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65歳で起業して年商4000万円を達成できたワケ

プレジデントオンライン / 2020年10月30日 11時15分

チェーン展開しているホテルは、自社でコンサルの人材もシステムもある。私がお手伝いするのは、新規でホテルをつくりたいという方々。

朝倉博行(70歳)会社名:トリプル・ウィン/開業年:2015年/従業員数:1人/資本金:100万円/売り上げ:4000万円/今後の目標:自分の理想のホテルをつくり上げる

■誠意あるコンサルが最大の広告宣伝に

職場からは再雇用を打診されたが、「上に立つ人間は引き際が大事。代わりに自分のやり方で、お世話になったホテル業界へ恩返しがしたかった」との思いから退職し、65歳で起業した朝倉さん。勝算はなかったというが、会社員時代に培った人脈と経験が成功の一因だ。

起業から5年目の2019年時点で年間売り上げは4000万円に迫る。大学を卒業後、第1次オイルショックで就職難のなか、第一ホテル(現阪急阪神ホテルズ)に入社。ベルボーイからスタートし、管理部、企画部などで18年実績を積み、三菱地所のホテル事業部へ転籍入社。在籍時は、プロジェクト推進室長としてロイヤルパーク汐留タワーの開業・運営に携わり、シティホテル初のタイムシェアリングサービスを導入するなど、斬新な試みで初年度黒字に成功した。

退職後、トリプル・ウィンを設立。現在はホテルコンサルティングが業務の中心だ。

「既存ホテルの運営改善とスタッフの意識改革の支援、新規開発や他業種からのホテル事業参入支援、その他にホテルに関する顧問業務。この3つを軸にやっています。独立当初は、ホテルの覆面調査も。タダで泊まれて、レストランで食事もできるので羨ましがられましたが、調査項目が膨大にあり大変でした。周りからのアドバイスで『退職後、間を空けないほうがいい』と言われ、退職した翌日に起業したのも正解でした。間が空くと気力が失せていたかもしれない」

■前職の肩書は次第に通用しなくなった

独立後すぐに、勤めていた会社から仕事をもらえたが、新規の案件はなかなかこなかった。営業を兼ねて挨拶回りに行くと、親しくしていた経営幹部層は朝倉さんの現役時代とは代替わりをしており、相手にされない。アテにしていたわけではないが、前職の肩書は次第に通用しなくなった。

「いかに三菱地所という会社のブランドに守られていたかという事実に直面し、個人だからこそできることに切り替えていきました」

朝倉さんの場合は、自身の人脈で人と人を繋げることから始め、誠意を持ったコンサルティングで地道に信頼を得ていった。

「勉強会や交流会で出会った人を、自分の人脈と繋げて仕事にする。また、自分の提案から生じるメリットとデメリットをしっかり伝えて、あくまで選択はお客様にしてもらうようにしています。自然と口コミが広がり、相談が増えてきました」

初期に予算をかけすぎて、失敗している例を見てきた経験から宣伝広告費はゼロ。誠意を持って仕事をしている姿と「人のために、自分の経験を役に立たせる」という精神が最大の宣伝になった。

「団塊の世代が、若者にぶら下がったら大変だから。健康なうちはみんな働けばいい。80歳ぐらいまでは頑張りたい」

自身が思い描く「理想のホテル」の実現に向けた夢を語る表情は、まだまだ明るく精悍だった。

(カメラマン・ライター 藤中 一平 撮影=藤中一平)

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