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頼んだぞ! 絶望日本を救えるのは「菅総理」しかいない

プレジデントオンライン / 2020年9月12日 11時15分

自民党総裁選のニュースがメディアをジャックして久しい。最大派閥である細田派の支持を得た菅義偉氏の当選が有力視されている。一方で世論調査の結果では石破茂氏の支持も高い。そんな中、国際政治アナリストの渡瀬裕哉氏は、「日本の将来を見据えると、次期総理は菅氏しかありえない」と語る。その理由とは ──。

■日本を救うのは菅氏しかいない、5つの理由

安倍晋三内閣総理大臣の辞任に伴い、自民党総裁選挙に有力議員が名乗りを挙げた。米中覇権争い、予測困難な米国大統領選挙、そして未曽有の経済危機など、国際情勢・経済情勢が不透明さを増す中、日本の首相として難局を乗り切れる人材は一体誰なのか、大きな注目が集まっている。

その中でポスト安倍に相応しい人物の条件は、「大統領選挙の結果如何にかかわらず日米関係を首尾よくハンドリングし、更なる増税圧力に屈することなく、日本経済を立て直すための政治力、実績、精神力を持った人物」である。そして、これらの条件を満たす人物は、現状では菅義偉官房長官を除いてほかに該当者が存在していない。菅官房長官が日本の総理大臣になるべき理由を5つにまとめ列挙する。

■ドナルド・トランプ大統領が再選した場合

1.トランプ、バイデンの両方に相対した対米経験を有していること

菅官房長官および同長官の側近議員らは米国に幅広い人脈を有しており、2019年5月に同長官が渡米した際にはマイク・ペンス副大統領、マイク・ポンペオ国務長官、パトリック・シャナハン国防長官代行(当時)らに面会している。特に政権の要であるペンス副大統領とは、両者の政権内での役割について意見交換し、その立場の類似性から深く意気投合した仲だと言われている。仮にドナルド・トランプ大統領が再選した場合、対米関係の安定性という観点から望ましいものと思う。

トランプ&バイデン
時事通信フォト=写真

また、バラク・オバマ、ジョー・バイデン政権時代にも、官房長官として当時難航していた米軍基地問題をはじめとした難問に取り組み、米国側と深い信頼関係を結んだ実績がある。バイデン前副大統領が当選した場合の外交・安全保障スタッフはオバマ時代のメンバーを踏襲する見通しとなっており、同政権の考え方や癖を肌感覚で理解していることは心強い。

大統領選挙の結果として、トランプまたはバイデンのいずれが勝利した場合でも、経験に裏打ちされた外交関係の構築が見込めることは、米中対立が激化する国際環境の中で、他の候補者と比べて菅官房長官のキャリアが勝っているポイントとなっている。

2.主要閣僚として経済政策・財政運営に関する見識を有していること

官房長官は月例経済報告等に関する関係閣僚会議を主宰する立場にある。つまり、第2次安倍政権の約8年間を通じ、菅官房長官は日本経済・政府財政の状況について、他の政治家の誰よりも責任者として詳細に把握してきたと言えるだろう。

新首相が経済状況に関して一からレクチャーが必要となるキャリアの人物では世界第3位の経済大国の舵取りは任せられない。そのため、菅官房長官が新型コロナウイルス問題による世界的な経済危機、そして日本経済の立て直しに関して、現職や総務大臣という内政上の主要閣僚ポストを経ていることは重要なポイントだ。

ただし、筆者は財務省に屈して2度の増税を行った現自民党政権の政策を諸手を挙げて支持しているわけではない。したがって、新型コロナウイルスによる景気悪化に対し、菅官房長官には財務省の意向を抑えて、日本経済再生のために消費税減税を断行することを求めたい。

■Go To トラベル その本質とは

3.財務省に安易に屈しない中央省庁を横断する幅広いネットワークを有していること

財務省は新型コロナウイルスに対する経済対策のための政府支出をコロナ増税として国民から回収することを虎視眈々と狙っている。既に財務省の御用学者らが新たな増税に向けたアドバルーンを揚げ始めており、日本経済を更なるどん底に陥れるための試みが準備されていることは明白だ。

Go Toトラベルその本質とは
毎日新聞/AFLO=写真

財務省を抑えるためには、他の現業官庁や政権与党に対する影響力を行使し、政府の内外から財務省の動きに抵抗する政治力を発揮することが必要となる。菅官房長官は内閣人事局を掌握し、また過去の政治キャリアから各官庁の官僚らに対して気脈を通じている。これは安倍首相が経済産業省頼みで財務省に対する政治的な抵抗力が十分でなかったことと比較し、菅官房長官が長年にわたって築いてきた政治力との決定的な差異となるポイントである。

そして、自民党の二階俊博幹事長、公明党とのパイプも財務省に対して抵抗する重要な要素となる。また、政治的な友好関係にある日本維新の会との反増税に向けた協力もありうるだろう。もちろん、これは菅官房長官が財務省に対抗する政治行動に出た場合の想定にすぎないが、同氏の過去のキャリアを見る限り財務省系のラインにある人物ではない。

4.国民の生命・財産を守るために剛腕を振るった実績を持っていること

国民の生命・財産を守るために必要なことを断行してきた実績も評価に値する。

直近では各省庁で運用目的が異なるダム群に関する運営管理を見直し、頻発する豪雨災害への治水対応能力を飛躍的に高める措置を断行している。これは関東地域の水害対策で評価された八ッ場ダム(建設約50年・事業費5000億円以上)の50個分の治水効果を生み出す大改革であった。地味ではあるものの、官房長官として培われた省庁横断的な視座が可能にした改革であった。

また、かつて総務大臣就任以来推進されてきた諸改革は、国民生活のコストおよび利便性の改善に繋がる政策として実を結びつつある。最もシンボリックな事例は携帯料金の引き下げに向けた新規参入の促進である。菅官房長官は楽天も含めた携帯各社の競争が進むことで、4割程度の料金引き下げの可能性を過去に示唆している。これは景気悪化で苦しむ家計にとっては大いに助けとなるものだろう。

Go To トラベルは大きな批判を浴びることになったが、経済指標上業績が大きく落ち込んでいる旅行業・飲食業を支援するという断固たる決意は評価したい。筆者はこの手のバラマキ政策がよいとは考えていないが、約900万人の雇用を支える観光業のホテル・旅館の客室稼働率が1割に落ち込んでいる状況では何らかの対応が必要なことは自明であった。

実際、Go To トラベルは、20年8月24日時点で、約200万人のキャンペーン利用者のうちコロナ感染者は1人(登録されたホテル・旅館で判明した人は10人)にすぎず、心配された感染拡大は杞憂となっており、コロナを恐れず、事実上コロナを制した果敢な取り組みだったと言える。

■高校卒業後に上京、段ボール工場で働いた

5.世襲議員でなく叩き上げ政治家として国民の生活・境遇を理解していること

菅官房長官は、秋田県から高校卒業後に上京、段ボール工場で働いたところからキャリアをスタート。2年後、法政大学に苦労して進学し、民間会社に就職後、政治家を志して小此木彦三郎衆議院議員の秘書を11年間務めた。

これまでにメディア等で名前が挙がった自民党総裁候補は原則として世襲議員だ。親も政治家、場合によっては祖父も曾祖父も政治家という半ば貴族社会のような有り様だ。同氏はその中で異彩を放つ叩き上げの人物であり、国民と同様に辛酸を舐めて泥に塗れて生きてきた人生経験を持つ。

政治家の秘書、しかも血統的な裏書保証のない秘書は1年間休みもなく働く激務であり、多くの人は3年どころか1年持たずに辞めていく。それを11年間務めたうえで、横浜市会議員となり、国会議員としても修羅場をくぐり抜けてきた精神力は並大抵のものではない。閉ざされた門閥政治の中で、今こそ1人の一般国民が首相になれる道を示すときがきたと言える。

あまり知られていないが、菅官房長官はほぼ毎日のように多くの民間人と朝食会をこなし続けている。これは官房長官になる前から変わることがない習慣であり、安倍政権内部では最も多くの民間人材との意見交換をこなしてきた人物だと言えるだろう。この習慣は多くの国民から人材・アイデアを登用することに役立っているものと思うが、背景には同氏の政治家としての出自が影響しているものと推量する。

以上のように、現在名前が挙がっている自民党総裁候補者の中で、菅義偉氏ほど日本の難局を乗り切る資格を持つ人物はほかにいない。自民党の国会議員が正しい見識を持って次の首相を選ぶことを期待する。

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渡瀬 裕哉(わたせ・ゆうや)
早稲田大学招聘研究員
国際政治アナリスト、実業家。パシフィック・アライアンス総研代表取締役所長。国内外のヘッジファンド・金融機関に対するトランプ政権分析のアドバイザーも務める。

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(早稲田大学招聘研究員 渡瀬 裕哉 撮影=原 貴彦 写真=時事通信フォト)

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