カーシェアの駐車場が出し入れしにくいワケ

※写真はイメージです - 写真＝iStock.com／Tramino

■カーシェアはレンタカーより安いのか

私は現在、東京23区に住んでいます。ほとんどの移動が電車もしくは自転車で完結するため、車を利用する機会は多くないのですが、荷物の多い取材時など、車があれば便利な場面もあります。

その場合、レンタカーが候補に入ってきますが、大手レンタカーチェーンでは、基本的に利用時間が6時間・12時間・24時間の単位で定められているうえ、任意で加入する車両保険は24時間単位。短時間利用ではロスが大きいです。

また、大手チェーンでは空港近辺などを除いたほとんどの店舗が24時間営業を取りやめており、使えない時間があるのもネックといえます。

車を利用する際は、近年シェアを伸ばしているカーシェアも視野に入れましょう。

現在、カーシェア事業者は「オリックスカーシェア」「ニッポンレンタカー カーシェアリング」「カレコ」「dカーシェア」など、多数の業者が参入しています。業者によって使い方は異なりますが、多くはネット上で予約をし、指定された車に携帯電話か会員証をタッチすると施錠が解除され、使えるようになります。

■レンタカーでは自己負担となるガソリン代が無料

料金は事業者・プランにもよりますが、10～15分刻みで料金が設定されており、1時間あたりおよそ1000円程度で車が利用できます（コンパクトカー乗用車の場合）。また6時間や12時間といったパック料金も設定されており、こちらもレンタカーよりもお得に利用ができることがほとんど。レンタカーでは自己負担となるガソリン代が無料なのもうれしいポイントです。ただし、パック時間を超過した利用や、深夜利用の場合は1キロメートルあたり約16円の走行料金がかかります。

料金設定は各事業者によって異なり、タイムズカーシェアやオリックスカーシェアの“個人Aプラン”などでは、月に約900円の月額料金がかかりますが、そのぶん料金は割安。dカーシェアやオリックスカーシェアの“個人Bプラン”など、月額料金のかからないプラン・事業者は利用料金が高めに設定されています。月に1度以上利用する予定があるのなら、月額料金のかかる事業者・プランを選んだほうがお得ですが、月額料金のかからないdカーシェアは、とりあえず登録しておくと、急に車が必要になったときに対応ができます。

カーシェアはレンタカーと違い、乗車手続きをすべてセルフで行うため、車さえ空いていれば24時間いつでも、思い立ったときに使うことができますが、レンタカーと違ってごく一部の事業者を除き乗り捨てができず、用途によっては不便を感じることもあります。乗り捨てたほうが便利な場合、20キロ以内の乗り捨てであれば乗り捨て料金が無料の日産レンタカーや、出発と返却の営業所が決まっている代わりに税抜2000円程度で借りられるニッポンレンタカーの“特割ワンウェイ”などを検討しましょう。

また、東京都内ではカーシェアは飽和状態ですが、スペースに余裕のないところに車を設置している事業者も多い印象です。そのため、出車・駐車の難易度がかなり高いステーションもあります。普段車を運転しない人が使いがちなカーシェアに対し、ミスマッチを感じる場面もあります。

カーシェアは車の利用を安く手軽にしましたが、レンタカー事業者もそれに触発されてか、先述の“特割ワンウェイ”のような安く便利なプランを打ち出しています。長所短所を比較し、賢い選択ができるようにしましょう。

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山野 祐介（やまの・ゆうすけ）
行動するお金博士
マネー事情に詳しいライターとして本誌でもおなじみのFP。クレジットカードやポイントにも詳しい資金運用のプロフェッショナル。複数の雑誌でマネー連載を抱え、お得な情報の受発信を精力的にこなす。2020年は「LINE Pay」クレジットに注目している。

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（行動するお金博士 山野 祐介）