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"仕事でリュックサック"実は体によくない理由

プレジデントオンライン / 2019年12月30日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/South_agency

「痛みに効果がある」と続けている習慣や運動が、症状を悪化させているかもしれない。腰痛や関節痛について、10のテーマに応じて専門家に聞いた。第5回は「リュックサックと手持ちカバン」――。(全10回)

■腰を守りたいならこれを持つべし

体に負担をかけないためにどんなカバンがいいですかと質問されたなら、私はまっさきにキャリーケースと答えます。ただ、残念ながら普段のビジネスシーンでキャリーケースはあまり見かけません。

キャリーケースの中には、キャリーだけではなく、手持ちカバンやリュックサックにもなる3ウェイタイプや、ジュラルミン製のお洒落なものもありますが、ビジネスシーンに適したものは少ない。

体にいいカバンとして順番をつけるなら、キャリーケース→手持ちカバン→リュックサック→ショルダーバッグの順になります。

■肩こりの原因に

ショルダーバッグは最悪です。最も肩こりの原因になりやすく、腰も痛めやすい。カバンが肩からずり落ちないように、無意識に左右のバランスを取ろうとするので、体が左右どちらかに傾いて、背骨への負担が大きくなるわけです。体の片側に重さが偏ってかかり、それを体幹(胴体の骨格や筋肉)で支えようとする分、背骨が曲がりやすい。まっすぐに立って胸を張った正しい姿勢がいちばん取りづらいのが、ショルダーバッグなのです。重いショルダーバッグを肩に掛けて、長時間歩いたりすると、腰痛や肩こりの危険性が高くなります。

次にリュックサック。ビジネスシーンでもリュックサックを使う人は増えていますが、こちらは左右のバランスが取れ、両手が空いているので便利です。しかし、重いリュックサックを背負うと、バランスを保つために、首が前に出て前傾姿勢になりがちで、首や腰に負担がかかります。

では、ストラップを長くして、低い位置で背負えば背筋が伸びるかというと、体幹との距離ができてしまってよい姿勢を取りづらい。リュックサックを使用するなら、適度な荷重で、ストラップを締めて背中に密着させて背負い、背筋を伸ばして猫背にならないように気を付けましょう。

意外にも肩こりや腰痛に繋がりにくいのは、手に持つタイプのカバンです。腕で荷重をコントロールできるため、バランスが取りやすく、姿勢も維持しやすい。ただ、カバンが重すぎて肩から腕がダランと落ちてしまうと、ショルダーバッグと同じように、バランスを取ろうとして体幹への負担が大きくなる。こちらも、しっかりと腕でカバンを保持できる、適度な重さを心がけることが大切です。

最後に1つ付け加えると、日本の学生カバン事情には諸々の問題があります。中高生の使うショルダーバッグは成長期には向きません。特に成長期には、脊柱側彎症という背骨が左右に曲がってしまう病気にかかる可能性がある。そのような時期に、教科書や部活道具を詰め込んだ「重いショルダーバッグ」を使うことは危険です。手持ちカバンで最低限の荷物にすることが望まれます。

【結論】重くなったショルダーバッグは肩こり、腰痛の天敵

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銅冶 英雄(どうや・ひでお)
1994年日本医科大学卒業後、千葉大学医学部附属病院などで勤務。米国ウィスコンシン医科大学留学などを経て、2010年お茶の水整形外科機能リハビリテーションクリニックを開設。

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(銅冶 英雄 構成=伊藤達也 撮影=藤中一平)

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