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消費増税前に絶対やってはいけない3つのこと

プレジデントオンライン / 2019年9月19日 11時15分

※写真はイメージです(写真=iStock.com/takasuu)

1989年、平成元年にスタートした消費税。当時の税率は3%でした。その後5%になり、8%に上がり、令和元年の今年、10%に増えようとしています。10%といえば、商品代金の1割ですから、いよいよ家計に重くのしかかる感じがしますよね。今回は、そんな消費税増税前の今、やってはいけないことを3つ、やるべきことと一緒にご紹介します。
やってはいけないこと1

■増税後を考えずに10月1日を迎える

いよいよ消費税が8%から10%になりますが、そもそも消費税が2%上がると、生活費はどれくらい増えるのでしょうか。

総務省「家計調査(2018年)」によると、2018年の二人以上の世帯の消費支出(生活のために出したお金)の平均は1カ月あたり28万7315円とのこと。これを一度税抜金額に戻して、改めて10%の税込金額を計算すると、29万2635円となります。

つまり、1カ月の消費支出は29万2635円から28万7315円を引いた5320円、1年にすると5320円×12カ月=6万3840円も増える計算になるのです(軽減税率は考慮せず)。こう見ると、2%増でもけっこう大きいですよね。増税後を考えずに10月1日を迎えてしまっては、生活が守れなくなってしまう可能性大! ですから、これを機に一度、家計全体を見直してみることをおすすめします。

■固定費→変動費の順で家計の見直しを

銀行の預金通帳を見て、毎月のおおよその収入・支出・残りの貯蓄額を書き出してみましょう。そして、支出の中に節約できるところがないか、検討してみましょう。計算上は、毎月の支出を5320円減らすことができたら、増税分はカバーできることになります。

家計の見直しは、住居費・保険料・通信費といった、毎月決まって出る費用(固定費)から見直してみるのが有効です。住居費は少しハードルが高いのですが、引っ越しやローンの繰り上げ返済ができるようなら圧縮できる可能性があります。保険料や通信費は、契約内容を見直して、無駄はないか、適切なプランに入っているかどうかなどを確認! 固定費は一度削減してしまえば、その後ずっと節約効果が続くので、優先して節約したいですね。

次に、食費や交際費といった、毎月金額が変わる費用(変動費)もチェックします。何でもかんでも切り詰めるのは味気ないですが、ちょっとだけ減らすならできるはず。優先順位を考え、メリハリをつけて、どこを減らすか、考えてみてください。

■資産運用を積極的に考える機会に

また、消費税が2%上がるということは、預けているお金の価値が2%下がるということとほぼ同じと考えることもできます。今は超低金利で、銀行にお金を預けていてもまったく増えません。ですから、すぐ使うあてのない余裕のあるお金は、少しずつ資産運用に回すのもよいでしょう。

運用ですから損失が生じることもありますが、増やせれば資産の目減りを抑えることができます。つみたてNISA(ニーサ・少額投資非課税制度)やiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)といった制度を活用すれば、少額からできて税金も節約できます。

やってはいけないこと2

■駆け込み購入

「明日から増税で値上がりします」と言われたら、やっぱり、今日の安いうちに買いたいですよね。実際、これまでも消費税増税前には「駆け込み需要」が生まれ、増税前に買いだめしたり、高額なものを買ったりする駆け込み購入の姿がニュースで報じられてきました。

しかし、今回の増税はこれまでとは少し違います。前回、消費税が5%から8%に増税した時には、増税後は駆け込み需要の反動で大きく消費が落ち込み、景気が悪化しました。その反省を踏まえて、今回は増税後に景気が悪化しないよう、さまざまな策が用意されているのです。たとえば、

<増税後の景気悪化防止策5つ>
・軽減税率……食料品と定期購読の新聞の税率を8%に据え置く
・キャッシュレス還元……キャッシュレス決済で5%または2%の還元
・住宅取得の優遇……住宅ローン控除の延長、すまい給付金の拡充 など
・自動車購入の優遇……自動車取得税の廃止、環境性能割 など
・幼児教育・保育の無償化……3〜5歳の幼稚園・保育所の利用料が無料 など

という具合です。

これらの策があることで、景気が本当に落ち込まないのかは、しばらく様子を見てみる必要がありますが、駆け込み購入をしなくてよいものがあることはわかります。

■住宅や自動車は急がなくていい

まず、食料品は軽減税率で8%のままですから、慌てて買わなくても大丈夫です。また、あとで改めて紹介しますが、増税後、中小店舗でキャッシュレス決済を使って買えそうなものは、キャッシュレス決済で買ったほうがお得です。

それから、住宅や自動車は増税後の制度もあるので、急ぐことはありません。そして、一番大事なのは、「安いうちに買いたい!」と、普段なら買わないものまで買って散財しないこと。増税があってもなくても、冷静に買い物をしましょう。

なお、これまで欲しいと思っていた家電製品・家具・ブランド品などは、増税前のキャンペーンなどで増税前に買ったほうが良い場合もあります。また、定期券やテーマパークのチケットなどは、増税後でも使えますので、必要ならば増税前に買ってもよいでしょう。

やってはいけないこと3

■現金での買い物

この1年ほど、現金を使わないで買い物をするキャッシュレス決済がにぎわっています。クレジットカードやデビットカード、電子マネーやプリペイドカードといった既存のキャッシュレス決済手段に加え、スマホで使えるコード決済アプリが多数出てきたためです。皆さんの中にも、「○○ペイ」を使って買い物をしている人も多いのではないでしょうか。

キャッシュレス決済のなかには、ポイントの還元が受けられるものがたくさんあります。キャンペーン時には10%、20%などと、破格の還元率になるものも。現金で買い物をしても、これらのポイントはもらえないのですから、もったいないですね。

■増税前より得できるかも⁉

しかも、2019年10月からは、対象の中小店舗でキャッシュレス決済をすると5%、大手チェーンのフランチャイズ店舗なら2%の還元が受けられます(2020年6月30日までの予定)。ますますキャッシュレス決済が有利になってくることに。

ただ、ふだん現金を使っている人が10月から急にキャッシュレス生活に移行できるはずがありません。増税前の今からなるべくキャッシュレス決済を活用し、ポイントを手に入れていきましょう。そして増税後もそれを続けていけば、消費税増税分の2%を取り返すどころか、もしかしたら増税前より得になるかもしれません。

以上、消費税増税前にやってはいけない3つのことをご紹介しました。増税は家計に厳しいですが、決まった以上は、乗り越えていかなければなりません。消費税増税前はもちろん増税後も、自分のお金を増やす方法、減らさない方法、得する方法をよく考えて、対応していくことが大切です。

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高山 一恵 Money&You 取締役/ファイナンシャルプランナー(CFP®)、1級FP技能士
慶應義塾大学卒業。2005年に女性向けFPオフィス、エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。全国で講演・執筆活動・相談業務を行い女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。著書は『年収400万円からの不動産投資で着実に稼ぐ秘訣』(河出書房新社)、『やってみたらこんなにおトク! 税制優遇のおいしいいただき方』(きんざい)など多数。FP Cafe運営者。twitter:@takayamakazue

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(Money&You 取締役/ファイナンシャルプランナー(CFP®)、1級FP技能士 高山 一恵 写真=iStock.com)

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