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自宅でフカフカのソファが腰痛を促進するワケ

プレジデントオンライン / 2020年1月19日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/maroke

「痛みに効果がある」と続けている習慣や運動が、症状を悪化させているかもしれない。腰痛や関節痛について、10のテーマに応じて専門家に聞いた。第10回は「畳とソファとチェア」――。(全10回)

■腰や首をダメにする椅子とは

自宅でのプラベートの時間くらい、リラックスしたいもの。しかし、実は皆さんがリラックスできるゆったりとした姿勢は、ほとんどの場合で腰や肩にはよくありません。

最もお勧めできないのが、フカフカのソファです。ソファに座った姿勢を思い浮かべてみてください。腰が沈み込んで、背中が丸まった姿勢になっています。つまりは、典型的な「猫背」になっているということ。リラックスできるということは筋肉の緊張がない状態ではいられるものの、その分、背骨の腰の部分(腰椎)には負担がかかっているわけです。

その状態でさらにテレビを見たり、スマホを扱ったりすると、首が前に出たり下を向いたりして、頭を支える骨(頸椎)への負担もますます進む。いってしまえば、柔らかすぎるソファは、「腰や首をダメにする椅子」です。

■腰椎が極端に曲がる姿勢を続けることがよくない

腰の不調の原因は、背骨の状態によります。やや専門的な言い方をすると、腰椎が後ろに凸のカーブになることを「腰椎後弯」といいます。これが一般的な猫背の状態。腰椎後弯により椎間板の髄核が後方にズレて、痛みを発症することが多いのです。対して、腰椎が前に凸にカーブすることは「腰椎前弯」といいます。正常な人は腰椎前弯の状態なのですが、前弯が強すぎると椎間板の髄核が前方にズレて、痛みを発症することがあります。要するに、腰椎が極端に曲がる姿勢を続けることがよくないのです。

腰痛の最大の原因である腰椎後弯を防ぐためには、ソファよりもまだリクライニングチェアのほうが負担は少ないといえます。しかし、リクライニングチェアも、体が沈んで背中が丸まる姿勢になるなら、腰に負担をかけている。その点、腰を直角にして、背筋を伸ばして座ることができるテーブルチェアは理想的です。ただ、体を休めているという実感は得づらいでしょう。

では、畳の生活はどうか。あぐらも腰によくない姿勢です。あぐらを組んだときには、腰は猫背になって、まさに腰椎後弯の姿勢になっている。腰に負担をかけているわけです。足を伸ばして座る長座も猫背姿勢になりがちです。座椅子や壁にもたれかかるとリラックスできますが、長時間腰椎後弯になることで、椎間板の髄核が後方にズレやすくなります。床で座るときに腰椎前弯の姿勢をとれる座り方といえば正座なのですが、長時間正座すると膝に負担がかかりますし、リラックスとは程遠い。畳での生活において、リラックスと姿勢のいい座り方はなかなか両立しません。

では、畳での生活で腰に負担をかけないようにするにはどうすればいいかといえば、「リラックスしたいなら、寝てください」ということ。いっそベッドや布団に横たわってしまえば体に負担はかからないということです。

【結論】いっそベッドや布団に横たわってしまおう

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銅冶 英雄(どうや・ひでお)
1994年日本医科大学卒業後、千葉大学医学部附属病院などで勤務。米国ウィスコンシン医科大学留学などを経て、2010年お茶の水整形外科機能リハビリテーションクリニックを開設。

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(銅冶 英雄 構成=伊藤達也)

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