IT社長の私が苦手なことをすべて捨てた理由

プレジデントオンライン / 2019年11月10日 11時15分

シナモン社長 平野未来さん

■仕事は1人じゃできない。素直に人を頼る

大学時代、グーグル創業者と同じ「複雑ネットワーク」という学術分野の研究に携わった平野未来さんのビジョンは明快だ。

「技術の力で世界を変えたい」

その思いを彼女は着実に実現しつつある。2012年、AI(人工知能)ビジネスを手がけるシナモンを創業。「ホワイトカラーの生産性を向上させること」を目標に掲げ、文書読み取りシステムを筆頭に、面倒な事務作業を減らすための画期的なプログラムを開発している。優秀な人材に富むベトナムに開発拠点を置き、現在のメンバーは国内外合わせて160人。「3年後にはAIエンジニアを500人に増やす構想です。世界一のAI会社になれるはず」

壮大な展望をさらりと語る姿はリーダーとしての風格をまとっている。平野さんにとってシナモンは2社目の起業。今、技術系かつ女性のシリアルアントレプレナー(連続起業家)として注目されているが、浮き沈みも激しかった。過去には倒産の危機に直面し、資金繰りに奔走した時期も。しかし事業が時代の潮流に乗った同社は19年、約15億円の資金調達に成功。「苦労したのでは?」と尋ねると、軽やかに答えが返ってきた。

■味方が増えると思えば楽しい

「投資してくれるということは、私たちの味方になってくれるということ。資金調達は大仕事ですが、味方が増えると思えば楽しい!」

前向きな精神を持ち、失敗しても、「時間の無駄だから」落ち込まない。無敵――そんな言葉が似合う平野さんだが、いわく、「私の能力は凸凹で、苦手なことがとても多いんです」。

できないことは「まるっと人に任せる」のが流儀。仕事はチーム戦。素直に人に協力を仰ぐこともリーダーとして大事なことだと考える。そして、何よりも効率を重視。

「私は、息をするレベルでできる得意なことしかしません。メンバーにも、苦手なことはしなくていいから、得意なことを伸ばすように伝えています。そのほうが圧倒的に生産性が高くなりますよね」

自分の得意なことを生かす姿勢は趣味のスポーツにも通じていた。

「自信があるのは、筋力、体幹に柔軟性。私の特性を発揮できるのはキックボクシングです」

バシュッ、バシュッ。キレのある音を立て、全力でミットを蹴るのはストレス発散によさそうと思いきや、「ストレスはないんです」とほほ笑む。

何事も楽しいから、やる。それに尽きる。人工知能という複雑な技術で世界一を目指すリーダーの原点は、潔いほどシンプルだった。

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▼My Favorite【私のマストアイテム】

運気を上げるお守りは夫からの贈り物
同じ起業家でよき理解者でもある夫から、たびたび贈られるのはお守り。「妊娠したときは安産祈願、資金調達にかけ回っているときは金運のお守りをもらいました。今、持ち歩いているのは勝負運を上げるお守りです」
独自配合のプロテインで効率よく栄養補給
2児の母でもあり多忙な毎日。食事をする時間さえも惜しい。「腹持ちがよく美肌にいいといわれる大豆のプロテインに、ショウガパウダーとクエン酸を加えてシェイク。朝食やランチにいただきます。私の大事な栄養源です」
一瞬も無駄にしない! 私と世界を結ぶイヤホン
タクシーでの移動時間を有効活用するために、5年ほど前からマイク付きイヤホンを使っている。「社内の会議はイヤホンを通して参加。メールを音声入力するのにも役立っています」。ポーチにしまって肌身離さず持ち歩く。

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(シナモン社長 平野 未来 文=安井 洋子 撮影=枦木 功 撮影協力=リバーサルジム東京スタンドアウト)

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