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銀座ママ「私をここまで動かした嫉妬心の在処」

プレジデントオンライン / 2019年11月13日 11時15分

クラブ「Monterey」ママ 桐島とうか氏

夜は、普段交わらない人と人が交わり、欲望が剥き出しになる時間。それは、ある意味では人間の本質に最も近いときなのかもしれない。夜の世界で起こる、リアルな人間模様に迫った。

■一流の銀座ママは嫉妬を恐れない

私は24歳のとき、銀座で最年少のママになりました。ママ歴はまだ3年ですが、嫉妬する人やされる人、嫉妬によって起こるさまざまな場面を私は見てきたつもりです。今回は、私が実際に夜の社交場で体験、目撃した嫉妬の現場の様子と、そこから学んだことをお話しさせていただきます。

嫉妬されることは職業柄、多いと思うのですが、最も多いのは私をよく知らない方から嫉妬されることですね。例えば、こうしてメディアに出させていただくと「おまえはまだ若いのだから、早すぎる」と、メディアに出ることを批判する方がいらっしゃいます。

また、「おまえの話はしなくていい。俺の話だけでいいだろう」と言われるお客様もいらっしゃいますが、こういうとき、私はお客様に不快な思いをさせてしまったと反省する気持ちがある半面、「嬉しい!」と思う気持ちもあります。

なぜなら、私が嫉妬されるのは、お客様が気を張らずに感情をさらけ出せていると考えているから。

■ママとしての仕事ができていると思う瞬間

逆に、嫉妬されてもその感情をうまくぶつけてもらえないときは、私がお客様にとって心の休まる場所をうまくつくり出せていないということ。ある意味で、嫉妬されるということは、私がクラブのママとしての仕事ができていると思う瞬間でもあるのです。

嫉妬をするにしても、その質には違いがあります。最も顕著なのが、女の子の前での嫉妬の表し方。「○○ちゃんは俺の横にずっといてほしい!」と、ストレートに言われる方は、すごく好印象です。部下の方は、上司の遊び方を真似されるので、上司が女の子に対する嫉妬を隠さず表現すれば、部下も気を抜いて遊べるんです。場を明るくする嫉妬や焼きもちができる方は、とても魅力的です。

また、集団の中で他人に花を持たせて、うまく嫉妬されないように立ち回る人も素敵です。「○○さんはすごい。あの案件も実は○○さんが動いたからなんだよ」と他人を持ち上げられる方は、大抵、自分のほうがやり手だったりするのですが、うまく嫉妬を回避するうえに、お連れの方も味方にしてしまう能力まであるように、私の目には映ります。

反対に、残念ながら悪印象を与えてしまっているなと思うのが、部下の前で仕事や他人の愚痴を延々と話される方。お酒の席で愚痴を吐くのはある意味正しいですが、「あいつは贔屓されている。俺が評価されないのはおかしいと思わないか?」といったことを、延々部下と女の子にされると、その席の雰囲気も悪いままですし、愚痴に同調しなければいけない部下や女の子も困ってしまいます。

また、あるお客様がほかのお店から私のお店へハシゴしようとしたとき「桐島ママのお店は、ママも若いし銀座っぽくないから、行かないほうがいいよ」と、ひきとめられることがあるようです。

女性は女性に怒りをぶつける傾向があるように思います。ドラマなどでも男性は浮気されたとき、女性に怒りをぶつけますが、女性の場合は、浮気相手の女性に復讐することが多いですよね。

ですが、私はそんな嫉妬の感情をうまくコントロールして、ここまで上り詰めたと思っています。

私が以前働いていた銀座のクラブでは、私より売り上げをあげて、多くのお客様から慕われていた女性がおり、私はその実力にとても嫉妬していました。いつも、「どうすればこの子を超えられるのか」と、悩んでいました。しかし、嫉妬を仕事へのエネルギーに変えて、「絶対にあの子を超える!」と、余計に仕事に励んだのです。その女の子の接客のいい部分は、同席したときに必死に盗むようにしましたし、売り上げを追い抜こうと、勉強も営業も頑張りました。

■この人のおかげで私は頑張れた

そして、ついにその子の売り上げを上回れたとき、もう私の中に嫉妬という感情はあまりなかったんです。むしろ、「この人のおかげで私は頑張れた」というような気持ちでした。この経験は自分にとっても、日々社会で戦うお客様を理解するうえにおいても、いい経験になっています。

嫉妬心を持つことは悪いことだと思われがちですが、この経験をしてからは嫉妬心を“闘争心の源”だと思い、むしろ肯定するようになりました。嫉妬心にのみ込まれないよう、うまくそれをモチベーションに変えることが、成功するためのひとつの秘訣なのかもしれないと思っています。

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桐島 とうか クラブ「Monterey」ママ
学習院大学経済学部卒業。学生時代に起業を経験したのち、水商売の道へ。銀座の老舗クラブ勤務などを経て、24歳でクラブ「Monterey」のママとなる。著書に『銀座最年少ママの売れ続ける力』がある。

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(クラブ「Monterey」ママ 桐島 とうか 構成=世倶 童 撮影=小川 聡)

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