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「独り言」がうるさい人を黙らせる方法とは?

プレジデントオンライン / 2019年10月3日 6時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Deagreez

■耳障りな独り言、スルーするほど増えていく?

「あー疲れた」「やっちまったなァ」「担当者に電話しなきゃ……ブツブツ」と、独り言が多い同僚や上司はいませんか。その対処については「話しかけられているわけではないから無視」と答える人は少なくありません。でも、実は逆効果。独り言の量をさらに増やしてしまう恐れがあります。

ここで独り言の本質に迫ってみましょう。独り言は、自分の頭の中だけでブツブツつぶやくもので、自己完結するのが本来の在り方です。

でも、それが言葉として表に溢れ出てくるのは、ひとりでは抱えきれなくなり、周りに対して助けを求めている、ということ。独り言を言う人には、がんばり屋、集中力のある人が多く、何でも自分ひとりで抱え込もうとする傾向があることも知っておきたいところです。

精神医療の世界で話題になっている「オープンダイアローグ」という考え方に、「対話(ダイアローグ)は健全、独り言(モノローグ)は病的である」というものがあります。独り言があまりにも多くなってくると、心が病気になりかかっているのかもしれません。

職場で独り言を言う人は、無意識に対話を欲しています。各々が言いたいことを言う「会話」とは異なり、「対話」は相手の言うことを受け止めて返す、キャッチボールのようなコミュニケーションのこと。

仕事に関する独り言を言う人がいたら、鬱陶しがらずにその独り言を受け止めた後、「どうしたの?」「忙しいの?」「無理してない?」など、何でもいいので声をかけてあげること。「お疲れさま」のような挨拶でもかまいません。

■封じ込めるには、まず話しかけること

仕事とは関係ない独り言、たとえば「そろそろお昼行こうかな」「腹減ったな」などと言う人には、「今日は何食べるの?」「一緒に行く?」と声をかけてみる。「誘われ待ちのかまってちゃんは面倒くさい」と思ったとしても、独り言を言う=対話を求めていることに変わりはありません。対話をすることこそが、彼らの独り言を止めるきっかけになります。対話に満たされれば独り言を言う必要がなくなるからです。

「ありがとう」「うれしい」「助かる」といった言葉をかけるのもおすすめです。アドラー心理学では、自分や誰かを励ます「勇気づけ」を大事にしています。ここでいう勇気とは「生きる力」のこと。独り言を頻繁に言う人は、自分のことも周りのことも見えておらず、生きる力が弱まっている可能性もあると考えられます。だからこそ、対話を通じて勇気を高めてあげるわけです。

勇気づけをするときの基本的な言葉が、前出の「ありがとう」「うれしい」「助かる」です。この3つをちょっとしたときに口にすることです。そのためには、相手に対する「独り言がうるさい人」という否定的な見方は脇に置いてください。相手に興味を持って、仕事ぶりを観察し、いいところを見つけて「お願いしていた仕事、対応してくれてありがとう。助かったよ」と声かけを。対話を大事にすることで、心地よい人間関係が生まれるはずです。

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八巻 秀 臨床心理士
駒澤大学文学部心理学科教授。監修に『定年後の人生を変えるアドラー心理学』ほか。 毎日1万歩以上の散歩が日課。

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(臨床心理士 八巻 秀 構成=池田園子)

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