“もったいない姿勢”が仕事に与えるネガティブな影響
プレジデントオンライン / 2020年2月18日 6時15分
※本稿は、木暮桂子『印象はしゃべらなくても操作できる』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
■“もったいない立ち姿”が与えるネガティブなイメージ
知らず知らずのうちに、自分が思ってもみないような印象を周囲に与えてしまっているとはどういうことか、少しご紹介しておきたいと思います。
例えば、立つ姿勢。ありがちなのは、首が前に出てしまっているケースです。まっすぐに立っているつもりなのかもしれませんが、首から上が前に突き出てしまっている。意外にこういう人は多くいます。
思い浮かべられる人もいらっしゃるかもしれませんが、首から上だけが前に出ている立ち方というのは、なんとも貧相で、自信がなさそう、不健康そうに見えるのです。それこそ、仕事ができるようにはまるで思えない。卑屈で、イライラしていそうな感じにも見えてしまいます。
■普段のみっともない歩き方は全てを台無しにする
歩き方も重要です。私のビジネスアピアランスのコンサルティングでは、歩いているところをビデオに撮って見てもらうこともありますが、多くの方が驚かれます。自分はこんなにみっともない歩き方をしていたのか、と。
歩く姿勢の悪い人に対するイメージを調査してみると、一位が「自信がなさそう」、二位が「不機嫌そう」、三位が「損をしていそう」、四位が「消極的」というものでした。このくらい印象が悪いのです。
ダメなパターンは、速度が遅い、歩幅が狭い、目線を下に向けて歩いてしまうことです。
そうすると、トボトボ感が出てしまう。一位から四位までの悪い印象をすべて人に伝えてしまうようなことになりかねないのです。逆にいうと、これとは正反対の歩き方を意識すると、仕事ができそうな良い印象を与えられるということですね。
■プレゼンの時よりも普段の歩き方のほうが重要
プレゼンテーションのときにはさすがにダラダラと歩くようなことはないと思いますが、間題は普段です。普段、オフィスから外出するときやお手洗いに行くときなどにダラダラと歩いていると、こういう悪い印象を周囲の人たちに刷り込んでいくことになります。
もちろん、上司もそれを見ています。さて、トボトボ歩いている部下を、上司はどう評価するでしょうか。
歩き方が悪いと靴のかかとも減ります。姿勢も悪くなる。のろのろと小股で歩いているところを想像してみてください。とても仕事ができそうには見えません。
■無意識にスマホに依存するスマートでない人々
他にも、知らず知らずの間に、がっかりな印象を相手に与えてしまっているケースは少なくありません。
近年だと、とても危険なツールといえるのが、スマートフォンです。誰もが当たり前のように持ち、当たり前のようにどこでも操作をしているわけですが、人前でスマホを操作するときは、やはり気を付けたほうがいい。
セミナーの登壇者が、座談会中にスマホを見ていた、という話も聞いたことがありますが、とても驚きました。目の前で登壇者がスマホをいじっているなんて、聞いている立場からしてみると心地良いものではないでしょう。
もはや、常にスマホを手に持っているのがクセになってしまっている人も少なくないようです。無意識のうちに、スマホを取り出して見たり、触ったりしてしまう。
しかし、その無意識が恐ろしいところなのです。それを目の前でやられると、とても不快な気分になる、という人も少なくないからです。
しかも、「スマホ首」とも呼ばれていますが、スマホを見るときには首も目線も下を向いてしまって、正直、かっこいいといえる姿ではない。ましてや、ニヤニヤしながら見ている姿というのは、本当に心地悪い。本人はなんとも思っていないかもしれませんが、周りからはまったくスマートに見えないのです。
■大切なのは外からどう見えているか
印象を抱くのは、あくまで相手。その現実を、ぜひ知っておいてください。
もしかすると、十年後には誰もそんなことを気にしない世界、当たり前のように人前でもスマホを見る世界が来るのかもしれませんが、少なくとも今は違う。
これは会議やミーティング中も同じです。中には机の下で、バレないだろうとこっそりいじっている人もいるようですが、先にも書いたように話者からすれば、ほとんどすべてが見えているといっても過言ではないのです。
たくさんの人が聞いているから、自分一人くらいは見つからない、というのは勝手な発想です。思い切りバレていることに気付いておく必要があります。
会社の同僚や仲間たちと食事したり、飲みに行ったりするときも、同様です。人がしゃべっているのにスマホにばかり目を向けていたら、気分が悪いことこの上ない。自分をコントロールできないスマホ中毒と受け取られても仕方がありません。
外からどう見えているのか、よく考えてみることです。
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ビジネスアピアランスコンサルタント/ディグニータ代表取締役
大学卒業後、シンガポール航空に入社し、キャビン・アテンダントとしてシンガポールに駐在。在職中にhigh achiever of compliments(年間を通じてお客さまからの感謝状が多かったクルーに対して授与)のトップ10として表彰される。その後帰国し、グロービスの創業期から現在のグロービス・マネジメント・スクール、グロービス経営大学院の立ち上げに関わり、東京校のスチューデント・オフィスの責任者として戦略立案、マーケティング、営業全般に広く携わる。また法人向け研修としてビジネスアピアランス・スキルトレーニングプログラムを開発、自ら講師を務める。現在はディグニータにて多くの経営者、政治家、コンサルタント等をクライアントに持ち、パーソナルブランディングやスピーチトレーニング、非言語コミュニケーションのコンサルティングを行う。これまでにのべ数万人以上の「ビジネスアピアランス強化」を実施。「見た目」を整えることで「印象が大きく変わった」「評価されることが増えた」という声が多数寄せられている。著書に『ビジネスという勝負の場は一瞬、しかも服で決まる』(ダイヤモンド社)がある。
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(ビジネスアピアランスコンサルタント/ディグニータ代表取締役 木暮 桂子)
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