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コロナ第2波は目前…免疫機能が低下している人には「万能ビタミン」だ

プレジデントオンライン / 2020年6月20日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/swissmediavision

■日本人のうち8割がビタミンD不足

日光浴、つまり紫外線を浴びることでビタミンDが体内で合成されます。他のビタミンは食べ物やサプリで摂取するほかないのですが、ビタミンDだけは体内で生成することができるのです。

ビタミンDは腸管でカルシウムを吸収する際に助けとなり、カルシウムを血液によって全身の細胞に送る際、カルシウム濃度を一定に保つ機能を果たしている重要な栄養素です。そのため、骨粗鬆症予防などにおいて知られていましたが、近年、ビタミンDに免疫機能を調節する効果があることもわかってきました。

風邪をひいている患者さんのビタミンDの血中濃度を調べると、濃度が低下していることがほとんどで、つまり免疫調整機能が落ちている。そのため、新型コロナやインフルエンザなどの感染症の予防や、悪化防止にビタミンDが効果があるというわけです。

ところが日本人のうち80%が「ビタミンD不足」に陥っているのが現状です。ビタミンDは食品からはほとんど摂取できないうえに、人々が日光浴をする時間が短くなっているためです。

■どの程度のビタミンDを取るべきなのか

健康を維持するためには、どの程度のビタミンDを取るべきなのか。厚生労働省の指針などではビタミンDの血中濃度が20ng/mL(50nmol/L)を超える程度あるといいとしていますが、日本人の多くはこの半分以下、10ng/mL程度という人も珍しくありません。私のクリニックに通っている患者さんに週3回、ゴルフに行っている社長さんがいますが、血中濃度は30ng/mL程度。平均的な日本人よりも日に当たる時間が長い人でも、この程度なのです。

1日に何分、日光浴をすればいいのか

ビタミンDは、サケやイワシなどの魚類、卵黄、干しシイタケなどの食品に含まれていますが、摂取できる量はごくわずか。そのため、日光浴によってビタミンDを体内で生成することを基本として、食事やサプリなどで補うとよいでしょう。

私のクリニックでは免疫機能が低下しがちな高齢者には、血中濃度100ng/mL程度を目安にビタミンDのサプリメントを処方しています。

季節や地域によって差はありますが、できれば一日30分の日光浴を習慣づけたいところです。その際には、肌の露出を増やし、なるべく直接紫外線の当たる面積を広くしたほうが効果的です。私自身もなるべく日光浴をするように心がけていますが、忙しくて日中出かけられないときには日焼けマシンを使っています。全身で紫外線を浴びることができますから、忙しい場合には効果的です。

ただし今は幸いにして天候のいい季節です。なるべく外に出て日の光を浴びることが健康的な生活といえるでしょう。

ビタミンDは不溶性で過剰摂取すると別の病気を引き起こしますが、日光浴でビタミンDが過剰に生成されることはありませんから、その点でも安心です。今は外出を控えようという時期ではありますが、外に出て人のいないところへ日を浴びに行く、あるいは自宅でも窓を開けて日の当たる場所にいる時間を意識的につくることをおすすめします。

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白澤 卓二(しらさわ・たくじ)
白澤抗加齢医学研究所所長、お茶の水健康長寿クリニック院長
1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。90年同大大学院医学研究科博士課程修了、医学博士。順天堂大学大学院教授などを経て、白澤抗加齢医学研究所所長。お茶の水健康長寿クリニック院長。千葉大学予防医学センター客員教授。近著(翻訳)に『SUPER IMMUNITY』がある。

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(白澤抗加齢医学研究所所長、お茶の水健康長寿クリニック院長 白澤 卓二 構成=梶原麻衣子 図版作成=大橋昭一)

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