日韓"8月戦争"開戦で震え上がる文在寅… 次に土下座するのは安倍か文か

プレジデントオンライン / 2020年8月6日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Barks_japan

■GSOMIA失効も迫る8月

史上最悪の関係に冷え込んだ日本と韓国がいよいよ「8月開戦」を迎える。元徴用工への賠償に絡み、新日鉄住金(現日本製鉄)に資産差し押さえの通知が届いたとみなす公示送達の効力が8月4日に発生し、資産売却(現金化)手続きに入ることが可能になるためだ。

安倍晋三政権は繰り返し「現金化は深刻な状況を招く」と警告しているが、韓国の文在寅大統領はここぞとばかりに歴史問題を持ち出し、日本への一斉攻撃を仕掛けている。昨年は自ら拳を振り上げておきながら直前に日和ったGSOMIA(日韓軍事情報保護協定)の「失効リミット」も8月24日に迫る中、今年の夏は「恥知らずな大統領」とのあまりにもダルすぎる戦いを余儀なくされそうだ。

なぜ、かくも愚かで同じ過ちを繰り返すのか不思議でならない。現金化は、韓国の最高裁にあたる大法院が2018年10月に賠償を命じたことに基づき、韓国の裁判所が差し押さえた資産を強制的に売却・賠償する命令を出すことができるというものだが、少なくとも日本人の多くは1965年の日韓請求権協定で「解決済み」であることを知っている。日本政府が「明確な国際法違反だ」と憤るのは当然だろう。

にもかかわらず、韓国政府は「歴史を歪曲している」と反日カードを巧みに操り、国際世論を誘導することを好むようだ。さらに「ここが勝負時!」と見ているのか、最近の動きは常軌を逸している。

■軍艦島の世界遺産取り消し問題も勃発

「歴史的事実を歪曲し、犠牲者を再び傷つけている」

7月29日、ソウルで開催された世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」に関する討論会で、文政権の朴良雨(パク・ヤンウ)文化体育観光相は長崎市の端島(通称・軍艦島)などの展示について、このように非難した。同観光相は米ブルームバーグ通信が7月24日配信したインタビューでも、展示内容について「全くのウソだ」「歴史の歪曲だ」と強調した。

「明治日本の産業革命遺産」は、2015年7月に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録され、幕末の1850年代から明治初期の1910年までの23資産で構成。飛躍的な経済発展や文化交流などをうかがうことのできる集合体だ。だが、韓国は軍艦島での朝鮮人労働者への「差別的待遇」が十分に触れられていないとして反発し、遺産登録取り消しを求めている。韓国の大学教授も海外メディアに関連報道を求める書簡を送るなど、その動きは加速している。歴史問題を「国際舞台」にのせていくのは韓国の常とう手段だが、歴史的事実に照らしても国際法上も明らかにわが国固有の領土である竹島を不法占拠しておきながら、「歴史」を持ち出す姿勢には呆れてしまう。

■遺産は「1850年~1910年代」で構成

韓国側の理屈は、2015年の遺産登録の際に「犠牲者を記憶にとどめるための措置」として日本側が「情報センター」の設置を約束したにもかかわらず、6月から東京で一般公開された展示には朝鮮人労働者への「差別的待遇」を否定する証言と資料が含まれている、というものだ。

同観光相は「日本が国際社会との約束を放棄し、強制労働の真実を隠そうとし続けるなら世界遺産の精神と趣旨を否定、毀損(きそん)するものだ」と非難している。だが、先に触れたように同遺産は「1850年代~1910年」で構成されており、先の大戦とは直接の関係がないものであるのは明らかだ。せめて、人気テレビドラマ「コンフィデンスマンJP」の主人公「ダー子」のようにきれいな展開を見せてから言ってほしい。

日本政府の毅然(きぜん)としない対応にも問題がある。菅義偉官房長官は「日本は世界遺産委員会の決議や勧告を真摯(しんし)に受け止め、約束した措置を誠実に履行している」と説明しているが、こうした「国際世論戦」を挑んでくる相手には配慮は不要で、反論すべきは強く出ていくべきだろう。なにかあるたびに「遺憾砲」ばかりを発するだけで終わりとするから、韓国のみならず中国や北朝鮮などになめられてしまう。

■暴走する文在寅と鈍感な安倍

実際、文政権による攻勢はエスカレートしている。日本政府は昨年7月、「安全保障上必要」として韓国への半導体材料など3品目の輸出管理厳格化に踏み切ったが、これに反発した韓国は国際的な貿易ルールに違反しているとして世界貿易機関(WTO)に紛争処理小委員会の設置を求めて提訴。WTOは7月29日、小委員会設置を承認した。今後は国際機関での対立が続くことになるが、昨年4月には韓国による福島県などからの水産物輸入禁止措置をWTOが容認する判決が出ている。加えて、対日批判を繰り返してきた韓国高官はWTOの次期事務局長選に出馬しており、韓国を「何をしてくるのか分からない国家」として見た場合、貿易摩擦の先行きも怪しい。

最近では、韓国・江原道平昌にある「韓国自生植物園」に慰安婦像の前でひざまずいて謝罪する安倍総理を模した像が設置され、日本国民の感情を逆なでしている。菅官房長官は7月28日の記者会見で「国際儀礼上許されない。日韓関係に決定的な影響を与える」と反発したが、そんなことを言っている場合ではないだろう。2015年12月に朴槿恵政権との間で「最終的かつ不可逆的な合意」に署名したのは、他ならぬ安倍政権ではないか。もはや「地球儀を俯瞰する外交」と称して、強い外交をうたっていた政権とは思えないレベルにあると感じてしまう。巨額の税金を投入して布マスクを配布したり、新型コロナウイルスの感染再拡大時に観光需要喚起策として「Go Toトラベルキャンペーン」を前倒し実施したり、国民の不安や不満にあまりにも鈍感すぎる。

■文在寅「焦り」の原因

ここで頭に入れておかなければいけないことがある。それは文大統領の「焦り」だ。1つは国内世論で、韓国の世論調査会社「リアルメーター」が7月30日発表した調査結果によると、文大統領の支持率は10週ぶりに上昇したとはいえ45.6%にとどまり、不支持率は50.1%に上っている。あれだけ時間と費用をかけて、似合わない「ほほ笑み」を浴びせ続けてきたにもかかわらず、北朝鮮実質ナンバー2の金与正朝鮮労働党第1副部長から完全にフラれてしまい、対北朝鮮政策は座礁に乗り上げている。新型コロナウイルス対策も吹聴しているようには奏功していないのが現実だ。

もう1つは、国際世論にある。米国のドナルド・トランプ大統領は5月、先進7カ国(G7)首脳会議が「時代遅れ」として、G7に韓国やロシア、豪州、インドを招待する意向を表明した。中国との摩擦が激しさを増し、対中共闘で手を組むことをにらんだ動きで、米国のマイク・ポンぺオ国務長官も7月末に「欧州全域のパートナー、インド、日本、韓国、豪州」の名を挙げている。韓国にとって「世界を導くリーダー国の仲間入り」をすることは誇らしいことであり、是が非でも参加したい一大イベントになることは間違いない。その舞台として検討されているのが8月下旬の米国での拡大会合だ。

■“8月戦争”を日本政府はどう乗り切るか

だが、日本政府は「G7そのものの枠組みを維持することは極めて重要だ」(菅官房長官)と韓国の参加には否定的だ。G7の正式メンバーになるためには全参加国の同意が必要で、現状のままなら韓国は「不合格」となる。このため、韓国の青瓦台(大統領府)高官は「隣国に害を与えることになれた日本の一貫して反省しない態度にはもう驚きもしない」「恥知らず」と強く批判したと報じられている。安倍政権と同様に「外交」を売りにしてきた文大統領が対北朝鮮だけでなく、この「一大イベント」で失敗すれば韓国内の失望は計り知れないものになるだろう。

さまざまなことが集中する8月に入り、もはや焦りを隠せない文政権を相手に安倍政権は油断も躊躇も配慮もすることなく、毅然として国際世論戦で勝ち残っていくだけの発信力をつけなければならない。それが国益を守ることであり、「ポスト安倍」の条件にもなることは言うまでもない。

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麹町 文子(こうじまち・あやこ)
政経ジャーナリスト
1987年岩手県生まれ。早稲田大学卒業後、週刊誌記者を経てフリーランスとして独立。プレジデントオンライン(プレジデント社)、現代ビジネス(講談社)などに寄稿。婚活中。

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(政経ジャーナリスト 麹町 文子)

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