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企業の韓国離れが加速…国内で批判殺到! 完全な負け戦となった文在寅の末路

プレジデントオンライン / 2020年8月13日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Dilok Klaisataporn

■1965年の韓国政府に対する経済協力金の行方

韓国では、徴用工訴訟で韓国最高裁から賠償を命じられた日本企業の資産売却に向けた手続きが進み、現金化手続きが8月4日以降、可能となっています。これにより、韓国の裁判所が差し押さえた新日鐵住金(現日本製鉄)資産を強制的に売却する可能性があります。これに対して、日本政府は対抗措置の検討を本格化させており、外務省幹部は「資産現金化は日韓関係を決定的に終わらせる事態になる」と述べています。徴用工訴訟の対象となっている日本企業は70社超で、日本製鉄の資産が現金化されれば、日本企業の韓国離れは避けられないでしょう。

日本政府は、1965年の日韓国交正常化の際に結ばれた日韓請求権協定で問題は解決済みとの立場です。なぜなら、請求権協定で日本は有償・無償合わせて5億ドル(現在の価値で7500億円)という巨額な経済協力金を韓国政府に支払っているからです。

巨額な資金を支払ったにもかかわらず、なぜ、訴訟が起きたのでしょうか?

WBSが番組内で、5億ドルの使い道について行方を追っています。WBSは44年前に韓国政府が発行した『請求權資金白書』を入手し、その中身について報道しています。5億ドルは「農業や水産業、さらに原子力研究などの科学技術に至るまで日本の資金は様々な分野に使われたこと」や「ソウル市内を流れる漢江にかかる全長およそ1kmの漢江鉄橋の建設に、89万ドルが投じられた」こと、他にも「ソウルと第二の都市である、釜山を結ぶ京釜高速道路の建設にはおよそ690万ドルが注ぎ込まれていた」ことを報道で明かしています。

■韓国国内の被害者たちは文在寅を批判

今回の徴用工問題の火種の根本は、韓国政府が日本からの補償金をインフラ投資等に回し、被害者や遺族に届いていなかったことに端を発しています。

その見返りに、韓国は日本の経済協力金を手に「漢江の奇跡」と呼ばれる経済発展を遂げたのです。韓国の経済発展において、日本は資金だけでなく、多くの日本の技術者たちが韓国に技術指導に渡り、サポートしています。白書によれば「75年までに個人への補償に充てたのは5億ドルのうち、わずか2000万ドルであり、元徴用工への補償は十分とはいえなかった」と報道しています。本来、被害者や遺族が受け取るはずのお金が手元に渡らなかったのです。

日韓関係について客観的事実を知る多くの韓国人が実は存在しているのもまた事実です。日帝被害者報償連合会・会長の金仁成氏らが、韓国の大統領府である青瓦台前で毎週行っている「火曜日デモ」はほとんど報道されることがないデモです。「韓国政府が日韓基本条約で受け取ったお金を被害者や遺族に返すべきだ」と考えている人たちが、返還を韓国政府に要求する運動が「火曜日のデモ」なのです。

今回、問題となっている「日本企業の資産差し押さえ」については、被害者や遺族から始まったものではなく、「弁護士が勝手に始めたもの」であり、「弁護士らの行為が日韓関係を悪化させる原因になったことで、一部の遺族はとても困惑している」との報道もあります。

徴用工裁判においては、被害者が置き去りにされ、どこまでも「反日」の道具として韓国政府が利用しているのです。そのため、問題が複雑化してしまい、被害者は日本からではなく、韓国政府によって、何重もの被害を受けているのが事実なのです。

■徴用工訴訟の対象となっている日本企業は70社以上

韓国の根底にある「恨」は、歴史的に大国から支配をされ続けた圧力が「恨み」として根付いているのです。いまもなお、南北は分断され、米国、中国、ロシアの顔色を見ながら国際政治を渡っていかなければならない厳しい状況に置かれている、その不満を一部、「反日」といった感情で処理しているのです。今回の、「徴用工訴訟」からの「現金化」をめぐる問題も、韓国に根付いた大きな「恨」の鬱憤の“一側面”にすぎないのです。

徴用工訴訟の対象となっている日本企業は三菱重工業、不二越、日立造船など70社を超えており、日本製鉄以外の日本企業への賠償を求める裁判が相次いでいます。もし、日本製鉄の資産売却が実行されれば、前例となり、他の日本企業の不安も高まることになります。

外務省幹部は「前例をつくってはいけない。売却するなら対抗措置を取る必要はある」と述べています。

昨年の日本製品の不買運動によって韓国から撤退を余儀なくされた日本企業は日産自動車、オリンパス、オンワード、デサント、ファーストリテイリング傘下のGUなど、数多く存在しています。日本企業の資産売却によって、日本企業のさらなる韓国離れは進みかねないでしょう。そのことは、韓国経済にとって何一つ良いことはなく、ただ「反日」を旗印に一時的に支持率回復につながる程度のメリットしかないのです。

■日本政府は報復措置も準備

菅義偉官房長官は4日の記者会見で、韓国側の司法手続きについては「明確な国際法違反であり、現金化に至ることになれば、深刻な状況を招くので避けなければならない」と指摘しており、「韓国側に早期に解決をするよう強く求めていきたい」また、「日本企業の正当な経済活動の保護の観点から、あらゆる選択肢を視野に入れて、引き続き毅然と対応していきたい」との考えを述べています。

日本政府は日鉄の資産が現金化される場合、報復措置を取る構えです。例えば、韓国人へのビザ発給制限と駐韓日本大使の召還、金融制裁、輸出管理厳格化が政府内で検討されています。また、韓国経済に打撃となる報復関税や韓国側の日本国内資産の差し押さえも選択肢として浮上してきています。

輸出管理厳格化については、2019年7月の特定3品目の輸出手続きを厳格化した際の、サムスンやロッテの動きで、韓国経済にとって大打撃であることは明らかです。

昨年、日本の対応を受けて、文政権と韓国の企業経営者との協議をする場を設けたものの、「サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長と、韓国ロッテグループの重光昭夫会長は、文政権の会合に出席するのではなく、訪日した」と真壁昭夫氏が著書『9つの悪魔に支配された韓国経済の悲劇:日本には永遠に追いつけない経済構造の罠』の中で記述しています。

韓国企業の訪日の目的は「半導体生産に必要な高純度の日本製素材の確保と、邦銀からの融資継続」を目指すためにあったのです。自国の大統領との会合よりも、日本が大事。民間が生き残るためにとった行動からも、韓国経済の日本依存度は非常に高いのです。

実際に、韓国の半導体産業の「脱日本化」がかなわなかったことは、以前「韓国・文在寅が夢を描いた『日本依存脱却』からはや1年…コリアで地獄が進行した」のなかで述べています。

■日本企業が韓国を離れてつらいのは韓国

韓国は、恒常的にドル資金不足の構造にあり、ドルが枯渇するとキャッシュフローが回らなくなる危険性が高い国です。上記で述べたように、輸出管理厳格化の際に韓国企業が訪日をした目的の1つに「邦銀からの融資継続」があります。

日本の銀行は、韓国の銀行に融資を行っていますが、もし、日本の金融機関が超短期のドル資金を融通しなくなる場合などを考えると、韓国の銀行はキャッシュフローが回らなくなる事態に陥ってもおかしくないのです。日本は、半導体材料の輸出管理厳格化だけでなく、事実上の金融制裁といった措置を取ることも可能なのです。

コロナで世界経済が大きな打撃を受けている今、対立にエネルギー注ぐ余裕などはないはずです。ましてや、日本企業の韓国離れが進んでしまうことは、韓国の自国の経済の首を絞めることにつながりかねない。国というものは1つの言動がどこまで波及し、国内経済に影響を与えるかまでのシナリオを考えて行動するべきでしょう。

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馬渕 磨理子(まぶち・まりこ)
テクニカルアナリスト
京都大学公共政策大学院を卒業後、法人の資産運用を自らトレーダーとして行う。その後、フィスコで、上場企業の社長インタビュー、財務分析を行う。

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(テクニカルアナリスト 馬渕 磨理子)

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