"親ルノー"日産新トップはどんな人物なのか
プレジデントオンライン / 2019年12月28日 11時15分
■“親ルノー”の日産トップ人事
2018年11月、カルロス・ゴーン被告の逮捕後、混乱を続ける日産自動車が、ようやく新しい経営体制で再発進する。19年9月には役員報酬の不正受給を巡り西川廣人社長兼最高経営責任者(CEO)の突然の辞任で、ナンバー2の山内康裕代表執行役が「暫定CEO」を務めていたが、19年12月1日付で内田誠専務執行役員が社長兼CEOに昇格する。
同志社大学神学部卒業後、日商岩井(現双日)入社。2003年から日産に転籍し、筆頭株主の仏ルノーとの共同購買組織などでキャリアを重ね、韓国のルノーサムスン自動車への出向や、日産の中国法人「東風汽車有限公司」の総裁など海外経験が豊富。幼少期を中東やアジアで過ごし、語学も堪能。「航空会社勤務の父親の転勤で、物心がつくころにはピラミッドの近くに住んでいた」(内田氏)。
日産の役員体制を決める権限を持つ指名委員会は、当初100人ほどの候補者をリストアップしたうえで最終的に3人まで絞り込んだが、内田氏はルノーとも良好な関係でアライアンスの強化にも前向き。「多彩な経歴で、難しい時代のリーダーにふさわしい」(豊田正和委員長)との判断で白羽の矢が立った。
西川前社長がやり残した生産体制の見直しや1万2500人規模の人員削減など多くの難題を抱えるが、内田氏は執行役・執行役員序列21番目からの大抜擢でその手腕は未知数。失われた信頼と業績の回復にはスピード感が求められる。就任早々リーダーシップを発揮し、難局を乗り越えられるかどうか試される。
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日産自動車次期社長兼CEO
1966年生まれ。91年日商岩井入社。2003年日産自動車入社。常務執行役員、専務執行役員を経て19年12月1日付で社長兼CEOに就任。
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(経済ジャーナリスト 福田 俊之 写真=時事通信フォト)
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