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「午後7時オフィス強制消灯」で仕事を持ち帰らせる上司の愚

プレジデントオンライン / 2020年2月23日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/fizkes

■残業が多いのはマネジメントの問題

部署全体の成績を向上させる、これが管理職本来の役目です。しかし、最近は働き方改革で、部下の残業を減らすという新たな課題にも取り組まなければなりません。とくに、これまで長時間労働で結果を出してきた会社の管理職は、みな苦労しているようです。

なかには、なんとしても部下の残業を上限規制内に抑えようと、上司が午後7時になったら有無をいわさず部屋の電気を消すという職場もあるそうですが、こういう強硬策はあまりお勧めできません。

ホワイトカラーの仕事は工場の製造ラインのように標準化できないので、同じ資料づくりを頼んでも、要領よく定時までに仕上げてしまう人もいれば、延々と残業しないと終わらないという人が、どうしても一定数出てきてしまうのです。

それなのに、とにかく残業させないようにと、時間がきたら物理的に会社にいられなくしたらどうなりますか。仕事の遅い人は、結局終わらない分を家に持ち帰ったり、土日にこっそり出社してやったりする羽目になります。これでは何のための働き方改革かわかりませんよね。

一方で、「うちの部署の仕事は時間がかかるんだから、残業を減らしたら数字が落ちちゃうのに、会社はわかってないんだよね」と、残業が多いのを業務の特殊性のせいにして、労働時間を減らす努力を最初から放棄している管理職も少なからず見受けられます。やれ「うちの部署は特殊だから」と言う日本人のなんと多いことか!(笑)

もちろん、こんな言い訳を認めてはダメです。なぜなら、残業が多いのは業務内容ではなく、ほとんどの場合マネジメントの問題だからです。

■どうすればもっと簡単にマネジメントできるのか

では、どうすれば部下の勤怠をもっと簡単にマネジメントできるのか。ポイントは3つあります。1つ目は、各メンバーの残業時間を一覧にして誰もが見られるようにする。残業の多い人はたいてい、自分の労働時間の把握ができていないうえに、自分だけではないと高を括っています。そこで、そうではないという現実を見せて自覚をうながすのです。

2つ目は、どのタスクにどれくらいの時間をかけているかを、全員に確認させる。これをやると、意外と移動時間が長いとか、使途不明時間がかなりあるとかいった、それぞれの時間の使い方の傾向がはっきりします。同時に、無駄や削れる部分も明らかになるので、残業を減らすための具体的な取り組みができるようになるのです。

3つ目は、その人に合った仕事を与える。発想力があるAさんには企画のアイデアを考えさせる、売上集計表の作成は、事務処理能力の優れたBさんに任せるといった具合です。人は誰でも向き不向きや強み弱みがあります。上司がそれを見極めて、それぞれが持ち味を発揮できる仕事を選んで与えるのです。

部下が自分で自分の時間をマネジメントできるようになって、なおかつ得意な仕事に集中できれば、残業は自ずと減り、逆に部署全体のパフォーマンスは上がっていくに違いありません。

そうしたら、上司も管理職としてのほかの仕事に、多くの時間を割けるようになるというわけです。

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安中 繁 ドリームサポート社会保険労務士法人代表取締役
労使紛争の未然防止、「週4正社員Ⓡ」の導入支援などを専門とする。著書に『すべての管理職必読! 困った社員対策マニュアル』がある。

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(ドリームサポート社会保険労務士法人代表取締役 安中 繁 構成=山口雅之)

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