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富裕層が"新居披露会"を律儀にやる深い理由

プレジデントオンライン / 2019年12月1日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/bernardbodo

■「地域の一員」をアピール

富裕層ほど近所付き合いには気を使います。例えば東京・杉並区に豪邸を持つご夫妻は、「町内会のゴミ拾いには必ず参加する」と言っていました。「そんなものに出る必要はない」などと、偉そうに突っ張ることは決してしない。普通のことを普通にやるように心がけていて、地域の一員として応分の義務を果たすという姿勢が明確です。

人は1人で生きるものではなく、ビジネスをやっているならお客や取引先、従業員、そして世間との円満な関係を維持しなければなりません。そう考えている人たちが、「ご近所」に背を向けるわけはないのです。

富裕層の方が大きな家を建て、新築記念のパーティーをする場合も、友人・知人ばかりではなく「町内会で理事を引き受けているので、町のみなさんもお呼びしているんですよ」などと断って、近所の人たちも招待することが多いようです。

家を新築したりリフォームが完成したりしたときに人を招く。そのこと自体は伝統的な習慣でもあり、嫉妬を招くことはないでしょう。むしろ「これからよろしくお願いします」という挨拶の意味があるので、招待した人からは好感を持たれると思います。

■披露パーティーを開いてみてはどうでしょう

一般の人も、新居が完成してそこに移ることになったら、挨拶の品を持って近所を回るだけでなく、披露パーティーを開いてみてはどうでしょう。

「実は近々、新居の披露パーティーを開くことになっているので、もしよかったらご家族でいかがですか。僕の友達も来ることになっています。お子さんもご一緒に」などと誘うわけです。

パーティーでは、「ご近所の一員として、ゴミ拾いなどもきちんとやりますので、何かありましたら言ってください」と伝えるのもよいでしょう。

大してお金もかからず、その気になれば誰でもできるのに、面倒くさがってやらない人が意外と多い――ということがあります。転入の挨拶や町内の集まりなどもその1つ。富裕層には、そうしたことを面倒がらずに、愚直にきちんとやっている方が多いのです。

もう1つ、思い出したことがあります。これも富裕層の特徴と言っていいと思いますが、豪邸というしかない家に招き入れられ、「すごいですね」と感想を述べると、「いや、Aさんの意見を聞いているうちに、こうなりましてね」と謙遜する方が多いのです。

例えば応接室に立派なワインセラーがある場合、「家を設計してくれた建築士の方から勧められて」というような言い方です。「自分の趣味で」とは言わない。つまり独善的に見えないように言い方を工夫しているということです。

自分で気に入っているものでも、「これ、いいだろ」などといかにも自慢げに説明すると、嫌われてしまうことがあります。何か言うときにも、「第三者が聞いたらどう思うか」と考え、自慢と受け取られない言い方で話す。これも嫉妬や反発を避ける1つのやり方です。嫉妬を避けるノウハウも、「第三者への気遣い」が基本なのです。

【対策】戦略的に行う「お披露目パーティー」

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増渕 達也(ますぶち・たつや)
ルート・アンド・パートナーズ代表取締役
富裕層マーケティングの専門家。1992年、東京大学卒業。電通勤務を経て、2002年に独立。06年から現職。富裕層向けライフスタイルマネジメントサービスを提供している。

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(ルート・アンド・パートナーズ代表取締役 増渕 達也 構成=久保田正志)

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