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自分もやる"既読スルー"人にやられると嫌な訳

プレジデントオンライン / 2019年10月27日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/samxmeg

■人にされると嫌だけど無意識に自分もやっている

LINEの既読が付いているのに返信がないと、不安を感じる人は少なくないようです。「どうして既読になっているのに返事がないんだろう」と悶々とした経験がある人もいるでしょう。逆に、既読になって即レスがあったときは、「どうしてこの人はこんなに返信が早いんだろう」と悩む話は聞きません。どうして既読スルーをされると不安になってしまうのでしょうか。

普段、何げなくLINEを既読スルーしていたことが、皆さんにもありませんか。お風呂に入る前にメッセージを読んで、後で返すつもりで忘れていた、なんてことは珍しくないと思います。

でも、自分が既読スルーされる側になると、とても気になってしまう。相手が忙しくて返信する時間が取れなかったり、単に返信を忘れていたりするだけかもしれないのに、「自分が何か変なことを言ったから、(相手が)不快になっているのかも」「自分は嫌われているのかも」「(相手が)だらしない人なのかも」「実は嫌な人なのかも」などと、どんどんネガティブな方向に考えてしまう傾向があります。

私たちは「人の行動の原因を、その人自身に求めたがる」性質があり、相手の行動ばかりを見て、状況的な原因に目が行きにくくなります。

相手の行動だけを手がかりにして、その人の性格や気持ち、自分との関係性をイメージし、原因として捉えてしまうのです。これを「対応バイアス」といいます。

対応バイアスが働いてしまうと、「誰だって既読スルーすることはある」と考えたり、「相手はメッセージを返信できない状況にあったのかもしれない」と相手が置かれていた状況を冷静に考えるところにたどりつけません。

このように、既読スルーを「する人」と「される人」では感覚のズレが生じがちです。

■考えすぎてドツボにはまらない

では、相手の既読スルーが特に気になるのはどんなときでしょうか。それは、相手が自分にとって重要人物であるときです。大切な人が何を考えているか、自分のことをどう思っているかはとても気になりますよね。なるべく嫌われたくありません。そうすると、2人の関係を取り巻くリスクに敏感になり、既読スルーすら関係が壊れる予兆に見えてしまうのです。

また、人間の心には、ネガティブな出来事のほうが記憶に残りやすいという特徴もあります。1度でも既読スルーで痛い目に遭った経験があると、たとえほとんどの既読スルーはどうということもないものだったとしても、そのたった1度の経験が疼いて、「またあんなことがあったらどうしよう」と不安になってしまいます。

まとめると、LINE既読スルー問題は、多くの場合、相手の心を過剰に読むこと、考えすぎることから起きています。もし既読スルーをされたとしても、まずは気にしないのが一番! でも、どうしても気になるようなら、相手にそれを正直に告げて、「既読後の対応ルールを作ろう」と提案してみてはどうでしょうか。

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三浦 麻子 社会心理学者
大阪大学大学院人間科学研究科教授。著書に『なるほど! 心理学研究法』ほか。週末の楽しみは競馬観戦。

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(社会心理学者 三浦 麻子 構成=池田園子)

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