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「男性が誰にも相談できない悩み」にタイ古式マッサージ師が挑む

プレジデントオンライン / 2020年7月16日 15時15分

タイ古式マッサージ師・ライターの平澤晴花氏。

■日本人は勃起不全を治さない民族

コロナ禍で超少子化の波が来ると予想されている今日この頃ですが、日本人の成人男性の4人に1人がED(勃起不全)に悩んでいるともいわれています。お悩みを抱える人が多いのにもかかわらず、日本はEDを専門とする医療機関が少ないため、その受診率は世界的に見てもとても低いのが現状です。

しかし、投薬以外の方法でもEDのケアはできるのです。「仏陀の時代から継承されるタイ古式ボディーワークを使えば、症状を改善していける可能性がある」と話すのは、自身のサロンでこの伝統的な手法をもって多くの男性に施術をしている清水まに先生(以下、清水)。自身もタイマッサージ師として活動する私、平澤晴花がみなさんの代わりに勃起力を取り戻す方法を聞いてきました。

■男性の先生だからこそ、デリケートな気持ちを理解してくれる

——先生のサロンで行われているEDの施術は、どのようなものなのでしょうか?

【清水】端的に言って、いわゆる「勃ち」だけを改善したいのであれば、専門の病院に行き、投薬などのご相談をされるのをおすすめします。しかし、男女のライフスタイル全般にかかわる問題は、抜本的な生活改善も含めて究極的にはお二人の心身のケアへ踏み込まないと解決しないことが多いです。生活全般、いろいろな側面からEDと向き合う施術やアドバイスを受けていただけるのが特徴です。

——お客様は男性の方ばかりですか?

【清水】いいえ。実はうちのサロンにEDのご相談にみえるのは90%以上女性です。もちろん、パートナーの参加も可能なのですが、まったくと言っていいほどお相手の男性は一緒には来ません。生殖器に関する悩みは“男のプライド”に直結していますから、女性と一緒に来づらい気持ちは、私もとてもよくわかります。なので、男性向け専用に、全身へ生命エネルギーを行き渡らせるための自己鍛錬方法が学べる“ちん・トレ”を開講しています(男性ケアは男性の講師、女性ケアは女性の講師が行う)。

■EDの解決には呼吸のコントロールが大切

——男性向けの講座ではどういった内容を教えていらっしゃるのですか?

【清水】シルク布やペットボトルのおもりを使った独自の方法で鍛え上げていきます。気功術(内気功)のメソッドを使って、陰茎部分の根元の血管やリンパのつまりを取り除いていきます。姿勢よく起立した状態でかかとから背骨を通って頭頂部の“百会(ひゃくえ)”というツボまで一直線に流れている気を流し、回転させていきます。呼吸法とあわせてペットボトルのおもりを前後に揺らしたり、車座に座って男性器を左右に振るなどのエクササイズ法、睾丸周りのセルフマッサージもお伝えしています。

エクササイズ

——理論を理解していないと実際男性ご自身が取り組むのには少し勇気がいりそうです。東洋医学的な観点、タイ古式の理論に基づいてご説明いただけますか?

【清水】タイ古式の理論では、“セン”という生命エネルギーが流れるゾーンが背骨付近の身体の中心にあり、宇宙とつながっているとされています。“セン”は実際の血管や骨や血を指すものではなく、目に見えないものですが、そのエネルギーをご自身で感じて、自在に動かすことはトレーニングを積めば可能なのです。

——昨今マインドフルネスなどの瞑想法のブームもあるので、「呼吸」に意識を向けてリラックス法を生活に取り入れている男性もいますね。

【清水】呼吸は普段無意識で行っているものなので、目に見えないものをコントロールするという意味ではイメージしやすいですし、なによりタイ古式でも呼吸はかなり重要です。うちのサロンの講座でも、身体の使い方と呼吸法を体得して、自分自身のエネルギーを自在にコントロールできるようになることが大切だと教えています。勃起力の向上に呼吸がもっとも大切だなんて意外かもしれませんが、本当なんです。

■オフィスでもできるEDからの復活エクササイズ

——普段の生活に取り入れることができるED解消のためのエクササイズや呼吸法、セルフマッサージがあればぜひ教えてください。

【清水】一番取り入れやすいのは、つま先立ちです。その際、眼球は天井に向けて、舌を出してぐっと上に持ち上げるとよいでしょう。同時に深呼吸をしてください。1日2~3分でOKです。この3つの動作、①つま先立ち、②眼球を上に動かす(まぶたは閉じていてもよい)、③舌を上に持ち上げる。これはいろんな生活シーンで取り入れることができますね。

つま先立ち

——これなら会社内の休憩時間や移動時間でもできそうです。その3つのエクササイズにはEDの改善的にはどんな意味があるのですか?

【清水】つま先立ちはダイレクトに下半身の強化になります。おしりの穴をすぼめて肛筋を意識して閉じると、そこから会陰(えいん)までEDに効くツボをダイレクトに刺激することができるので、舌の裏側は睾丸の裏筋の部分とつながっています。ぜひ、いま口の中でやってみてください。舌を上に持ち上げた感じと、裏筋が突っ張る感じは体感としても似ていると感じませんか?

——確かに筋張ってコリコリしているので似ているかもしれませんね。男性だったらなおさらその体感は鮮明だとも思います。

【清水】EDの改善にはこうして自分自身の体のイメージ力をあげることも大切なのです。眼球のエクササイズも筋が突っ張る感じを体感することができると思います。勃起力を高めるにはイメージ力向上が大変重要なのです。

■外出時のトイレタイムを活用してみよう

——ほかに日常生活でこれは効く、というシチュエーションと作法があったら教えてください。

【清水】トイレタイムをぜひ活用してください。お小水を時々止めたりしながら出すのもいいトレーニングになります。ご家庭だと、立小便器がない場合もあるでしょうから、会社や外出先のトイレでEDトレーニングをルーティンにするのがおすすめです。

——トイレなら日に何度も行くのでたくさんエクササイズできますね。

【清水】そうですね。呼吸と同じように、排泄も完全にコントロールして出すことは普段まれです。機能不全を改善するためにはまず、自分自身の体の仕組みをよく知ることですね。さきほどの3つの所作(つま先立ち、眼球を上に向ける、舌を上に持ち上げる)も加えられるようならぜひ同時に行ってください。そして、どの動作も必ず深呼吸をしながら行うことが大切です。

■セルフでできる睾丸マッサージと睾丸呼吸を伝授

【清水】姿勢は気功立ち、または椅子に浅く座る、背中にクッション等を当てて壁に寄りかかって座る、仰向けになって膝を立てる、等どれでも良いです。湯船に浸かった状態でも良いでしょう。呼吸は吸うときは鼻から、吐くときは口からが理想ですが、最初は楽な呼吸で構いません。まずはウォーミングアップのふいごの呼吸から始めていきます。

※ふいごの呼吸は睾丸(女性では卵巣)を活性化させ、そのリバースは前立腺(女性では子宮)を活性化させます。

1)気功立で、軽く拳を握り胸の前。

気功立で、軽く拳を握り胸の前

2)両腕を外方に開き背中を反らせて顎は引いたまま息を吸う。

両腕を外方に開き背中を反らせて顎は引いたまま息を吸う

3)両腕を閉じ背中を丸めて息を吐く。

両腕を閉じ背中を丸めて息を吐く

4)リバース(同じ動作で逆の呼吸を行う)

睾丸マッサージ
1)睾丸を掌で包み込んで軽い痛みを感じるまで握って離します(数回)。
2)陰茎の根元を二指(どの指を使っても可)で挟み上下・左右に(各50回)引きます。
3)最後に軽く四指で睾丸を叩きます(このとき、他方の手で陰茎を邪魔にならないように上方に寄せておくといでしょう)。

睾丸呼吸
1)リラックスして睾丸を感じます(睾丸がウズウズしたり微妙に動いているのを感じたらなお良い)。
2)睾丸を下腹部に向かって引き上げるのをイメージして息を吸います(息を吸う時にお腹が膨らむ)。
3)睾丸がゆるんで下に下がるのをイメージして息を吐きます(息を吐く時にお腹が凹む)。
4)リバース。逆の呼吸も試してみます(息を吸いながら睾丸を引き上げお腹が凹む。息を吐きながらお腹が膨らみ睾丸が下がる)。
5)次に息を吸いながら睾丸を引き上げたら、そのまま睾丸から吸い上げた空気が仙骨~背骨(腰椎・胸椎)を通って頭頂まで上がり、吐く息で顔~胸~お腹を通って睾丸に戻り、睾丸が下がるのをイメージします。
6)さらに目の動きを加えて、吸い込んだ空気の動きを、眼球を動かして追っていきます。

※頭頂を通って一周できなくても、最初は背中の途中くらい(おへその裏側か腎臓の位置)で睾丸に戻しても構いません。

清水まに(しみず・まに)

2000年、チェンマイのタイ・マッサージ・スクール「ITM」にてレベル1~4を修了。バンコク・ワットポー・スクールにてフットリフレクソロジー・コースを修了し、現地アシスタントを務め、翌年タイ政府公認校「ITM」の日本分校資格取得。「ITM長野」設立。2013年、中国タオの伝統療法「チネイザン」(気内臓)に取り組み、翌年、タイ政府公認UHTチネイザン・プラクティショナーとなる。現在、名古屋を拠点として、タイ古式マッサージスクール講師を務め、その普及に取り組む。施術も随時受付中。

(ライター・タイ古式マッサージ師 平澤 晴花)

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