は先にお渡しすると相手が品物を持っていなければならないので、見送りの際に渡すといった配慮が必要です。お渡しする場合も、受け取る場合も、品物を床に置くのは失礼にあたります。

■必ず袋から出して渡さないと、失礼にあたりますか?

袋は風呂敷と同様、手土産を持ち運ぶ際のほこりよけですから、品物は袋から出してお渡しして、袋や風呂敷は持ち帰るのがマナーです。訪問先では、出したあとの袋や風呂敷は手早くたたみ、自分の下座に置いて持ち帰ります。ただし会食場所など、相手も外出先で、袋があったほうが持ち運びに困らない場合は、袋のままお渡ししてもよいでしょう。袋の持ち手と底に手を添えて「袋のままで失礼いたします」と一言添えます。

■いただいた手土産は、その場で開けても失礼にはあたりませんか?

お客さまをもてなす準備をしていなかった、という意味にもとられることなどから、本来はいただいた手土産はその場では開けず、お客さまには出さないのがマナーです。最近は、親しい間柄の場合は相手の気持ちをくんで「お持たせですが」と一言添えて、いただいた手土産を開けて出す場合もあります。ただし、年長者の中には持参した手土産をその場で開けることを失礼ととる方もいるため、あくまでも状況を見極めて対応することが大切です。

■中身について、説明をしたほうがよいでしょうか?

マナーの基本は「相手の気持ちに立つこと」です。例えば生菓子で日持ちがしない場合は「生菓子で日持ちがしないのですが、会社の近くの評判店の品です」など、押しつけがましくならない程度に説明をしてもいいでしょう。一言添えたほうが相手にとって親切かを基準に判断しましょう。

■金封の決まり事はありますか?

金銭を贈る場合に使用する金封は、のし袋、ご祝儀袋、不祝儀袋と呼ばれることもあります。どれも表書きに目的と自分の名前を書き、中包みに漢数字で金額を書きます。袋裏面の上下が重なる部分は、慶事のときには上→下の順に重ねて下が上側になるように、弔事のときにはその逆に重ねます。

■金券と品を一緒に渡すときは、どう渡すのがよいでしょうか?

金券と商品を一緒に渡したい場合は、金額の高いほうにのし紙をかけるのが一般的です。ただし慶事の場合は両方にのし紙をかけても構いません。商品の上に金券を置いて一緒に渡すと良いでしょう。渡す際は、表書きが相手のほうを向くように両手で持ち、お礼やお祝いの言葉を添えて渡します。郵送の場合は金券は現金書留で、品物は内のしで補償をつけて送ります。

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寿 マリコ 池坊短期大学教授
大学卒業後、銀行勤務を経て現職。フランス留学中に非言語コミュニケーションの重要性を実感し、帰国後は外見印象に関する研究に取り組む。池坊短期大学では、サービスマナー演習などのキャリア関連講座や就労支援講座を担当。オールアバウト「ビジネスマナー」ガイド。著書に『新社会人のためのビジネスマナー講座』(ミネルヴァ書房)がある。

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(池坊短期大学教授 寿 マリコ 構成=干川美奈子 イラスト=カトウミナエ)

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