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スマホで漫画「ながら運転」をやめない人の末路

プレジデントオンライン / 2019年11月30日 11時15分

■LINEマンガの履歴を削除

2018年9月、関越自動車道で夫(47歳)と2台のバイクでツーリング中の女性(当時39歳)がワゴン車に轢かれ、即死した。

加害者である男性運転手(51歳)はスマホで漫画を読みながら、速度超過の状態で400メートル以上走行。前方を走る女性のバイクにまったく気付かぬまま追突、轢過したのだ。

加害者は事故直後にLINEマンガの履歴を削除し、「わき見運転だった」と主張したが、ワゴン車のフロントガラスに加害者が漫画を読む様子が映り込んでおり、その一部始終がドライブレコーダーに記録されていた。

19年8月、新潟地裁長岡支部は「一瞬の不注意による事故とは一線を画する」と述べ、「自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)」の罪に問われていた男に、懲役3年の実刑判決を言い渡している。

警察庁によると、スマホや携帯電話の操作などが原因で18年に発生した人身事故は2790件。そのうち死亡事故は、前出の女性のケースも含め42件発生しており、スマホ・携帯電話以外が原因の事故と比べると、死亡率が約2.1倍に跳ね上がる。

交通事故じたいが減少する中、逆に「ながら運転」に起因する重大事故が増えていることは、現代特有の事故形態として問題視されている。

■違反点数を引き上げ「一発免停」に

19年6月、道路交通法が改正され、12月1日より携帯電話やスマホを使用しながらの「ながら運転」が厳罰化されることが決まった。主な改正ポイントは以下のとおりだ。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/AndreyPopov)

携帯電話やスマホを運転中に使用(保持)した場合、改正前は「5万円以下の罰金」だったが、懲役刑を新設し、「6カ月以下の懲役、または10万円以下の罰金」となった。違反点数もこれまでの1点から3点に引き上げられ、反則金も各車種ごとに約3倍(普通車の場合、6000円が1万8000円)にアップする。

携帯電話やスマホを運転中に使用し、かつそれが交通事故などの危険に結びついた場合は、改正前の「3カ月以下の懲役、または5万円以下の罰金」から「1年以下の懲役、または30万円以下の罰金」となり、違反点数は2点から6点(一発免停)に引き上げられる。

運転中の携帯電話使用等の違反取り締まりは、これまでも数多く行われている。18年は1位の「最高速度違反」、2位の「一時停止違反」に次ぐ3番目、全件数(約600万件)の14%に及んでいる。「ながら運転」の危険性を考えれば、取り締まり強化や厳罰化は当然の流れだろう。

ちなみに、時速60キロで5秒間走行した場合、車は約83メートル進む。もし、5秒間スマホを注視して、前方を見ていなかったら……、それがいかに危険な行為であるか、ドライバーはいま1度自認すべきだ。

ただし、車を停止させているときであれば、運転席で携帯電話やスマホ等を使用しても違反ではない。どうしても必要なときは、必ず安全な場所に車を停めてから使用するよう心掛けたい。

(ノンフィクション作家・ジャーナリスト 柳原 三佳 図版作成=大橋昭一)

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