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ぐっすり眠る人は「40℃の風呂に10~15分」入る

プレジデントオンライン / 2019年10月26日 17時15分

※写真はイメージです(写真=iStock.com/stevecoleimages)

Q. 入浴は「就寝前」がいいか「起床後」か?

■「熱いお風呂」に要注意

睡眠の質を高めるなら、入浴は「就寝前」が正解です。

人間は、体の中心部の体温が下がると眠くなります。入浴するといったん体温が上がり、あとは急速に下がっていくので、そのタイミングで就寝すれば寝つきが良くなるわけです。入浴後は約90分で体温が下がるので、お風呂を出てから1時間半後を目安にベッドに入るようにしましょう。

就寝前の入浴を勧めるもう1つの理由は、副交感神経が優位になるから。自律神経には交感神経と副交感神経があり、前者は体に積極的な活動をさせる役割を担い、後者は心身をリラックスさせて体を修復します。よって、ぐっすり眠るには仕事のストレスや緊張で交感神経が優位な状態から、副交換神経が優位な状態へと自律神経のスイッチを切り替える必要があります。

そのためには、40℃くらいのお湯に浸かるのが効果的です。良い睡眠のためにはこの温度が重要で、これが42℃になると、逆に交感神経が刺激されてしまいます。またお湯が熱すぎると、血圧が上昇したり、血液の粘度が高まって血栓ができやすくなったりして、脳卒中や心筋梗塞が起こるリスクが高まるので注意が必要です。特に40代以降は皮膚の老化が始まって熱さに対する感覚が鈍るため、お湯の温度をつい上げがちになりますが、温度計や給湯器の温度設定を利用して適切な温度を保つことが大切です。

■浸かる時間は10分から15分が最適

浸かる時間は10分から15分が最適。長くお湯に浸かりすぎると、熱中症や脱水症になる可能性があります。かといって、あまりに短時間だと体温が上昇しないので、やはり10分から15分を目安としてください。

Getty Images=写真

このように就寝前の入浴は睡眠への影響を含めて様々な健康効果が期待できますが、朝風呂はお勧めしません。なぜなら、夜の入浴より体への負担が大きいためです。特に良くないのが、入浴による血圧の変動です。それでなくても朝は血圧が上がりやすく、脳卒中や心筋梗塞の発生が多い時間帯なので、入浴するとそのリスクをさらに高めてしまいます。朝に入浴して体温を上げると、1時間半後に体温が下がって眠くなるので、仕事に支障が出るというデメリットもあります。

よって朝の入浴は控えたほうがいいのですが、朝起きて目を覚ましたいときの朝シャワーは有効です。42℃の熱めのシャワーを浴びると交感神経が優位になり、体が活動モードになって頭もシャキッとし、目覚めます。

最後に余談ですが、朝に1分間のシャワーを浴びるだけで、夕方まで加齢臭を抑えられるという嬉しい効果があることがわかっています。夜の入浴と朝のシャワーで自律神経のスイッチを切り替えて、「昼間はしっかり活動し、夜はぐっすり眠る」という1日のリズムをつくるとよいでしょう。

▼朝なら湯船よりシャワー。加齢臭も抑制

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早坂 信哉(はやさか・しんや)
温泉療法専門医、博士(医学)
東京都市大学人間科学部教授。生活習慣としての入浴を医学的に研究する第一人者。主な著書に『最高の入浴法』。

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(温泉療法専門医、博士(医学) 早坂 信哉 構成=塚田有香 写真=iStock.com、Getty Images)

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